第157話 ゴンゾーと悪鬼

「兄上が危ないとか言うからこの子も怒ったんだよ。」


「な、生意気なまいきな奴め!」


「こら。シデン。」


その物言いに、すかさず父上がお叱りを与える。


「生意気と他人を下に見るような発言は自分の品格を落とす発言だといつも言っているはずだ。

シデンも四鬼を目指すのであれば、絶対にそのような発言はしてはならぬ。」


「も、申し訳ございません。僕が間違っていました。」


「よろしい。素直に謝れるところはシデンの良いところだ。これからは気を付けるのだぞ。」


「はい。」


少し暗くなってしまったけれど、取り敢えず男の子は大人しくなった。


「放しても良さそうだな。」


父上が静かに男の子を床に下ろすと、男の子は暴れたりせず、その場で大人しくしている。


「まずは自己紹介からだよね…私はサクラ。よろしくね。」


「グ…?」


何を言っているのか理解出来ないのか、男の子は私の目を見て不思議そうな顔をする。


「サ・ク・ラ。」


私は自分の顔を指差してもう一度、名前を一言一言区切って言う。


「分かる?私の名前。」


「サ…グ…ラ……?」


「サクラ。私の名前。」


「サク…ラ……」


「そう!サクラ!ふふふ。」


男の子は私の顔を見詰めて、それが私を示す名前だと理解したみたいだった。


「サクラ…」


男の子は私の名前を呼びながら顔をじっと見詰めてくる。顔と名前が一致するように覚えているのかな?


「私はアザミよ。ア・ザ・ミ。」


「ア…ザミ?」


「ふふふ。そうよ。よく出来ました。」


母上が笑い掛けると、男の子はキョトンとしている。


「俺はシュンライ。」


「シュン…ライ……」


父上が名前を伝えると、私や母上とは違い、少し警戒しながら、顔を見て名前を復唱する。


「ぼ、僕はシデン。シデンだ。」


「シ…デン…」


「覚えてくれた!」


兄上は先程邪険にされた事があってか、覚えてくれた事が嬉しいみたい。


「サクラ…アザミ…シュンライ…シデン……」


男の子は私達の顔を見回しながら、名前を何度も復唱する。


「俺達の名前は良いとして、こいつの名前を決めないとな。」


「そうね…名前が無いと不便よね。」


男の子は相変わらずキョトンとしている。まだ名前以外の言葉は理解出来ないみたい。


「名前…名前か……」


「こういうのは簡単に決められないものよね…」


「ゴンゾーが良い!」


「ゴンゾー?」


私がその名前を出すと、父上が不思議そうに私を見る。


「ふふふ。最近サクラに聞かせた、昔話に出てくるゴンゾーね?」


「うん!」


「昔話…?あー!あの悪鬼あっきを倒す男の話か!それでサクラは悪鬼という言葉を知っていたのか。」


鬼人族の間で、子供達に聞かせる昔話の一つに、『ゴンゾーと悪鬼』という話がある。

よくある昔話で、悪さばかりをする悪い鬼が居て、その鬼をゴンゾーという若い鬼人族の男性が倒す…という物語。


男の子は悪鬼と呼ばれ、皆からさげすまれ、ののしられてきた。そんな境遇を壊せるように…という深い意味で名付けた、なんて高尚な理由は無い。まだまだ小さかった時の話だし、ただ、その時覚えていた昔話に出てくる男の人が、私の頭の中に浮かんだ。


