大学編 第50話
ベッドの中でお互いの肌の体温を感じながら抱き合う。先程、一晩での行為の回数の新記録は更新した、これで俺が水無瀬さんとそんなことをしてないとご納得していただけたに違いない。
「……先輩、今日はちょっと強引でした」
「……ごめん」
蛍の細い身体をだきしめ謝罪する。確かに押し倒したところは反省すべき点かもしれない。
「先輩はエッチです」
「……本当に申し訳ない」
「……そんな先輩の相手をしてあげられるのは私しかいないです。つばめちゃんには申し訳ないですが仕方ないですね」
「そうだな」
「……つばめちゃんは何か言ってましたか?」
「蛍に会ったらビンタしてやるって言ってたぞ」
「あうぅ……」
これは本当だ、水無瀬さんは「蛍ちゃんに一回ビンタして良い?」って聞いてきたので俺は「……あんまり痛くしないでやってくれ」と手を合わせてお願いしたのだ。そんな俺の姿を見て水無瀬さんは苦笑いをしていた。
「大丈夫だよ、水無瀬さんは本気で怒ってる訳じゃないと思う。ただ、遊園地を三人で行きたかったんだと思う」
「つばめちゃんに謝らないと」
「お見舞いに行こうか。そして、もう一度遊園地に行く計画をしよう」
「はい……」
昨日、散々泣いたであろう蛍が安心したように漸く眠りについた。俺はそんな蛍の頭を撫でながら「急に休みは取れないよなぁ……」と今日の仕事の事を考えた。
仕方ない、男は身体を張ってナンボだ。そう決意し、少しだけ寝ようと思いつつも頭の片隅には昨日の水無瀬さんとの会話がぼんやりと浮かんだ。
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