第97話 清海さん
「爺ちゃん、ここの世界での目的って何なんだ?」
「ん? 俊樹、攻略本を読まないタイプじゃ無かったのか?」
「いやぁ、どう考えても魔神ってラスボスっぽかったじゃん。まぁ岩崎さん達の方が更にラスボス感あったけどさ……」
「確かに、あの強さはわしの想像を凌駕しておったな。だがしかしじゃ、この世界での目的は人それぞれで違うんじゃ。お前は何を成し遂げたいんじゃ?」
「俺か? 俺は飛鳥や香織を守れる男に成りたい」
「ではそれが答えじゃ。岩崎殿や翔殿、心愛殿に対して絶対敵わないなどと思ったのではないか?」
「あ、ああ。確かに思った」
「なら、もし岩崎殿が敵として立ちはだかって、香織や飛鳥を襲ってきたらどうするのじゃ?」
「何が起こっても大切な物を守り抜く自信を付ける事か……」
「うむ、そうじゃ。頑張れ馬鹿孫」
「パパ、私と香織姉ちゃんも居るんだから大丈夫だよ。力を合わせて岩崎さん達の強さを見ても、何とかなる! って思える様になろうよ!」
「おう、頑張るか! マリアもチュールちゃんも居るし、きっと辿り着けるよ」
「そうだな、そう言えばチュールちゃんはポーション造りは少しは進んだのかい?」
「うん! まだ成功率は低いんだけど、できる様になって来たよ」
「そうか、孤児院の子供達が、薬草は沢山作ってくれているから、頑張ってエリクサーが作れるくらいになろうな!」
「はーい」
「それでは、帰るとするかの。アルザス、少しは覚えれたか? 古代魔法は」
「ソウシ様……一度も使って頂いておりませんが」
「あーそうじゃったか? 年のせいか物忘れが激しくてな。エルフの里の
「当然でございます」
「世界樹のウロに籠りじっくりと対話をしてみろ。新たな道が見えて来る」
「ソウシ様ありがとうございます。早速行って見ます」
「まぁ待て、わしをテネブルに戻してからにしろ」
「申し訳ございません」
爺ちゃんが俺の身体に戻り、俺達は一度ファンダリアへと戻った。
「マリアとチュールちゃんも今回は中々出来ない体験だったよな」
「そうだね。大きくて凄かったね」
「次はちょっと間が空いちゃうけど、無理をしないでね。薬草の採取とか、チュールちゃんのポーション造りの協力とかを頼むね」
「解ったよテネブル」
「マリアちゃん、チュールちゃん又ね」
「シエルとリュミエルもね!」
こうして俺達は、青い扉を潜り抜け自分の世界へと戻った。
爺ちゃんが俺の身体から離れ声を掛けて来た。
「俊樹、気付いておるか?」
「ああ、上から気配を感じるどうやらこの地下への入口は見つけられない様だな俺一人で出てみる。飛鳥と香織は待っててくれ」
「うん……気を付けてね」
「初めましてだな清海家の後を継ぐ物だ」
「ハチロウの子孫って事か、確か裏社会を束ねてるんだっけ? 善良な市民の俺達をいじめるなよ? おまわりさんに通報するぞ?」
「いじめられるほど弱く無いだろ? ピストルで撃ったくらいじゃ死なないだろうが」
「何の用事だ? ハチロウは宿っていない様だな」
「うむ、八郎様は一月ほど前、冴羽という男と会談をした後から戻られておらぬ」
「どういう事だ?」
「女神を見つけた。真実の愛を語る相手だ。と言ってたらしいが、心当たりはあるか?」
「いや? 解らんな。少なくともうちの香織じゃ無いだろうし」
「困ったな。何か困るような問題でもあるのか」
「ああ、海外との取引だ」
「俺達が聞いちまうと、埋められるような話を聞かせるなよ?」
「そんな面倒な事はしない」
「特殊な言語を使う相手だから、ハチロウ様抜きで会話が出来ない」
「どんな相手なんだ?」
「コンピューターだよ」
「意味が解らんけど、何かわかれば連絡するからそれでいいだろ?」
「当面こっちのホテルに滞在するから、必ず連絡をしてくれ」
「ああ、解った」
意味解んないけど……よく考えたら杏さんの可能性はあるな。
あれ? そう言えば冴羽と杏さんは自分たちの所帰ったのかな?
まぁいいや先に香織たちを呼ぼう。
「香織、飛鳥上がってきていいぞ」
「大丈夫だったの?」
「ああ、心配ない。取り敢えず俺は冴羽さんに連絡してみるな」
「そう言えば冴羽さんって自分達だけで世界を渡れるの?」
「杏さんの能力らしいけどな」
「そうなんだ。でもあれだよね俊樹兄ちゃん」
「ん? あれって?」
「こっちの世界だと、流石に杏さんに挟んで貰う訳にもいかないし寂しいでしょ?」
「た、確かに、そうだな」
「やっぱり考えてたか」
「まぁいいだろ、それくらい」
部屋に上がって俺は、冴羽に連絡を取った。
『という事で、召還騒動は一応終わったから、報告したんだが、ちょっと別件で気になる事があるんだけど、杏さんは一緒か?』
『替わります』
『杏さん、ハチロウを知ってるか』
『いきなりですね。私を依り代に使っています現在は』
『そうか、それなら別にいいんだけど、家の者が探してるって伝えておいてくれ。なんだか海外の取引とか言ってた』
『あ、奥田さん。ちょっと替りに行って貰えないかって言ってますけど?』
『マジで? あんまり付き合いたくない感じなんだけど』
『借りは返すって言ってます、島の事とか聞きたいだろ? って」
『ああ、確かに聞きたい。いつ聞けるのかな?』
『一月待てと言ってます』
『解った』
なんだか、面倒ごとに巻き込まれるんじゃ無いだろうな?
反社会的勢力とかだったら、絶対困るんだけど、表向きに顔も名前も出して無いって話だから、大丈夫なのかな?
まぁいいや。
取り敢えず、清海さんに連絡を取り、通訳は俺が行く事を伝えて、電話を切った。
さぁ頑張って小説書かなきゃぁな。
魔神……絶対超強いんだけど……見たまんまだと五分持たずにぼっこぼこにされて宇宙の塵になって行ったから描写が難しいな。
困るぜ!
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