第306話 お化け屋敷
「さて、次へ行こうか」
このクラスで、三年生の教室はラスト。当然と言えば当然の結果だが、特に問題はなかった。
まだ周囲には、沙羅さん達を見に来ているアホどもが…もとい、先輩達もそれなりにいるので、用が済んだ以上はさっさと移動するべきだろう。
それにしても…皆もこの状況に慣れたのか、周囲を全く気にしなくなってきた。
皆さん、適応力が高いことで…
「次は二年生の教室かぁ…ねぇ満里奈、何か面白そうな展示ありそう?」
ちょうど階段に差し掛かったところで、不意に立川さんが口を開く。
「面白そうな」とは、この場合、さっきの射的みたいに「楽しめる」ってことの意味なんだろうけど。
「えっとねぇ…あ、お化け屋敷をやってるクラスがあるよ。後は色々な輪投げをやってるクラスもあったかな」
「お化け屋敷!? それは興味ある!! でも輪投げは…ちょっと分からないけど」
藤堂さんの言うお化け屋敷については、俺も準備期間中に何度か視察に訪れたことがある。
美術部を巻き込んでかなり大掛かりな準備をしていたので、その分、視察に行く機会も多かった場所だ。
でも途中からは俺も見ていないので、結局どんな感じで完成したのかは分かっていない。
「お、お化け屋敷ですか? 私は、ちょっとそれは…」
「あー、えりりんは怖いのが人一倍苦手だからね~」
「ちょ、そんな大声で言わなくてもいいでしょ!?」
西川さんが焦ったように、夏海先輩の口を塞ぎにかかる…が、あっさりと避けられてしまう。
流石は夏海先輩、動きが早いぞ。
「えー、別にいいじゃん。そういうのって、男子的には寧ろポイント高いんじゃないの? ねぇ、高梨くん?」
「…えっ? あ、あぁ、そうですね。俺は普通に可愛いと思いますよ。少なくともマイナスに思う男はいないと思いますけど」
何でその話を俺に投げたのか…でも一応フォローの意味を込めて、これは西川さんに答えておく。
当然だけど、怖がりなことは決して恥ずかしいことなんかじゃないから。
それに一般的な男子という意味でなら、やっぱり守ってあげたいという心理になるのは普通のことだと思うし。
「か、かわっ!? そ、そうですか? そ、それなら…まぁ」
何故か少し顔を赤らめて、コクリと頷く西川さん。
それは俺が思っていたリアクションと少し違うんだが…まぁ、本人が納得してくれたのなら、それはそれで。
「…はは、何と言うか…相変わらず一成は天然だね」
「…一成は素直なだけ。余計なことを考えるイケメンと一緒にするな」
「…ぐっ…相変わらず俺には厳しいね」
「…それは違う。そもそも私は、一成以外の男に優しくするつもりが無い」
「…そ、そっか。…そう…だよね」
「…?」
「でも西川さんが怖いのダメなら、お化け屋敷は止めた方がいいですかね?」
「い、いえ、私は外で待ってますから、どうぞお気になさらず」
「それはダメだね、えりりん?」
「そうですよ。皆で楽しまなきゃ意味が無いんです!」
立川さんの話は俺達の総意であり、いわば暗黙のルールでもある。
だから俺も、そして皆も、その言葉にはハッキリと頷いておく。
西川さんが行けないと言うのであれば、それは勿論、俺達も…
「皆さん…」
そんな俺達の様子を見て、西川さんは感動したように…
「大丈夫、大丈夫! お化け屋敷なんて、皆で入れば怖くないから!!」
「あ、それは確かにそうですね!! 赤信号、皆で渡れば怖くないってことで!!」
…あれ?
ちょっと待って。
会話の流れが微妙におかしくないか?
「えっ!? いや、だ、だから、私は…」
「よーし、それじゃ問題解決ってことで! 早速行こっか!」
「さぁさぁ、行きましょう入りましょう! 皆で一気に突入しましょう!」
予想外の展開が始まり、俺達が呆然とそれを眺めている中、二人は慌てる西川さんの両脇でガッチリと両腕を固めてしまう。
何をする気だ…?
