第59話 星になった
体育祭当日
今日は体育祭だ。
小学生の頃はあんなに楽しみだった運動会も、高校生になった僕には煩わしい行事になってしまった。
体育祭の唯一の楽しみは、女生徒たちの揺れるおっぱいが見れることくらいか。
あ、揺れないおっぱいも好きです。
今日はどんなおっぱいが見れるのだろうか?
そんな事を考えながら朝食のトーストを口に入れる。
サクっとしたパンにマーガリン。そしてマーマレードを少々。これが最高に美味い。
頭の中で揺れるおっぱいを想像しながら美味しいトーストを食べる。
思わず笑みがこぼれる。最高だな。
一緒に朝食を食べていた由香が、
「何一人でニヤニヤしてるの?」
「体育祭が楽しみで。あとトースト美味い」
考えてたことをそのまま口にする。
「マーマレードトースト好きだもんね。それはわかるけど体育祭が楽しみなのはなんで?まーくんは運動キャラじゃないよね。むしろ逃げるタイプだよね?」
確かにそうだ。
「バカ、何言っているんだよ。僕ほど運動好きはいないだろう。今朝だって10キロをどランニングしてきたとこだよ」
「さっき私が布団を引っ剥がしましたが?」
「それは僕の偽物だ」
「剥がした布団のかわりにベッドに引きずり込まれそうになりましたが?」
「由香、今日は一段と綺麗だよ」
「もう、馬鹿な事を言ってないで早く学校に行く支度して」
おう、由香は朝から元気だな。
体育祭の開会式。
先生方のありがたい話をきいて体育祭は始まる。
赤・白・青の3チームがあり、僕たちは白組である。
僕の最初の出番は綱引き。出番までは30分位あるだろう。
クラスの応援とか面倒だな。
少し体がだるい気がする。
というか体の節々が少々痛い。
呼ばれるまでは運動場の日陰でまったりとしていよう。
綱引き参加者のアナウンスが流れるまで僕は一人でボーっとしてた。
綱引きの集合場所に行くと由香に怒られた。
「今までどこ行ってたの?いくら探しても見つからないし」
「ごめん、一人でぼーっとしてた」
今更だが、僕は風邪をひいてるのかもしれない。
だって頭がぼーっとして、体の節々が痛いし怠い。
これは熱出てるよね?
とりあえず綱引きは綱を引いているフリをして無難にこなした。
綱引きの勝敗?もちろん勝ったよ。
あれ、僕がいなくても勝てたってことだね。みんな強すぎないか。
次に出場予定の2人3脚まであと少し。
椅子にすわってボーっとしている。
体が熱い。頭が重い。
「具合悪い?顔赤いよ」
真紀が隣の席に座り僕を覗き込みながら言った。
おでこに手をあてて僕の体温にびっくりしている。
「熱すごいよ。保健室行ったほうがいいよ」
「僕と真紀の練習の成果をみせるんだ」
でも出場は無理かなーと自分でも思った。
だって体動かないし。
「いいから動かないでじっとしてて。先生に言ってくるから」
真紀は先生を呼びに行ったようだ。
僕は先生に連れられて保健室に行った。
保健室のベッドに横になったあとは覚えてない。
すぐに眠ってしまったから。
暫くして目が覚めた。
ボーっとしながら辺りを見回すと由香がいた。
ベッドの脇の椅子に座って僕の手を握っている。
「目が覚めたね。体調はどうかな?」
「体育祭は?」
「終わったよ。今は片付けしてる」
目が覚めたら全部終わってた。
「白組は勝った?」
「ビリ」
「え!?」
「圧倒的なビリ。赤と青は接戦で青が優勝。白は酷い点数だよ」
「そうか。僕が出場できなかったせいで白は負けたのか」
僕の呟きを由香は軽くスルーした。
体調は随分と良くなった。
まだ体は怠いけど熱は下がっていると思う。
解熱剤効いたんだな。
「帰れる?タクシーで帰ろうか?」
歩きでも大丈夫かなと思ったが、念のためタクシーで帰ることにした。
昼飯も食べてないので腹も減っている。
「タクシーで帰る。家帰ったらご飯食べる。腹減った」
保健の先生にお礼を言って職員室に向かう。
担任がいなかったのでそばにいた生活指導の先生に帰る旨伝えた。
僕の荷物は由香が持ってきてくれた。
真紀や遥、明子さんも心配そうに着いてきてくれた。
「みんな迷惑かけたね。僕が出場できなかったから白組負けちゃったし。真紀も2人3脚の練習したのに出場できなくてごめんね」
みんなに、体調を戻して早く元気になってと言われた。
真紀の2人3脚は僕の替わりに松木さんが走ったらしい。
2人が走っているところを想像した。
もの凄かっただろう。
ブルンブルンと……見たかった。
タクシーで家に帰った。
家にいた母さんにお粥を作ってもらい食べた。
そしてそのまま病院へ。
診察の結果は風邪。寝不足や疲れが原因でひどくなったのだろうと。
まあ、来年は体調管理して頑張ろう。
家に戻って風呂に入る。
助手として由香を伴って入浴。
由香が体を洗ってくれた。
体調はもう元通りだと思うけど、病人のフリして体を洗ってもらった。
頭、体、手、足を順に洗ってもらう。
そして当たり前のように勃っているマイサン。
今日はマイサンも洗ってもらう。
「由香、僕は病人だ。体全部洗ってくれ」
「前は自分でやりなよ」
「いや、体が動かない。由香にやって貰いたいんだ」
手に石鹸をつけて僕の顔を見ながら前を洗う由香。
上目遣いで見られながら洗ってもらうのは最高だな。
両手で包み込むようにゆっくりと。
由香の首筋に顔をうずめてお願いをする。
「もっと力強く洗っていいよ」
由香に唇を奪う。
由香の舌を吸い出す。
最高だよ由香さん。
気持ちよすぎて意識が飛びそうになる。
……僕は星になった。
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