第22話 間違った休日の使い方
ダンジョンモンスターには必ずある法則が適用される、それは出現する階によってグループ行動をする最大数が変化するという、ゲームあるあるな法則だ。
1〜5階で1体。
6〜10階で2体。
11〜15階で3体。
16〜20階で4体。
21〜25階で5体と、5階単位で1体増えていく。
また最小数も更新されていき。
26〜30階で2〜6体。
31〜35階で3〜7体。
36〜40階で4〜8体。
41〜45階で5〜9体。
46〜50階で6〜10体が同時に行動していて一斉に戦闘状態に入る。
昨日ダンジョンで別行動して、俺はさらに2人を信頼する事ができたと思う。
低確率ではあったものの2体の木を相手にして無事に帰ってきたからだ。
なので10階までは2人に任せて、俺にしかできない仕事をしようと思う。
本来は俺だけ休日にしてと言われているが、娯楽がない以前に生活に不安感あるのに休んでなんかいられなかったのだ。
リュックを背負った二人をダンジョン8階に送り1人外へ。
ダンジョン入口の裏側に増し増しロックタワーを建てて、ダンジョンと同じ高さになるように何度も調節する。
家に帰り壁の北側にも同じ高さのロックタワーを建てる。
片道約10キロの往復は手間だがロックタワーの間にはほぼ等間隔を意識してロックピラーを設置していく。
ダンジョン側まで到達すると魔力が1割を切っているので、残りの魔力全てをライトランスにして空に向けて放った。
魔力がある程度回復するまでの、強制休憩である。
こうする事で魔力量は増えるし休憩も取らなければならない。
2人からは働き過ぎだと言われてるので意識して休憩を取る。
魔力切れの苦しみを耐えるのを休憩と言うならば休憩なのだろう。
果実を食べたり石壷に果汁をしぼったりしながら魔力の回復を待つ。
目の前、と言っても何キロか先にだが海もあるし釣り道具を作って釣りしても良かったかもしれない。
絹糸しかないから糸が直ぐに切れるかもしれないけど、一応趣味の候補には入れとくか。
考えるネタもなくなったので夜のエルネシアとネネを思い出していた、ちょっと違う部分が元気になりそうだったので止めた。
魔力が全回復したので作業の続きを行う。
20枚のロックシールドを前に向けて展開して落下まで待つ。
落下したロックシールドを魔力で加工して正方形の石版にしてロックピラーの横に置いて、次のロックピラーまで伸ばすように仮に敷いていく。
そう、ロックシールドによる石版道路を作ろうと思っているんだよ。
完成したら魔力で結合させれば隙間のない石の道路になる予定だ。
道路の上を歩けば道がそれて修正したり、方向の確認に無駄な神経を使わなくても済む。
ダンジョンの内部は迷路になっているが、迷路の変化は起こらないそうなので、いずれ2人に地図を持たせて10階までは丸投げするつもりだ。
ダンジョンでは塩、胡椒・羊毛・羊皮紙・羊肉、ポーションの材料、解毒ポーションの材料、絹糸、穀物、フルーツ、野菜と、生きるのに最低限必要な物資がそろっている。
あとは木材が欲しいくらいだが、それもダンジョン北東方面に林か森があるのを発見した。
俺の視力でも見にくかったのでかなり遠くなるだろうが、必要なら取りに行くしかない。
家とダンジョン、その周辺の地図も作らなきゃならないし、仕事は山積みだ。
正方形の石版をまた結合させずに側面を合わせるだけにして伸ばしてきたのに、家に近付く頃には100メートル以上も横にずれていた。
なので今度は家側から石版を置いてダンジョンへと向かう。
無事にダンジョン側からの石版と合流できたが、石版を幅が足りずに1枚だけ斜めに、片側が石版の上に乗っかっている。
こうなるのはわかっていたので気にせずダンジョン側から2列目の石版設置をスタート。
途中斜めに重なった石版を倉庫に収納して、次の石版を手前に持ってきて2列目と一緒に並べていく。
防壁前に到達し収納した石版を出して最後に設置した。
そろそろいい時間なので一直線になった石版を結合させながら、ロックピラーを消しながらダンジョンに2人を迎えに行った。
△△▽▽◁▷◁▷
3人でダンジョンワープで外に出て帰路につく。
「明日からはこれを目印にダンジョンと往復できるようにしたから、移動中は警戒だけてよくなったはずだ」
「シバさん? 家に帰ったら休日休憩についての齟齬についてお話しがあります、い・い・で・す・ね!」
「あっ、はい」
「あらあら、これじゃあ何のために休日にしたのかわからないわね」
4回も魔力切れになったのは黙っていた方が良さそうだな、確実に説教時間が伸びる。
まあでも新職業については伝えておくか。
土木工
鑑定(木・土石)
加工(木・土石)
土木工事補正
「おめでとうございます」
「素直に喜んでいいのかしら?」
エルネシアは少し不機嫌そうに、ネネはちょっと困った感じになっている。
「ダンジョン北東に森林が見えたから、そこにも道を伸ばすつもりだ。木が手に入ったら
「わかりました、今はそれで妥協しておいてあげます。そのかわり、次からはちゃんと休日は休んでてくださいね、約束ですからね!」
「わーったわーった、エルネシア達が多少食材が不足しても全員無事に帰るのを優先するって約束してくれるなら、俺も約束は守ろう」
(極力)
「シバさんの譲れないラインが私達だというのは理解してますから、私もそれで約束しましよう。もうあんな悲し気な無表情をした貴方は見たくありませんから」
えっとばかりにネネに視線で確認する。
「私と最初のお風呂の時とか時々ね」
「それはすまない事をしたな。でもま、愛する人のために死ぬ気で働いたり戦ったりするのは男の
「それはお断りします普通にしてください死んでしまいます」
「あれ?」
やっぱ、ダメ?
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