第41話 プール


プール日和


今日はみんなでプールに行く。

先日、大津さんにプールに誘われたのでお出かけだ。

詳細は聞いてない。



由香が、


「私が明子さんと計画するから」


と言いだした。遊ぶ日と待ち合わせ時間しか聞いてない。3人で行くのかな?


待ち合わせはいつもの駅前の午前9時。

由香と駅に向かう。


駅前には謎の美女軍団がいる。

そして彼女たちを遠巻きに見てるいくつかの男グループ。

はい、ナンパですね。残念。

だって美女軍団は大津さん達だから。


「おはよう」


僕が彼女たちに声をかけると、周りの男共から悲鳴が聞こえる。

僕はこれから彼女たちの美しいおっぱいを堪能するのさ。

今日いるメンバーは、由香・真紀・遥・明子さん・小島さん・松木さん・安藤さんと僕。


「みごとに露天風呂メンバーだね」

「今日はお風呂じゃなくてプールで楽しみます」


大津さんに言われた。


「明子さんは露天風呂も楽しめた?また楽しみに行こうね。僕は明子さんと一緒に行きたいから」


もぅ、エッチ!と正拳突きされました。

嬉しそうな顔するんだったら、パンチしないで!痛いから。

せめておっぱいビンタでお願いします!バチンバチン!


プールは駅からバスで向かう。

バスに揺られて20分。目的地に到着。

ここの市営プールはスライダーもある大きなプール。

人気があり、もの凄い人の数だ。


「やっぱり混んでるね。イモ洗い状態ってやつ?」


それって抱きついても大丈夫なやつだよね。

入場料を払って中に入る。

着替えるためにみんなと別れた。


ぱぱっと着替えて待ち合わせ場所に向かう。

更衣室の出口で待ってると、華やかな集団が歩いてきた。


「真尋くーん、ドーン!」


遥がいつも通りおぶさってきた。


「私の胸少しは大きくなってるかな?」

「うん、大きさはわからないけど柔らかいのは伝わってくる」

「興奮した?」

「キュートな遥に鼻血でそう。たぶん。きっと」


そうかそうかと満足そうな遥。

その光景を真紀が寂しそうに見ている。


「真紀も相変わらずキレイだ。ずっと手を握っていたい」


優しく手を握りながら褒める。

いい笑顔で満足げな真紀チョロい。



プールの脇に階段状のスタンドがあり、そこにシートを広げて拠点を作った。


「日焼け止め塗って!」


遥に日焼け止めクリームを手渡された。

OK。それは僕に触れってことだよね?

ってか、プールって日焼け止め禁止じゃないの?

はぁ、ここは平気なんですか。そうですか。

背を向ける遥の肩をつかみ前を向かせた。


「じゃぁ、塗るよ」


首筋にを撫でるように日焼け止めを塗る。

腕を両手でしごき上げるように、マッサージをしながら塗る。

胸のあたりも水着の縁ぞいになでる。


「あっ、手が滑った」


水着の中にお手てが侵入する。

ひゃ。遥が小さく声をあげた。

僕は最後までやり抜く男。

山の頂を目指してゆっくりと進む。

遥と視線があう。

媚びるような眼差しで僕を見つめる。

よし、行くぞ!


ボスッ。


うぉ、脇腹に衝撃が。

横を見ると由香が右ストレートを放った姿勢で立っていた。


「何やってるのかな?」

「え、日焼け止めを塗ってるんだけど」

「水着の中に手を入れて?」

「何か問題ある?」


問題だらけだと怒られた。

酷い、遥は怒ってないのに。

罰として全員の背中に日焼け止めを塗った。

背中だけだ。

もやもやする。生殺しだ。

確かにこれは罰だろう。




まずは全員でスライダーに並ぶ。

市営プールのスライダーといってもここのは中々強烈だ。

カーブが少なく、最高速度重視タイプのスライダー。


まずは松木さん。続けて安藤さん。

遠くから叫び声が聞こえる。

これは期待できる。

大津さん小島さんが続き、遥が滑って行った。

大きな笑い声が聞こえた。遥ってすぐにわかるな。

由香が続き、最後に僕と真紀。

真紀は滑る前に、


「行ってきますのキス」


とキスをして滑って行った。

滑り口の係員さんが親指立てて”いいね”をしてくれた。

ありがとうございます。


スライダーのスピードは結構速く感じる。

直線状にスピードをつけて下り、後半はカーブで体が真横に。

最後はプールの50センチ位上の位置に投げ出される。

なかなかのスリル。最後のふわっと感がいい味出してる。

みんなもう一回滑ると列に並んでいた。

 

