第7章 インターンシップ 第23話

 兵站部門のスペシャリストとして完成した自分の姿を瀬名は意識することができる。


 ワーホリでニュージーランドに行って、犬に関する学習を目指す松山。


 コンサル会社で捕獲部門の立ち上げに従事する後田。


 警備会社で実際の被害対策に従事する柴山。


 全員が、各々の分野でパイオニアとして活躍できる場所を得ることができたのだ。しかも、各人の得意とする分野でその場所を得ることができたのである。


 最終的に、瀬名は実家の母親を納得させるには少々手こずったようだが、「三十歳までは絶対に帰らない」という最終宣言を彼女がしたことで、母親も諦めたようだった。


 こうして、「野生鳥獣管理コース」、通称「サーパスハンターコース」第一期生四名の進路がすべて決まった。この成果は、今後の学校の学生募集にも大きく影響するだろう。 


 まだまだベンチャービジネスの域にある野生鳥獣の捕獲事業は、海のものとも山のものともわからない。

 

 そこで学ぶことで、どんな進路があるのかという疑問は、同じ学校の二年制の学科で学んでいる学生達の間にすら存在しているのだ。身近で見聞きしていても、その疑問が払拭できないのだから、世間一般に受け入れられるには、まだまだ時間が必要となるだろう。


 それだけに、彼らの活動を広く情報発信していくことが必要となるのだ。

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