「ふふふ。いい名前ね。」


「ああ。最高の名前だな。」


「じゃあ今日からあなたはゴンゾー!」


男の子は私を見てキョトンとしている。


「サクラ。ゴンゾー。」


私は自分を示してサクラと、そして、男の子の示してゴンゾーと言葉を続けた。


「??」


「私はサクラ。あなたはゴンゾー。」


「ゴンゾー…?」


何度かそれを繰り返していると、男の子は理解出来たのか、自分を指で示してゴンゾーと言う。


「そうよ!あなたはゴンゾー!」


「ゴンゾー……ゴンゾー!ゴンゾー!」


自分を示す名前が決められて嬉しいのか、男の子は立ち上がり、ぴょんぴょんと跳ね回りながら自分の名前を連呼れんこする。


「ありあら。元気の良い子ね。」


「こ、こら!そんなに暴れたら危ないだろう!」


「ゴンゾー!ゴンゾー!」


兄上の注意も無視して跳ね回るゴンゾー。


この時から、彼はゴンゾーと名乗る事になった。


「そうだ。すっかりゴンゾーの話で盛り上がってしまったが…

アザミ。俺とサクラとシデン、そしてセナからお土産だ。三人も小遣いから出してくれたんだぞ。」


父上がそう言ったところで、ずっと大切に握り締めていた、露店で買った髪紐を私が手渡す。


「まあ!可愛い!これを私に?」


「母上なら似合うと思いまして!」


「うん!」


「ふふふ。私は本当に幸せ者ですね。皆、ありがとう。」


笑顔の母上が私と兄上の頭を撫でてくれる。微かな甘い香りがした。


「よーし!それじゃあ、とりあえず風呂に入るか!ゴンゾー汚いからな!」


「そうね。このままでは家中が汚れてしまうわ。」


「ゴンゾー!」


「??」


「風呂に行くぞ。風呂!」


「フロ?」


ガシッと父上がゴンゾー様を小脇に抱えてお風呂へと運んでいく。


ゴンゾー様は嫌がってはいるものの、力では勝てないと理解したのか、特に暴れたりせず、されるがまま。


「ははは!」


笑いながら部屋から出ていく父上とゴンゾー様。


「父上!僕も行きます!」


「よーし!男同志で裸の付き合いだ!行くぞー!」


「はい!」


襖の向こう側からそんな会話が聞こえてくる。


「サクラ。」


「なに?」


母上は、父上達を見送った後、私を呼び、膝の上に座らせてくれる。


「……サクラ。ゴンゾーと仲良くなりたいかしら?」


「うん!一緒に遊ぶの!」


「ふふふ。そうね。きっとそうなれるわ。」


「本当?!」


「ええ。きっと。

でも、サクラ。よく覚えておいて。」


「??」


「ゴンゾーはね。今まで沢山の人に傷付けられてきたから、きっとサクラが思いがけない事や、何故そんな事をするのか理解出来ない事があると思うわ。もしかしたらただの偶然、そうなってしまったという事も。」


「…うん…」


「でもね。そこには必ず理由があるのよ。」


「理由?」


母上は優しく私の頭を撫でながら、いつもの優しい笑顔で私に話を続ける。


「そうよ。何故そうしたのか分からなくても、必ず理由があるの。だから、サクラが理解出来ない事をゴンゾーがやっても、嫌ったり怒ったりしては駄目よ。

それが本当に悪い事ならば、怒るのではなく、ちゃんとゴンゾーが分かるように説明するの。」


「母上が私にしてくれるように?」


「ふふふ。私がそう出来ていると思ってくれているのね。」


「うん!母上は優しいから!」


「ありがとう。」


「えへへー。」


母上は少しだけ間を置いて、話を続ける。


「サクラにはまだ難しい事かもしれないけれど、人には、どれだけ怒っていても、絶対に言ってはいけない一言というものがあるのよ。」


「そうなの?」


「ええ。サクラがもし、私や父上に言われてしまったら、泣き出してしまうような言葉は、他の誰にも言ってはいけないのよ。どれだけ怒っていても。」


「そっか…私が悲しいなら、他の人に言ったらその人も悲しくなるもんね。」


「ふふふ。サクラはかしこい子ね。」


「えへへー。」


私は母上の膝の上で、理解したと思っていた。


自分はそんな事は絶対に言わないと。決して人を悲しませたりしないと、簡単に考えてしまっていた。


バンッ!