僕は今ので十分に楽しんだ。

並ぶのが面倒だったので見ていることにした。

同じく大津さんも怖かったからとパスした。


隣に立っていた大津さんが腕を組んできた。


「人混みではぐれちゃうから」


うんうんそうだね。はぐれたら大変だ。腕組んだほうがいいね。

あ、そうだ。

壁際に一人分の腰かけるスペースがあったので僕が座り、膝の上に大津さんを座らせた。


「ほら、明子さんここに座って」


膝の上に明子さんを座らせる。

そっとお腹に手をまわして後ろから抱きしめる。

顔はクールに。心はコールタールのように。

あー、柔らかい体は最高じゃー。

落ち着け、深呼吸だ。スーハースーハー。

いい匂いが僕の肺に充満する。

沢山褒めたらおっぱい揉ませてくれるかな。

 

「明子さん柔らかい」

「え、太った?」

「違うよ。すごくセクシーで女性らしくてドキドキする」

「ありがと。褒められると照れるね」


ぎゅうっと抱きしめる力を強くする。

下乳の感触いいね。

くっそ、直接触りたいぞ。

ふと、明子さんを見ると目が合う。

明子さんの顔がゆっくり近づいてきた。

目を閉じてる。

これってキス友チャンス?

半分、条件反射で明子さんの唇をふさいだ。


「明子さんの唇がとても柔らかくて興奮しちゃった」

「待って、今のは流されてだから。本気じゃないから」

「本気じゃないのは残念だけど僕は嬉しかった。キス友だね」

「キス友?」


大津さんはキス友をご存知ないようです。


「恋人じゃなくてキスする友達」


僕も聞いた話だけど流行ってるらしいって。


「キス友という単語は聞いたことがあるけど、実際にそういう関係の話は聞いたことなかったから」

「じゃあ、僕と明子さんはキス友だよ」


もう一度キス。

セーフ、逃げなかったからセーフ。


「みんなには内緒」

「いいよ、キス友になってあげる。真尋くん嫌いじゃないし。未来の為の練習だから大丈夫なはず」


そうか、練習か。

じゃあ、口割り舌吸いキッスをしてやろう。

あむっ。

ぬるぬるがいいです。

唇をゆっくり離す。

僕と明子さんの間に細い唾液のかけ橋が。

甘い。甘いよ!

みんなが戻ってくるまでイチャイチャしていた。

 

僕は考える。

キスだけでキス友、行為有りでセフレ。

おっぱいを揉むだけの関係は?パイ友?

誰かパイ友になってくれないかな。



全員が戻ってきたところで流れるプールに移動。

浮き輪をレンタルした。

でっかい浮き輪に3人で入る。

もちろん3人入ったら見動きは取れない。


「ちょっと遥は暴れないで」

「由香こそおっぱいが邪魔。小さくして」


2人の不毛なやり取りが楽しい。

浮き輪に無理やり3人で入ったら抜けなくなった。

三人で流れるままにプールを漂う。

密着するのはいい。密着しすぎるのはダメだ。

キツイ!2人がベストだな。


遥が浮き輪のなかで方向転換して僕と向き合っている。 

そのまま僕の腰に足を絡ませて抱っこの状態だ。

 

「遥、おっぱい当たってる」

「当たってるんじゃなくて当ててるの!」


由香が遥に文句言ってる。くっつきすぎって。

いいんだよ、くっついても。むしろ由香もくっついて。

由香の胸に手を置く。


「由香、おっぱい当たってる」

「当たってるんじゃなくて触ってるの!」


はい、そうですね。

僕たち三人はしばらくプールの中で蠢いていた。

こんな楽しみ方もあるんだな。プールは奥が深い。

 

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