第37話 露天風呂
22時45分。みんな寝静まった頃。
僕は風呂の支度をしてそっと部屋を出た。
露天風呂だ。
星空を見ながらの露天風呂だ。
すごく気分がいいだろう。
ただし、露天と言うことは野外。
野外と言うことは虫がいる可能性大。
念のため殺虫剤を持参する。
風呂までの道のりも怖いしな。
コテージの鍵をもって建物の扉を開ける。
「あ、真尋くんどこ行くの?」
おうふっ、この声は松木さん。
見つかったならしょうがない。
「かおりさんか。お風呂行くの。露天風呂」
「露天風呂なんてあったっけ?」
「家族風呂だよ。貸切した」
「え?1人で?」
遙も出てきた。
「露天風呂なんてずるい。私も行く。まってて」
遙は部屋に走っていった。
松木さんも露天風呂に興味がでたのか、
「私も行っていいかな?」
「僕と一緒でもいいなら」
「みんなに聞いてくる。待ってて」
と部屋に戻っていった。
待つこと5分。
なぜか女子メンバー全員が揃っていた。
貸切風呂の更衣室。
さすがに8人は狭い。
「後ろ見ちゃダメだよ」
真紀に言われた。
「え、ダメなの?」
「ダメです」
しょうがない、壁を見ながら服を脱いだ。
君達は見てるんでしょ!
腰にタオルを巻いて先に浴室に入る。
お湯で体を流して露天風呂に沈む。
あぁ、気持ちいい。
星空を見上げながらまったりする。
でもそれは嘘。こんなシチュエーションでまったりできない。
入り口をチラチラみちゃう。
すぐに女の子たちが入ってきた。
残念、みんなタオル巻いてる。
彼女たちもお湯で体をながして露天風呂にやってきた。
ここの露天風呂は入るときに一段高くなっていて、石を乗り越えて風呂に沈むんだけど、足をあげると中身が見えちゃうんだよね。
いや見えちゃった。数人だけど。3人だけど。
具体的には、松木さんと大津さんと遙。
そりゃ起っきもするわ。
モース硬度10のダイヤモンド並みの固さだわ。
脳内フォルダにそっと保存した。ロックもかけた。なんならすぐに印刷したい。
そんな僕の視線と狼狽ぶりをみていた真紀。
「ねぇ、真尋くん。ひょっとして見た?」
「何を?」
「私たちの体。細かく言うとタオルの下」
誤魔化すときのお約束。口笛を吹いて知らん振り。
「あ、見たね」
由香よ。嘘を見破るのが早いな。
「誰の見たの?何を見たの?言いなさい」
興奮するな由香。お前のはすべて見ているから知ってる。
「黙秘け「いいなさい」はい」
お湯に浸かる彼女たちを見ながら、
「松木さん、大津さん、遙」
「何を見たの?」
「女の子の神秘」
その言葉に顔を赤らめる3人。
あ、その真っ赤になった顔もかわいいね。
なんて言えるわけがない。
「罰が必要だね」
だから真紀よ。僕が進んで見たんじゃない。見せ付けられたんだ。
「覗いたんじゃないよ。僕は動いてないもん。不可抗力だし」
「私たちの裸見たなら真尋くんも見せるべき」
遙のとんでも発言いただきました。
お湯の中で突然タオルを脱ぎ捨てて近づいてくる。
お前のちっぱい可愛いな。あと丸出しだぞ。毛、薄いのな。
「ほら見た。全部見た。だから真尋くんもタオルとること」
湯に手を突っ込んで僕のタオルを掴みとる。
あ、あなた今タオルを掴むときに硬度10を掴みましたね?
ありがとうございます。
「これで一緒。おあいこ。それにお風呂の中にタオル入れるのはマナー違反のはず」
その言葉に、真紀、由香がタオルを取った。
魔乳、巨乳が!
それに釣られてか大津さん、松木さんもタオルをパージ。
残りは安藤さんと小島さん。2人も周りの視線と雰囲気に流されタオルをパージ。
「桃源郷がここにある」
はっ、言葉に出てしまった。
鼻血でそう。
脳内フォルダよ仕事しろ!至急だ、ハリーハリー!!
遙が言葉を続ける。
「人類なんて男と女しかないんだから。みんな一緒でしょ。真尋くんは同級生との蜜月読むくらいなんだから。クラスメイトの裸なんか平気だよね。むしろ私に全部見せて触らせろ」
おぉ、長文を言いきったな。
「そうだよ。もうこうなったらは見せ合うしかないよ」
遙と真紀は勢いよく周りの女性陣を煽る。
道ずれにする気満々だな。
「むしろ見せつけるね」
遙と真紀が湯船の縁に腰掛けた。
全部丸見えです。鼻血でそうです。
由香と大津さんも続く。
あれ由香はわかるけど大津さんはそんなキャラだっけ?