「夏海、立川さん、だから私は!!」
「れっつらご~!」
「しゅっぱーつ!」
「ちょ、ま、お、お化け屋敷は、嫌ぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
西川さんの悲鳴と、楽しそうな夏海先輩達の笑い声が階段ホールに木霊する。
そして三人の後ろ姿が勢いよく階段下へ消えて行き、声もどんどん遠ざかって行く。
突然の出来事に状況が飲み込めず、その場に取り残されたままの俺達は…
俺の頭の中では、何故か「◯ナドナ」がBGMとして流れていた…
…って、そんなこと考えてる場所じゃない!
早く追いかけないと!
……………
………
…
それでは今から、全員でお化け屋敷に突入します!!
なんてことは勿論無く、追いついた俺達(主に沙羅さん)の力により、西川さんは無事に解放されることになった。
でも犯人…じゃない、夏海先輩達は、沙羅さんから怒られるまで手を離そうとしなかったんだよ…いや、それも冗談だよな…うん。
「さて、それでは…」
「そうですね…」
沙羅さんがウンザリしたように仕切り直したのは、今、俺達の目の前に広がっている光景が原因で。
「…おおおお、つ、ついにキターー!!」
「…どけっ、見えねーだろが!!」
「…に、西川さんが居る!!」
「…はぁ、幼天使ちゃん、可愛すぎる…」
「…わかってねーな、素朴な可愛さの純天使こそ最強!」
この状況は、三年生の階へ行った直後とほぼ同じだ。
でも沙羅さん達が二年生ということもあるせいか、集まってきてる先輩達(主に男)は、それよりも多いように見える。
しかも既に、元クラスメイトというアドバンテージを利用して、話しかけてきた連中もいるくらいで。
学祭なだけに、こんなことでもお祭り騒ぎとでも言うのか?
「一成、ここに留まっていると余計なバカが湧く。どんどん入った方がいい」
「…そうだな」
花子さんの言う通り、いつまでもアホな光景を眺めている意味はない。
これはもう、さっさと行動するに限るな。
「よし、みんな行こうか」
俺は皆に一声かけると、先程と同じように腕章を着け直す。
この状況でこれを見せつけても、虫除けの効果は薄いかもしれないが、仕事の邪魔だと突っぱねる大義名分くらいにはなるだろうから。
ただ、もう一つ問題が…ね。
「あの、わ、私は…ここで」
「…ご、ごめんね、高梨くん…その、私も…」
今から入る教室を前にして、西川さんと藤堂さんは、もう完全に腰が引けてしまっている。
そしてその理由も、当然だが分かりきっている訳だ。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「「ひぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」」
まるで狙い澄ましたようなタイミングで、教室内から響いてきたのは女性の悲鳴。
それを聞いた二人が、仲良く手を繋ぎながら同じような悲鳴を上げる。
俺としても勿論無理に連れていくつもりは無かったので、ここは大人しく、突入組と待機組に分かれた方が良さそうだ。
という訳で…
やっぱり今から、お化け屋敷に突入する訳です。
「えーと…取り敢えず、ここは俺が行ってくるよ」
俺も本音を言ってしまえば、こういうのは苦手だったりする。でもこの教室は全体をお化け屋敷に使用しているので…視察となれば、結局はこのまま入るしかない。
もうここは、覚悟を決めようか…
「私は当然、お供致します」
「大丈夫、一成にはお姉ちゃんがついてる」
俺に続いて、沙羅さんと花子さんが名乗りを上げてくれる。これは実に頼もしい…そして、そう思ってしまう自分が情けない。
でもね…いくら男でも、怖いものは怖いんだよ…
「あ、もちろん私も行きますよ!! 楽しそうだし!!」
「当然、私も入るよ。雄二も行くよね?」
「え"!?」
立川さんと夏海先輩がついてくるのは予想通り。でも問題は雄二だ。
実はあいつも、俺と同じくらいホラーが苦手だったりするから。
