第4章 練習 第3話
「早速ですが、ケースに入っている銃を組み立てて、銃架(銃を立てかける架台のこと)に置いてください。そのあと、技能講習どおりに操作講習をやってから、射撃練習に入りましょう」
教習射撃を受けてからあまり時間も過ぎていないことから、緊張しながらも四人は自分の銃をケースから取り出し、安全に配慮しながら、銃架に置いた。
すると射面からは銃声聞こえてきた。どうやら黒澤をはじめとするワイルドライフマネージメント社のスタッフの練習が始まったようだ。
早く撃ちたいという気持ちを抑えつつ、四人は真摯に山里の指導を受けている。
「まずは、各人の銃について見てみようか。後田君はミロクの十二番上下二連、絞りは・・・」というと、山里は銃口部をジッとにらみ、「下が平筒で上が二分の一絞りだね」と言った。
「はい。でも銃口を見ただけでわかるものなんですか」
「あぁ、なんとなくね。絞りについては、教習射撃の時に勉強しているよね」
「はい。散弾の散開度を調整する役割があって、『フル』『インプモデ』『モデ』『インプシリンダー』『シリンダー』『スキート』の六種類あります」
「おっ、勉強してるね。フルが一番絞りがきつくて、銃口から四十メートルくらいの距離で散弾の散開度がクレーを撃つのに適していることになるね。
正確には所持許可証の実測値をみるか、計測してみる必要があるけれど、自分の銃がどんな絞りかは知っておかないとね」
「じゃ、十二番のシリンダーだと銃口の直径は何ミリメートルくらいかな」
「えっと、確か、直径十八.五ミリメートルです」
「じゃ、フルチョークなら」
「十七.五ミリメートルだったと」
「おお、正解!良く予習してきたね。わずか一ミリメートルの差が、散弾の散開度を大きく変えることになるから、自分の銃の特徴を知っておくことは大事だね」
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