迷いながらもかおりさん安藤さん小島さんが続く。
「あとは真尋くんだけだよ」
真紀、笑顔が怖い。
大津さんの、
「真尋くんの男らしいところを見せて」
見せる男とは股間のやつですか?
僕も風呂の立ち上がる。仰角70度、硬度10でだ。
女性陣の視線が集まる。
みなさんガン見しないでください。
あれ、みんな段々近づいてくるの?っていうか息のかかる距離?
「お父さん以外の初めて見た」
小島さん、いろんな人の見てたらダメなんですからね。
そしてとっても嬉しそう。
あぁ、恥ずかしい。
でも僕の中ではやらなければならないことがある。
「じゃ、僕も遠慮なく」
まず由香、目の前に立ち上から下まで凝視。
「いつも守ってくれてありがとう。これからも側にいて」
そしておっぱいを触る。
次に大津さん。目の前に立ち上から下まで凝視。
「とても均整のとれた美しさを感じます。キレイですよお嬢様」
そしておっぱいに触る。
真紀。目の前に立ち上から下まで凝視。
「あなたを凛とした表情を見るといつも胸がドキドキする」
そしておっぱいに触る。
松木さん。目の前に立ち上から下まで凝視。
「笑顔のあなたは癒し系です。いつまでも側で見ていたい」
そしておっぱいに触る。
安藤さん。目の前に立ち上から下まで凝視。
「目を瞑ると可愛らしいあなたの笑顔が思い浮かぶ。いとしき人」
そしておっぱいに触る。
小島さん。目の前に立ち上から下まで凝視。
「巻き込んでゴメンね。でも可愛らしい君をみて我慢できなかった」
そしておっぱいに触る。
最後に遙。
目の前に立ち上から下まで凝視。おっぱいに……ないんだな。
「もう、なんで私だけみんなと違うの!」
「あ、ゴメン。遥は特別だから」
無論嘘である。
遙を傷つけないよう見せかけた、僕の欲望の為だ。
「言いだしっぺの罪は重いってやつだね。いいよ、さわって」
そっとおっぱいに触る。
ほかの子たちより3倍の時間をかけて。
ビバ!おっぱい! ビバ!女の子!
ビバ!おっぱい! ビバ!女の子!
ビバ!おっぱい! ビバ!女の子!
1周回って落ち着いた。
「僕はこの日を生涯忘れない。みんな、星を見ながらお風呂に入ろう」
全員で露天風呂に浸かった。
「まーくん、その手に持ってるものはなんですか?」
「何って、殺虫剤だよ。露天だから虫くるかもしれない」
「はぁ、こんな時もぶれない。貸してください。虫がきたら私が退治するから」
「ありがと。由香」
露天風呂に殺虫剤の組み合わせを、不思議がってた他の女性陣も納得したようだ。
何ともいえない雰囲気だ。
硬度10はいまだ維持。
風呂から出れない。っていうかお湯が透明だから丸見えのままだ。
こちらからも、あちらからも。
彼女たちの熱い視線が刺さっている。むしろ誇らしい気分だ。
とりあえず、
「あの、他の寝てる男性陣には内緒にしておこう」
「当たり前よ。完全にノリと勢いと雰囲気に流されたわ。やっぱり死ぬほど恥ずかしいかも」
そうだよね、大津さんはそんなキャラじゃないよね。
松木さんや安藤さんは完全に雰囲気に流されて。
小島さんは流れ的に犠牲になった感じ?正直スマンと思っている。
由香たち3人以外は興味と勢いでだろう。
由香と真紀はすでに2人で入浴済だから、問題なしと思ってるはず。
遙はよくわからねーな。やっぱりノリと勢い?
しばらくのんびりして風呂から上がった。
最高の時間をありがとう。
最高の映像を脳内フォルダにしまいました。
すべてロック済です。この画像は消せません。消させません。
コテージに戻る。
隣を歩く由香に言われた。
「いつまで硬くしてるの?」
「暴発するまで。戻るわけないだろ」
「いや、戻しなさいよ。彼女たちも気になってるみたい」
女性陣をみると視線が僕の息子に集中している。
「あとで賢者になってくるから」
どうしろというんだ。
「気になるならどうにかしてくれ」
「バカじゃないの?」
バカ頂きました。ありがとうございます。
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