「ん? 何そのリアクション?」
「い、いや、そんなゾロゾロと入っていいのか気になったんで」
「あ、別に大人数でも大丈夫ですよ~」
「そ、そうですか。なら…俺も」
案内のお姉さんに即行で逃げ道を塞がれ、雄二も目出度く参加決定(強制)
そしてそんな雄二の様子に、夏海先輩が気付かない訳もなく。
「いや~、すっごい楽しそう!! ねぇ、雄二ぃ?」
「そ、そうですね…はい…」
それはそれは、とても楽しそうに笑う夏海先輩の笑顔は意味深すぎる。
あれはきっと何かを企んでいる…そう思わずにはいられないくらいに。
「あの…すみません、私は…」
「うう、私もそのぉ…」
その反対に、終始、腰が引けている西川さんと藤堂さんは、申し訳なさそうにどんどん小さくなってしまう。
そんな二人の横で、速人が俺に目で合図を寄越した。
そうだな…ここは速人に。
「速人、俺達は行ってくるから。藤堂さんと西川さんを頼んだ」
「あぁ、こっちは任せて。みんな気を付けてね」
速人の返事に全員で頷き、受け付けのお姉さんに改めて事情を説明する。
まぁ、ここまで目の前でゴチャゴチャやっていれば、視察だなんて既に分かりきってる話だろうけど。
「了解~。でも視察ってことは、普通のお客さんと同じようした方がいいんだよね?」
「…えーと?」
確かに、そう言われればそう…なのか?
いや、でも、別にそこまでしなくても…と思わない訳じゃないし。
「六名様ごあんな~い。生徒会の視察だよ~。薩川さんも入るからね~」
そんな俺の返事を待つことなく、受け付けのお姉さんは早々に室内へ連絡を入れてしまう。
しかも何故か、沙羅さんが入ることを妙に強調して。
「「「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」」」
!?
その直後、教室内から轟く凄まじい迫力を帯びた唸り声。
こんな演出まであるなんて、これはひょっとして、想像以上に本格的なお化け屋し…
「キターーーーーーーーーー!!!」
「最初は俺だぁぁぁぁ!!」
「次の順番は俺だろうが!?」
「ふざけんな!! お前ら、めんどくせーって文句言ってただろうが!?」
「シフト守れよ、テメーら!!!!」
「男子煩いよ!!!」
「いい加減にしろぉぉぉ!!」
「「「……………」」」
まぁ…そんな訳ないよな…
室内から聞こえてくるバカ共の騒ぎ声に、沙羅さんの目がどんどん冷たくなっていく。あと花子さんも。
本当に…どこへ行ってもこんなことばっかりだ…全く。
「はぁ…行こうか」
かく言う俺も、このワンバタな展開は流石にウンザリ気味というか食傷気味。
でもあれのお蔭で、ちょっと怖いかもと思う気持ちが無くなったことも事実なので…実は助かったかも。
もう今の内にさっさと終わらせてしまおう。
………………
いざお化け屋敷に入ってみれば、思っていたより本格的な雰囲気が漂っており、思わず緊張感を覚えてしまう。
かつらを被せたマネキンに、ライティングを上手く利用した「影」の多用。暗がりの中に存在するアンティークな置物が、場の奇妙さを演出して妙な不安感を覚えさせる。
そして今、俺達の目の前にあるスペースは、昭和初期くらいを彷彿とさせるような、独特な雰囲気を持つ室内が再現されていた。
もちろん教室の広さを考えたら、そこまでのスペースを確保できている訳でもない。
これはあくまでも「一画」と言えるくらいの規模でしかない。
でもその狭さが、逆に逃げ場が無いことを意味する結果に繋がっているようにも思えて。
ただ俺的に予想外だったのは、てっきり妖怪的なものや落武者などが次々と出てくる、あくまでも「お化け屋敷」を想定していたことだ。
それを考えれば、これは現代風というか…「R〇NG」や「呪〇」のように、本命の登場まで「それっぽさ」の雰囲気で勝負するタイプかもしれない。
「お、思っていたより雰囲気があるね」
「で、ですね…ただのマネキンなのに、こんな風に見せられると、ちょっと…」
