第46話 女性陣大興奮

 家に帰ると浄化して着替える。

 ん、これは?


「あー、そうそう、ジャージなんてあったんだったな」

「それはダンジョンのアイテムなのか?」

「ああ、33階のジャージ乳牛のアイテムで牛乳かこのジャージって名前の服の上か下をランダムでドロップすんだよ、興味があるなら今夜はこれを着てみるか?」

「是非お願いしよう」


 着替えの早かった術師組からゼオラがやって来たので、手に持つジャージの事を話してみたら以外にも乗り気になっていた。


「楽しそうだな」

「先日の全員で料理を作ってから楽しむという事を思い出してな、未知なるものはまず楽しんでみようと決めたのだ」

「それいいな、俺も真似していいか?」

「是非とも、一緒に楽しもうか」

「応」


 ん? ミツミは長屋じゃなくて、こっちに来たのか。

 だったらいっそ、全部ジャージを出すか。

 たーだなー、このジャージ一般的なS〜4Lまでしかサイズがなく、ネネに合うサイズがない。

 なので先に規制サイズで着れる面子に、好きな色とサイズのジャージを選ばせていく。


 こんなところでも個性というのは見られるもので、下はピッタリなサイズがワンサイズ上を選ぶ者しか居なかったのだが、上を選ぶのには結構個性が現れていた。

 試着を繰り返し1番大きな4Lを選んだのはレオーナとヴェルカの2人。

 2人はジッパーを閉じられるサイズが、その巨峰が入るサイズが4Lしかなかったのだ。

 それでもかなりパッツンしていたが。

 なので裾丈は長く、レオーナはマイクロミニスカワンピースになってるし、ヴェルカは腿の半分まであるしで、袖も長くて捲り上げるか切る必要があった。


 直すから寄越せと2人からジャージを奪うと服飾職人で袖を加工して返す。

 ミツミは2Lだったが袖が長かったのでゼオラ経由で回収して袖直しをした。

 エルネシア、アマルディア、ゼオラは自分に合った物よりワンサイズ上を選んでいる。

 巨乳を見てひがむ様子はないので良い事だと作業の続きをする。

 俺も黒の上下を選んだら余ったジャージを集めて服飾職人で加工、ネネ用のカラフルなジャージを作っていく。


「シバさん、その色の組み合わせよりは、こっちの方が良くないですか?」

「ネネは穏やかな人だからな服の模様も性格に合わせるか逆にするかでも楽しめると思うぞ」


 しまった、女性陣の目の前で服の大規模加工なんてしたらガールズトークが始まるに決まってるじゃないか!?

 エルネシアやゼオラの発言を皮切りにミツミまでテーブルの1番遠い位置からテーブルを覗き込んで見て楽しんでいる。

 ジャージの袖の余りを加工して作った饅頭型の布玉に鉄で作った縫い針を多数刺し針山に、絹糸と鉄のハサミと全てのジャージを置いてテーブルから離れた。


「転職石も出しとくから、一時的に服飾職人になりたいなら言ってくれ。俺は夕食作ってるから」


 はいとエルネシアとミツミ。

 はーいとネネとヴェルカ。

 わかったとレオーナとゼオラとアマルディア。

 みんな楽しそうなので良しとしよう。


「シバさん、この布切り過ぎちゃったので、くっつけてもらせませんか?」

「あいよ」


 早速不器用ガールがやってきた、まだ土間に降りたばかりなのに。

 倉庫からジャガイモを出して熱操作で蒸した状態にして皮を剥いて潰していく。


「あのっ、シバさんまたお願いします」

「あいよ……へいっお待ち!」


 右の3腕を浄化して切れた布を貰い1枚に結合させて返す。

 エルネシアが礼を言ってテーブルに戻っていく足音を背中で聞きながら、牛肉と豚肉を切り刻んで握り潰して合い挽きミンチにしてジャガイモと混ぜる。

 そこに25階のスパイスパイダーが落とす香辛料から適当に味見して、良さそうな味の香辛料を混ぜていく。


 トマトを出してトマトソースを作ろうとしたが、品種のせいか上手くいかないので液体操作で水分の大半を飛ばして強制的にソースにした。

 パスタを茹でながらカルボナーラ、ペペロンチーノ、ボンゴレ等の具材とソースを用意しては倉庫にしまっていく。


「シバさん」


 エルネシアが20回来た段階で、数える無意味さを知り数えなくなった。

 うちには若干2名、肉も食えるが菜食よりなのが居るが、今朝までの食事の様子を見るに多分ミツミもそっち寄り。

 なのでサラダの量と野菜スープの具を増やしておくか。

 今日のスープは豚少なめ具沢山豚汁。

 大根、人参、キノコ類等々、鍋の具材と変わらないけど材料の切り方と味付けが違うもんね豚汁。

 サラダは赤黄緑の3色の野菜を切って彩りを考えながら3つのボウルに盛り付ける。


 デザートは果実のすり身を牛乳に混ぜて凍らせただけの、なんちゃってシャーベット。

 世界が変化してから結構経つけど平均気温に変化が見られない。

 この辺りは熱帯的な気候をしているのか、真夏が続いているような物なので冷たい物を食べなきゃやってられない。

 アイデアが浮かばない時でも、果実を冷やすだけでも喜ばれるのは楽でいい。

 それすら面倒なら室温を下げて氷を出すだけでもいい。


 時間がある時には居岩の密閉容器に牛乳を入れて、熱操作で冷やしながら振り続ける。

 しかし分離すればいいと気付いたので、薬師の分離でバターや生クリームを牛乳から分離していく。


「ハラショー! これで少しはマシなパンが焼けて、美味いデザートが増えるぞ!」

『デザート!?』


 しまった、料理に熱中しすぎて女子がスイーツ好きな存在だと失念していた!


「材料集めも、調理に必要な職業も、オリジナル魔法の問題もあって、今楽にアイスクリームを作れるのは世界で俺だけだと思うぞ」


 そう言ったら夜は6人から目茶苦茶サービスされた。

 そしてシレッと輪の中に紛れ込んでいるウサギ獣人も居たので、気付かない振りをして抱いた。

 最初は壊れ物を扱うように丁寧にしていたが、丁寧にしすぎて淫らにおねだりしてきたので望み通りに激しくした。

 6腕と16センチちょっと君で丁度7人。

 探索者のダンジョンワープが8人。

 俺達も8人で恋人6人、候補かもってのが1人。

 魔法の種類も属性も8。

 太陽系の惑星も8。

 8という数字には何かしらの意味があるのかもしれない。

 なので今日は8巡で終えておいた。

 今夜はミツミとドッキングしたまま寝るとしようか。

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