その時、突然襖が開けられ、何も身に付けていない、ずぶ濡れのゴンゾー様が部屋に入ってくる。


「まあ?!どうしたの?!」


いつもはあまり声を荒げない母上が驚いて声を大きくする。


「フロ!フロ!」


「こら!ゴンゾー!そんなベタベタで走り回るな!」


ドタドタと更に向こう側から父上の声。


その声を聞いたゴンゾー様はそのまま中に入ってくると、私と母上の後ろに隠れてしまう。


「あ、あなた?!そのような格好で?!」


またしても母上が声を荒げ、手で目を覆う。


父上は腰に布を一枚だけ巻き付けた状態。


「す、すまん…こら!ゴンゾー!そこにいるのは分かっているんだぞ!」


どうやら、ゴンゾー様はお風呂が苦手で、父上から逃げて来たらしい。


「グガァァァ!」


後ろからはゴンゾー様の威嚇の声と、ポタポタと畳に落ちる水滴の音。


見付かった事に気が付いたゴンゾー様は、私と母上の後ろから飛び出して逃げ回り、父上が後を追う。


「ええい!待たんか!」


「グガァァァ!」


何回か私と母上の周りを回った後、また襖の向こう側へと走り去っていく。


「待てー!」


父上の声も遠ざかって行った。


「もう…あの人ったら…」


「ふふふ!楽しいね!」


「楽しくありません!はしたない!」


顔を赤くした母上は、怒っているような、いないような顔をする。


その日から、ゴンゾー様は、この屋敷で過ごす事になった。


ゴンゾー様がまだ言葉を覚えておらず、何をするか分からなかった為、父上の居ない時、兄上と私とゴンゾー様は、母上の目の届く庭で遊ぶ事に決まっていた。


母上が日々を過ごす建屋の庭には、この屋敷の桜の木が生えていた。

私が産まれたその日に、苗木を植えたもので、まだまだ小さかったけれど、母上は毎日庭に生えているその桜の木を見るのが日課だった。

私とゴンゾー様と兄上は、いつもその庭で遊んでいて、一番最初にその木がとても大切な物だとゴンゾー様には何度も教えた。


ゴンゾー様は数度同じ事を繰り返し教えると、直ぐに理解して、素直に聞いてくれた。

元々物覚えが良いのか、私達の会話を聞きながら、言葉も少しずつ理解していき、簡単な言葉を使うようになった。


そんな時、セナちゃんとトウジ様が我が屋敷を訪れてくれた。


「サクラー!久しぶりー!」


「セナちゃん!久しぶり!」


ゴンゾー様が来る前は、よく来てくれていたセナちゃんだったけれど、暫く来ておらず、随分と久しぶりな気がした。


「…………」


ゴンゾー様にとっては、この屋敷に来て初めて会うことになるセナちゃん。


ゴンゾー様は私の後ろに隠れてセナちゃんの様子を伺っている。

気にはなっているらしい。


「こんにちは!」


セナちゃんは私の後ろに隠れるゴンゾー様を覗き込んで笑顔で挨拶する。