入る前は大騒ぎしていたのに、夏海先輩と立川さんは言葉が少な目になってきている。
そして皮肉なことに、そんな二人の空気感が、却って場の不安感を煽る結果に繋がっていて…
つまり何が言いたいかと言うと、俺の方までちょっと…ね。
「一成さん、無理はなさらないで下さいね」
「だ、大丈夫です」
沙羅さんは俺を安心させようとしてくれているのか、手をぎゅっと握りながら落ち着いた様子で声をかけてくれる。
だからこそ、俺も本音は別として意地でも引く訳にはいかない。
これを虚勢と言われようが痩せ我慢と言われようが、俺は情けない姿を見せる訳にはいかないんだ。
…既に手遅れかもしれないけど。
「一成を驚かした奴は、私が八つ裂きにしてやる」
「ちょ、花子さん、それ冗談にしても物騒すぎるから」
「大丈夫。私は本気」
「…………」
何が「大丈夫」なのか、思わず突っ込みを入れたくなるが…
そして花子さんから直接答えを貰った立川さんが、無言でこちらに振り向く。
花子さんのぶっきらぼうな声は、本気なのか冗談なのか分かり難いから。でも俺が聞いた限りでは…残念ながら、本気に聞こえちゃったかも。
「ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"」
「っ!?」
この奇妙な小部屋から移動しようとしたところで、少し離れた物陰から掠れ声のようなものが聞こえてくる。そしてタイミングを合わせたように、目の前にある押入れの襖がガタガタと音を立て始めた。
暫くその様子を眺めていると…予想通り、ゆっくりとそれが開き始める。
やっぱりそこから来るのね…
「一成さん、こちらへ」
俺はこの後の展開を予想して身構えたものの、沙羅さんにいきなり引き寄せられて、唐突に視界がゼロになってしまう。
あれ…おかしいな?
俺は確かに地獄(お化け屋敷)にいた筈なのに、いつの間に天国へ?
「ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"……ぁぁ?…あ、あああああ!?」
遂に登場したらしいお化け!
でも残念なことに、視界ゼロになっている俺は、その姿を見ることが出来ない。
だだそれよりも、お化けの呻き声が、不自然に変化したような気がするんだが…
まるで何かに驚いたような…?
「「「ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"」」」
っ!?
俺がそんなことを考えていたら、聞こえてくるお化けの呻き声が一気に増えた。しかも声の聞こえ方からして、この周辺に集まって来ているのは間違いない。
声の密集具合が段々と大きくなり始めて…これは一体どのくらいのお化けが集まって来ているのか?
「わわわわ、な、何か、バ◯オハザードみたいになってますよっ!?」
「ちょ、ちょ、ちょっと、これ多すぎじゃない!?」
「ショットガン…いや、ここは迷わずロケットラン…」
「花子さん、何言ってるの!? あとそれは勿体ないから手榴…何でもないよ!!」
夏海先輩と立川さん(特に立川さんがパニック?)の声から察するに、周囲の状況は明らかにおかしくなっているのかもしれない。
そもそも冷静に考えてみれば、こんな狭いお化け屋敷で、そこまで多数のお化けが一点に密集するなどあり得るのか?
「大丈夫ですよ、一成さん。私がついておりますので」
「いや、その、沙羅さん?」
一方の沙羅さんは、まだ俺が怖がっていると誤解しているのか、離してくれる気配は全くない。それどころか、こんな状況でも優しく頭を撫でてくれている。
でも俺は正直言って、何が起きているのか今すぐにでも自分の目で確かめたいくらいで…
「「「ぁ"ぁ"ぁ"ぁ"………あ、あ…ああ…あああああああああああああ!!??」」」
そして、お化け連中の呻き声がまたしても変化する。
これはもう勘違いなんかじゃなくて、明らかに何かを見て驚いているっぽい。
ホントに何が起きてるの!? ねぇ!?
