第36話 作戦会議と翔の予測
「アクアキネシスって、水を操る能力だよね」
翔さんの言葉に、焔は「そうです」と答える。誠と同じ能力か。
「海で戦うとなると、俺らが不利だな」
「でも、能力者が1人で、残りは無能力者っすよね。どうにかなるんじゃ」
焔の心配そうな声に、影が言う。確かに数では、こちらが上だ。でも、アクアキネシスの方は、少し長い戦いになる可能性がある。戦場が海なんだからな。
「取り敢えず、作戦会議だ」
「そうだな。まず、瞬の能力で女性を救出する。女性のことは、奏、一静、翔さんで守ってください」
翔さんがいてくれた方が心強いな。続けて焔が言う。
「能力者の方は、俺と影で。残りの2人は瞬と彩予に任せてもいいか? 」
「別にいいが、相手はアクアキネシスだよ。焔がそっちで大丈夫なのか? 」
水と火、相性が悪すぎるだろ。そう思っていると、焔はにっと笑う。
「俺にも策がある。でも、もしもの時はどっちかが来てくれ」
「分かった」
焔がそこまで言うんだったら、大丈夫だろ。どんどん話を進める俺らに、翔さんが言う。
「チームワークが良いんだな。俺は明日、海に来れるか男性に聞いてくる」
まぁ、いつも無茶な仕事ばかりしてるからな。嫌でもチームワークは良くなる。でも、やっぱり焔が仕切ってくれた方が良い。安定感というか安心感がある。
「明日の昼、3人の男性と戦って女性を助けるんだよね」
瞬が、ぼんやりと言う。
「お、何か気になることでもあるのか? 」
翔さんが、何だか明るい声で言った。気になることなんて……あぁ、そうか。
「なぁ、一静。さっき見た、女性の物の中に携帯電話はあったか? 」
「いえ、ありませんでしたよ」
瞬が言いたいことが分かった。しかも、翔さんは先に気が付いていたようだ。
「なら、携帯は女性が持っているんだよな。でも、連絡はない」
「……連絡が取れない環境にいるだけでは? 」
一静の言うことも一理ある。けど、可能性があるなら疑うべきだ。
「もしかしたら、女性はわざと男性3人に捕まったのかもしれない。でもなぁ、肝心の理由が分からないんだよな」
瞬の意見に翔さんが頷く。
「一静くんが、男性3人と女性が知り合いだと言った時から、俺もそう思っていた」
「この事件には、何か裏があるってね」
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