大学編 第31話
「睦月君、見て見て!可愛いでしょ!」
水無瀬さんに背中を押されながらちょっと恥ずかしそうに蛍が現れる。そんな蛍の格好は珍しくミニスカートを穿いていた。
「ふふ、蛍ちゃんは脚も細いんだからこういうのも似合うと思って!」
「つばめちゃんがどうしてもって強引に……」
「睦月君、どう?蛍ちゃんのミニスカート姿は!」
「うん、似合う、可愛い」
「ふふん、蛍ちゃん普段はこういうの穿かないから新鮮でしょ!?もしかして初めて見たんじゃない?」
水無瀬さんが得意そうに言うが、俺は
「以前、俺達が高校生の時は穿いていたよな?いつからか穿かなくなっちゃったけど」
「えっ?そうなの?……蛍ちゃん!なんで?」
問い詰める水無瀬さんに対して蛍は恥ずかしそうに
「あっ、あの頃は……先輩とお付き合いする前で、その、女の子だって意識してほしくて」
そんな可愛いらしいことを蛍が言ったら水無瀬さんは「蛍ちゃんも頑張ったんだねぇ」と笑っていた。
「ふふ、それじゃ、こんなこともあったりして?」
「きゃっ」
水無瀬さんは言うと同時に蛍のミニスカートを捲った、蛍は小さな可愛い声をあげてスカートを押さえた。チラリと見えたところ、今日は薄い水色の下着だったようだ。
「もう!つばめちゃんったら!」
「へへへっ、いーじゃない!睦月君はいつも見ているんでしょ?ってあれ?睦月君?」
俺の方を向いた水無瀬さんと蛍に対して、俺は目を背けていた。
「あれ?あれ?睦月君、どうしたの?ちょっと顔が赤いぞー?もしかして照れてる?」
「……先輩?」
物珍しそうにしている二人に対して俺は
「……いや、不意打ちだったから」
そんな蛍のパンツなんて見慣れているはずなのに不意打ちだったからか視線を外し、自分でも無意識だったがまさか照れてしまったとは。
「……睦月君、可愛いなぁ。普段は蛍ちゃんとお風呂に一緒に入ったりしてるくせに!なんで?」
「つばめちゃん、先輩は純粋ですから。普段はちょっとエッチな所もありますけど、本当の先輩はとても純情な人なんです!」
もう、好きに言われ放題だ。勝手にしてくれとしか言えない。
「……ふむ、それじゃ、私のおパンツでも睦月君は恥ずかしそうにしてくれるのかな?実験してみよう!」
そう言って水無瀬さんが自分のズボンに手をかけた瞬間に、蛍が「だ、駄目です!」と言って水無瀬さんの真っ正面からズボンを下ろさせまいと手を伸ばした。
「こっ、こら!蛍ちゃん、放して!冗談だから、ほ、本当にパンツまで脱げちゃう!」
「だ、駄目ぇぇ」
「……まるで蛍と水無瀬さんが相撲をとっているようだ」
仲良く相撲をとっている蛍と水無瀬さん、でも蛍はミニスカートだからスカートの中がチラチラと見える。
「ふむ、かぶりつきだな」
もう、きちんと意識して見ると決めたなら目をそらすこともないので床に座って、しっかりと水色を堪能させてもらっていたら
「睦月君、それは変態行為だよ!」
「先輩のエッチ!」
二人仲良く俺を責めてきた。蛍はともかくスカートめくりをしたり、ズボンを脱ごうとした水無瀬さんには変態呼ばわりされたくないな。
「それにしてもどうして新しいスカートを買ったんだ?」
「それは勿論、遊園地に行くときに着ていく為だよ!」
水無瀬さんが当然のように言ったので、俺はミニスカート姿の蛍を眺め、少し考えてから
「駄目だ」
そう言ったら、水無瀬さんが「なんでさ!?こんなに可愛いのに!」と怒ってきたが
「……こんな短いスカートで出掛けて、もし蛍の下着を他の野郎共に見られたら嫌だ」
そう呟いたら、水無瀬さんは「えーっ!?この位は普通だよ。睦月君、束縛しすぎ!」と反論するが、蛍が
「つばめちゃん、私もちょっと恥ずかしいから普通のにしたいと思います」
蛍の反対もあり2対1でミニスカート案は却下された。「もう、仕方ないなぁ!」と言った水無瀬さんが別のスカートを探しに離れた瞬間に、蛍が水無瀬さんに聞かれないような小さな声で
「お家で二人っきりの時にこのスカートは穿きますね」
そう恥ずかしそうに告げてから水無瀬さんを追いかけていった、短いスカートを靡かせながら。
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