「っ?!」


びっくりしたのか、ゴンゾー様は私の背中に一度隠れ、ゆっくり顔を出す。


「こ、こんにちは…」


「へぇ!喋れるようになったんだ?」


「簡単な言葉ならね!」


「うちの名前はセナ!よろしくね!」


「……セナ……ゴンゾー。」


ゴンゾー様はゆっくり私の後ろから出てくると、自己紹介する。


「ゴンゾーね!覚えたよ!」


「………」


まだセナちゃんがどんな人なのか分かっていないゴンゾー様は、観察中…みたい。


「父上達は難しい話をするから遊んでなさいってさ!」


「やったー!何して遊ぶ?」


「うーん…折角ゴンゾーが居るし、三人で出来る遊びをしようよ!」


「そうだね!」


こうして、私とゴンゾー様とセナちゃんは、三人で遊ぶ事にした。


セナちゃんは持ち前の明るさで、直ぐにゴンゾーと仲良くなり、ずっと昔から一緒に遊んでいるように、楽しく過ごした。


その日から、セナちゃんとトウジ様は、頻繁に屋敷に顔を出すようになった。


その度に、私とゴンゾー様とセナちゃんとで遊び回った。いつも影で見てくれていた兄上も疲れてしまう程に。


そんな日々が続いていると、よく喋るセナちゃんのお陰なのか、ゴンゾー様はどんどんと言葉を覚えていき、たどたどしいところはありながらも、会話に難が無いほどにまで成長した。


その頃には私達の体も少し大きくなり、今までより色々な遊びも出来るようになっていた。


そんなある日の事。


その日もいつものように私とゴンゾー様とセナちゃんとで遊び回っていた。


私達は、鬼ごっこのような遊びをしていた…と思う。体も大きくなり、足も速くなっていて、子供のする事だから仕方の無い事だった。


「待てぇ!」


「ゴンゾーなんかに捕まらないよーだ!」


「捕まえたー!」


「あー!捕まっちゃったー!」


「じゃあ次はサクラが鬼ね!」


どこにでもある、普通の光景。普通の日常。

あんな事が無ければ、そのまま過ぎていく日常だったと思う。

ううん。違うかな。母上の言葉の意味を、しっかりと理解していたなら、きっともっと穏やかに過ぎた話だったのだと思う。


私達は鬼ごっこに夢中になり過ぎて、誰がどうなったのか分からないけれど、ゴンゾー様が何かの拍子ひょうしに転んでしまい、そこに偶然…例の桜の木があった。


ボキッ!!


そんな音だったと思う。


桜の木はまだまだ若く、細かった。だから…ゴンゾーの体重に負けて折れてしまった。


「桜の木がっ!!」


私が産まれた時に植えられた桜の木。まるで、私の分身を傷付けられてしまったような、そんな気持ちになってしまった。


多分…私はあまり運動が得意ではなくて、セナちゃんとゴンゾー様に追い付けなくて、疎外感を少し感じてしまっていたから…という事も私の心を良くない方向へ導いてしまった…


