第43話 僕はノーマルですよ


おにぎりをかって席に拠点に戻った。

由香が僕のラーメンを買ってくれている。


「サンキュー、由香」

「お礼に僕の大好きな昆布のおにぎりを進呈しよう」


おにぎりの具は昆布が至高。いや、何でも美味しいけどさ。

おにぎりと一緒に買った唐揚げもみんなに配った。

普段だったらとても美味しいとは言えないような、微妙な味の唐揚げだけど、プールで食べるとなぜか美味しい。


「美味しい。何故か美味しい。雰囲気スパイスの力がヤバイ」


みんなもそれに同意。


「真尋くんは美味しいの好きだもんね」


遥に言われる。

でも美味しいのはみんな好きなんじゃね?

あ、あと女体も大好きです。可愛くて、柔らかで、いい匂いだして、もちもちで、水をたらしたら水滴が弾かれる程ハリがある女体が好きです。


「私が今度美味しい料理を作ってあげよう」

「え、遥は料理できるの?」

「馬鹿にしてない?私の料理の腕は一流シェフ並みよ」


じゃあ今度招待してねとお願いしておいた。

女の子の手料理を食べれるのは幸せ。その娘が一生懸命になって、自分の為に頑張ってくれるなんて最高じゃないか!




食後に少し休んで流れるプールに入る。

やっぱりのんびり水に入るのはここがいい。

遥や真紀、松木さん達はウォータスライダーに滑りに行った。

流れるプールで浮かんでいるのは、大津さんと由香だ。

3人でキツキツの浮き輪に入り、流れに体をまかせる。

ゆったりと流れるのは気持ちがいい。


大津さんの視線がキスをしたがっているのがわかる。

だって目がトロンとしてるんだもん。

でも由香が見てるからそれはできない。

だから水中でお尻を撫でてあげた。

一瞬、びくっとなった大津さんだけど、僕の手を何度もぎゅっと握りしめる動きはキスの替わりかな?

キス友になったからか、大津さんのブレーキはぶっ壊れてしまったようだ。

キス友ってしゅごい!


次は由香に悪戯をしよう。

途中、大津さんがトイレに行った。


「由香、今は僕と2人きりだ。キスしよう」

「まーくんは何を言っ……」


唇をふさいでやった。

パンチがくる前に、


「いつも傍にいてくれてありがとう。助かってます」


ポカンとした顔をする由香。

おっぱいに手をかけて軽く揉む。


「やっぱり由香のおっぱいが一番落ち着く」


さわっちゃダメって小さく呟き、そっぽ向く由香は可愛い。

大津さん戻ってくるまで、ずっとおっぱいを揉んでいた。周りには人が沢山いるけどいいよね。美少女がおっぱい揉まれるシチュエーションなんて普段見れないからいいよね?

この柔らかさ、やっぱおっぱいは至高だわ。


スライダー組が戻ってきた後は、みんなで一緒に流れるプールに浮かぶ。浮き輪を連結してひと塊で連なる。

他から見たらこわいよ。多分。

しかし、男が見たら飛びつきたくなるだろうね。

僕なら飛び込む。美女・美少女の団子。全員美味しそう。



今日は女性陣に対しナンパがないなぁ。

って思っていたらきた。

5人組の黒い人たち。

日焼けで真っ黒。筋肉ムキムキ。金髪・茶髪のイケイケ風。顔立ちもイケメン。白い歯がキラリと光っている。

これはモテるだろう。僕はホモじゃないけど、その僕が見てもかっこいい。

まるでアニメに出てくる典型的なナンパ師だ。


「一緒に遊ぼうよ」


その遊ぶに僕も入っているんだろうか。

それとも僕1人はのけものにされるのであろうか。


おうふっ。みんな無視してる。


「ねえねえ君たちさぁ、俺らと一緒に遊ぼうよ」


それでも無視。誰一人視線も送らない。

僕は考える。

そして、


「それっと僕と遊びたいって言ってるんですか?男同士でどんな遊びを期待しているんですか?僕はノーマルですよ。目覚めたら責任取ってくれるんですか?でも出来れば最初は女性がよかった……」


僕がみんなのかわりに答えた。

この返事には女性陣やナンパ男もきょとんとして、何言ってるのこの人?みたいな視線が向けられる。


「俺らは彼女たちに声をかけた。君にはかけてないよ」


金髪イケメンに言われてしまった。

そうか、僕はお呼びではないのか。


「そうなのか。残念だな」

「私たちは仲間内で遊びますから結構です」


真紀がそう答えた。

しばらくはナンパ男たちも食い下がったが、途中で諦めたみたい。


「頑張れよ僕くん。種馬として立派に勤めを果たせ」


僕に親指を立てて笑いながらナンパ男は去って行った。


「真尋くんのおかげだよ」


真紀に言われたけど僕は何もしていない。

いや何もしてないじゃない。遊びに混ぜてほしいと言い、それを断られたんだ。つまり負け犬だ。


「真紀がちゃんと断ったから諦めたんでしょ。はっきり言うことができる真紀は偉いと思うよ。僕は断られるだけの男だ」

「真尋くんのあの答えに雰囲気が変わったけどね」


真紀は笑顔で答えた。たしかに雰囲気は変わっただろう。こいつ頭のやべー奴って思われたかもしれない。逆の立場なら絶対に思う。言いながら僕も思っていた。

安藤さんや小島さんは少し怖かったらしい。

でも僕のノーマルです発言に吹き出しちゃいましたと笑ってた。

空気悪くならなくてよかったね。

結果オーライ!


その後も僕たちは団子でプールを漂っていた。

のんびりとのんびりと漂う。こんなのんびりとできる時間は貴重だ。こんな幸せな日もたまにはいいだろう。いや、ずっとこんな感じがいいや。


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