「さ、沙羅さん!?」
「一成さん、まだいけませんよ」
ふにゅ…
「むぐっ」
沙羅さんが、俺の頭を抱きしめる力を少し強めてしまう。
それに伴い、俺の顔はより深く、沙羅さんの柔らかい天国へ埋まってしまい…
「「「あああああああああああああああああああああああ!!!!????」」」
そしてお化けの呻き声は、もう呻き声じゃなくて、完全な大絶叫に変わっている。
もうホラー的な要素は微塵も感じさせず、単なる驚きの雄叫びにしか聞こえない。
せっかくお化け屋敷自体はいい雰囲気を演出していたのに、お化け連中のクオリティーが低すぎて勿体ないぞ。
「…私、この後の展開が読めました」
「…奇遇ね。私もそうよ。せっかくのお化け屋敷が色々と台無し…」
「…毎度お馴染み」
「…ちょっと助かった…」
「おい!! お前ら何やってんだよ!?」
「こんなとこに集まってたら、薩川さん達が先に進めねーだろが!!!!」
「ちょ、ずりーぞ、お前ら!!!」
どうやら、異変に気付いたクラスメイト達が集まってきたらしい。
これはもう本格的にグダグタ…
「わ、わりぃ薩川さん!! こいつら今すぐ…に…」
「お前ら、何、固まってやが…る…」
「一体、何を見…て…」
集まってきた連中が、何故か途中で言葉を詰まらせたようだ。
これはひょっとしなくても、お化け連中と同じで何かに驚いているのか?
でも一体何に?
「あ、あの…薩川さん」
「何か?」
「な、な、何をなさっているのでしょうか?」
「見て分かりませんか?」
「い、いや…その…」
沙羅さんと先輩達が謎の問答を始め、どうやら驚いているのは沙羅さんの行動に対してだということが分かった…が、沙羅さんはずっと俺を抱っこしている訳で。
つまり、他に何か出来ることは無い筈なんだが。
…おや?
それってつまり、先輩達が驚いてる原因って…
「さ、薩川さん、その、そちらは、ふ、副会長さんです…よね?」
「それが何か?」
「な、何故、そんなことになっている…のでしょうか?」
「あなた達に説明をする理由がありませんね」
「「「…………」」」
「あの、沙羅さん?」
「一成さん、お顔を出したら、めっ…ですよ?」
むぎゅ…
いい加減、様子を見たくて少し顔を上げてみたものの、それも直ぐに押さえ込まれてしまう。しかも沙羅さんは、何事も無かったように引き続き俺の頭を撫で始めて。
「な…」
「な、なに…を」
「ちょ…ま…」
「あ、あ、ぁぁぁ…」
いくら俺でもここまでくれば、もうこの先に待っている展開が予想できない訳がない。
きっといつも通りだ…自分で言うのも何だけど。
だから、もう開き直ることに決めた。
沙羅さんに甘える為に、こっちからも少しだけ顔を押し付けてしまう。
なるようになれ
「ふふ…一成さん、いい子ですね♪」
なでなで…
「な…」
「な………」
「「「なんじゃそりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」」」
お化け屋敷の中で、何故かお化け連中が特大の驚き声をあげた…何を言っているのか俺もよく分から…やっぱ何でもないです。
この声がお客さんなら普通だけど、間違ってもお化け連中の出す声じゃない。
驚かす側がそんなに驚いたら、本末転倒だよね…これ。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
初回に書いた内容がつまらなすぎて、ガッツリ書き直しになりました。お蔭で凄い時間が…しかも書き直しが多くて改善されたのか分からない(ぉ
お化け屋敷で驚かす方と驚く方が入れ替わるというシチュを書きたかっただけなんですけどねぇ。
これはもう創作あるあるで、何度も書き直しを繰り返すと、その部分に対して面白いとかつまらないとか、何も感じなくなってくるんですよ…
という訳で、次回は沙羅さんの教室に少し寄ってから、藤堂さんの教室(モブ視点の予定)へ行きます。
そして最後に一成の教室でお茶をして、初日は終了になる予定です。
ミスコンは二日目ですね。
さてそれでは、今回もこの場を借りて、キャラクター情報の補足をさせて頂きます。