「ご、ごめんなさい!サクラ!ごめんなさい!」


ゴンゾー様は直ぐに謝り、自分の非を認めた。それでも許せなかった私は…


「嫌い!ゴンゾーなんて大っ嫌い!」


もっと他にも色々と言ったと思う。ゴンゾー様は酷く辛そうな顔をしていて、その言葉を聞いて屋敷を出ていってしまった。それだけを私は覚えている。

頭に血が上ってしまって、ほとんど覚えていないけれど、口汚く……まるで街中に居た時にゴンゾー様が人々にされていたように罵った…のだと思う。

あの時、ゴンゾー様がした絶望の表情は、一生忘れられない。忘れてはいけないと思う。


私が覚えているのはその程度だけれど、言われた本人であるゴンゾー様は、今でも、一言一句違えずに何を言われたか覚えているはず。

こういう事は言った人より、言われた人の方が鮮烈せんれつに覚えている事だから。

私は、あの日の自分の事を後悔しなかった日は一日たりとも無かった。


ゴンゾー様は直ぐに走り出し、門から出ていったけれど、その時の私は桜の木の事で頭が一杯で、ゴンゾー様の事なんてどうでも良いとさえ思っていた。


「サクラ!あれは言い過ぎだよ!ゴンゾーだってわざとやったんじゃないんだから!」


「セナちゃん…?」


私の怒りを理解してくれると思っていたセナちゃんは、寧ろ私を叱った。


そして…


「どうした?!」


「兄上……」


折れた桜の木を見た兄上。


「わざとじゃないんだよ!ゴンゾーが木にぶつかっちゃって!」


「分かっている。わざとこんな事をする奴じゃない事くらい。」


兄上はそう言って私の手を引いて母上の元に連れて行った。


「あら…?どうしたの?」


落ち込む私の顔を見た母上は、そう聞いてきた。


兄上とセナちゃんが大体の話を説明すると、母上は困ったような、悲しいような顔をして私を見た。


「サクラ。

桜の木は折れてしまったわ。悲しい事だけれど、それが原因で、ゴンゾーと二度と会えなくても本当に良いの?」


母上に言われてやっと気が付いた。


元々ゴンゾーはこの家に産まれた子ではなく、外から来た子だった事を。

もし、本当にこのまま二度と会えなくなってしまったら…そう思った時、母上の言葉を思い出した。


どれだけ怒っていても、言ってはいけない一言がある。


私はそれを、簡単に、勢いでゴンゾー様に言ってしまったと、初めて気が付いた。


「は、母上…」


「そうね。それが嫌なら、サクラからちゃんと謝らないといけないわよね?」


「……うん……」


子供は時に勢いで酷い事を平気で言ってしまう。それがもし、普通の兄弟であれば、大喧嘩して仲直りして…それだけの話。

でも、ゴンゾー様は違う。もし、自分がその家の子ではなく、居させて貰っているだけの立場だったとして、同じ事をされたら、どんな気持ちになるだろう。


本当に酷い事をしてしまった。

言ってはいけない一言を言ってしまった。


「僕と父上で探してきます。」


「そうね。気を付けて行くのよ。」


「はい!」


兄上と父上がその後直ぐに屋敷を出てゴンゾー様を探してくれた。


これがよくある物語なら、直ぐに見付かるのだろうけれど……一日、二日…一週間…一ヶ月。

ゴンゾー様はどこかへ消えてしまったかのように、見付けることが出来なかった。

父上も兄上も、直ぐに見付けられると思っていたのか、随分と心配していた。


折れてしまった桜の木は、父上が見たところ、接木つぎきをしておけば大丈夫との事で、より一層、ゴンゾー様に対して言ってしまった言葉が重く心にのしかかって来てしまった。


「母上……私のせいで…」


「…………」


私は自分の言葉がどれ程ゴンゾー様を傷付けてしまったのかを想像しては、後悔し、セナちゃんも心配する程落ち込んでいた。


それでも、ゴンゾー様は姿を現さず、何かがあって、大怪我をして、どこかで苦しんでいるのでは…もしかして……

そんな事が常に頭の中を駆け巡っていた。


母上の言った、二度と会えなくても良いのか、という言葉が現実味を帯び始めた時、ゴンゾー様が飛び出してから約三ヶ月後の事だった。やっと、ゴンゾー様の顔をもう一度見る事が出来た。


突然帰ってきたゴンゾー様は、全身に傷を付けて、着ていった服はボロボロに破れ、髪もボサボサ、全身は汚れ、まるで出会った時のようになっていた。


門の前に汚れた子供が座っているのを、父上が見付け、駆け寄ったところ、それがゴンゾー様であることに気が付き、直ぐに屋敷の中へと入れてくれた。


その一報を女中さん達から聞いた私と母上は、転びそうになりながら、ゴンゾー様の元へと駆けて行った。


その姿を見た時、私は自分のした事の罪深さを知り、愚かさを知り、涙が止まらなくなってしまった。


何故泣いているのか分からず、オロオロしているゴンゾー様を横目にわんわん泣いた。


「また会えて良かったわね。」


「良がっだよー!!うわぁーーん!ごめんなざーいぃ!!」


母上はその気持ちが分かり、泣き続ける私の背を撫でてくれた。

私はまた会えて良かったという気持ちと、申し訳なさで、しゃくり上げながらゴンゾー様に、汚れるのも気にせず抱き着いた。


「よ、汚れるから!」


ゴンゾー様はそう言ってくれたけれど、私は絶対に離さないと強く抱き着いた。

父上も母上も兄上も、ゴンゾー様に再度会えた事を喜んでいた。

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