西川 絵里 (にしかわ えり)
身長…157cm
体型…沙羅と同じで、どちらかと言えばスリム寄り(一部、大きめ)
髪型…前髪のあるハイポニーテール(背中まである長さ)
通称「えりりん」
ただし、そう呼んでいるのは夏海を含めて極一部(夏海が呼び始めたから)
実家の都合で、二年生に上がる前に転校した。その理由、転校先については、今後の話で語られます…が、そこまで深い理由ではありません。
もともとは凛華高校で唯一の園芸部員。実質的に一人で活動をしていた。正確には園芸部に三年生の部員が二人いたが、受験で引退してしまった為に一人になってしまう。その穴埋めとして生徒会が手伝うことになり、主に沙羅が手伝っていた。
西川グループ社長(兼会長)の一人娘であり、紛れもなく生粋のお嬢様。社交的な性格なので人当たりは良いが、どこか一線を引いている節があるらしく、本当に友人だと言える人物は数える程しかいない。
特に親友と呼べる程の関係なのは、沙羅と夏海だけ(当時)
沙羅とは会社のパーティーで出会っており、以前から面識だけはあった。でも実際に仲良くなれたのは、夏海が仲介したことが切っ掛け。
彼女の最大の特徴である「闇堕ち」については色々な要因があり、そもそもの根本には、自身がなかなか出会いに恵まれず「恋愛」が出来ないまま「お見合い」で相手を決められてしまうかもしれないという焦りがある。
そして自分と似たような立場だった沙羅が、「男嫌い」という最大の障害持ちであるにも関わらず、自分の周囲で一番最初に彼氏(後に婚約者)を作ってしまうという「まさかの事態」で焦りに拍車をかけてしまった。
そしてトドメだったのは、沙羅の恋人である一成が「沙羅が羨ましい」と思えるくらい理想的な人物であったことに対し、自分へ言い寄ってくる連中が、山崎を筆頭に「下心全開」のロクでもない連中ばかりだったこと。しかもその筆頭がキングオブ屑の犯罪者であった為に「何で自分ばっかり」という「ひがみ」が発生してしまった。
この辺りの複合で、「闇堕ち癖」がついてしまうことになる。
ちなみに、そんな絵里に好意を寄せている元生徒会長、上坂大地に対しては
「顔見知り」→「友人」
くらいの好感度であり、それ以上でもそれ以下でもない。
そして単純に「男性としての好感度」という意味であれば、自分の周囲にいる男性の中で一番好意的に感じているのは一成である。
某部分の大きさについては、沙羅程ではないにしても、年齢から考えれば十分に大きいらしい(夏海談)
藤堂 満里奈 (とうどう まりな)
身長…150cm
体型…可もなく不可もなく(標準体型)
髪型…肩くらいまでの丸みを帯びたセミロング
立川洋子の親友であり、かつては一成達と同じ中学に通っていた。
親の転勤による引っ越しに合わせて凛華高校を受験、合格して通うことに。
成績、運動、その他諸々、全て平凡であり目立たない。
そして某部分については平凡より小さいのが悩みのタネ。
参考としては(満里奈>夏海>花子)
見た目は地味で大人しい。若干子供っぽさも残っている。目立たないが基礎として可愛いので「実は隠れて可愛い女子」という理由から一部の男子に好評。しかも性格が「純粋で良い子ちゃん」なので、見た目と合わせて強力な純真さを感じさせる。その為に普段接する機会の多いクラスの男子から特に人気がある。
生徒会に入ったことで目立ってしまい、花子と並んで一部の男子から「W天使」と呼ばれるようになってしまう。他にも「片翼」「純天使」などがある。但し、外見的な人気にはかなりの差があり、大きいお友達やお兄さんに「ウケ」が良い分、花子の方が数段人気が高い。
未央ちゃんとは従姉妹であり、時間があるときは遊んであげることが多い。
今回は西川さんの補足が多かったので、紹介は二人にさせて頂きます。
残りキャラは次回です。どの辺りのキャラまで補足するべきなんだろうか・・・
それではまた次回~
P.S. 気付かない内に、ホビージャパンの小説大賞で一次通過してました…
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