第156話 行方の分からないエルフを探す
見えない敵を片付け暫く様子を窺うが、もう悪しき気配はなさそう。
皆にも来てもらったから、どうするか相談を。
「そんなの、もっと探すに決まってるじゃない?」
エウラリアが即答だった。
「私もそう思います。時間が経っていればどうかと思いますが、もしまだそれほど時間が経っていないのでしたら、もしかして、と言うのもありますし・・・・」
デイフェリアはもう少し具体的に言ってくれる。
だが・・・・探してほしいと言うと思っていたエルフ2人が、意外な事に、反対した。
「これ以上はいい。探すだけ無駄だろう。」
エメリナはきっぱり無駄と言う。
「どうしてと言う顔をなさってますね?もはやこの森は、死んだも同然。もうここにエルフは戻らないでしょう・・・・」
ローサが変な事を言う。
「なあ、それってどういう事かな?」
「もう結界がズタズタだし、魔力が乱れている。森の気配もおかしい。ここにエルフの安心して暮らせる森はもう存在しない。生きていたとしても、もう戻らないだろう・・・・」
・・・・悲しい事を言う。
「じゃあ、せめて何か手掛かりだけでも探す?」
「・・・・頼む。」
本音は探したいのだろう・・・・何せ自分たちの家族・・・・かどうかは分からないけど、一緒に生活した仲間がいたはずなんだから。
「じゃあ・・・・暫く森を探そう。何かあれば教えてほしい。」
それぞれエウラリアとローサ、デイフェリアとエメリナがコンビを組む。
僕は一人で、ポチもシロもそれぞれ単独で。
で・・・・何かあったらゲートで移動してもらう事にした。
無論何かに襲われたら逃げようがないかもしれないが、もう危険はないと僕は判断したから、それはいと思ってる。
あとは、半日したら、どのみち戻るように言いつけてある。
最終的には、ゲートの回収は僕が担う。
そして再び探索が開始された・・・・
・・・・
・・・
・・
・
結果は芳しくなかった。
一応、シロが見つけたのが、森の外へ移動した跡だった。
エルフの森?里?と言うべきか・・・・そこから森の外へ複数の何かが移動した跡があると言うのだ。それもまだ新しい。
拠点に戻り、皆に休憩してもらってる間に、僕はゲートを回収していく。
念の為、シロの言っていた近くに、ゲートを設置し戻る。
ああ、シロとポチは僕の気配がほんの僅かでもあれば、その気配をたどれるようだ。
テイムした時の絆?があるので相当離れていても何となくどの方向に居るかとかがわかるらしい。
どうするか・・・・そして、何が待ち受けているのか・・・・
それはだれにも分からない。
だが、可能なら見つけてあげたい。
しかし、見つけてどうする?
余計なお世話かもしれないし、ひょっとしてプライドが高く、拒絶されるかもしれない。
だけど・・・・僕は探すことに決めた。
何があったのか知りたいから。
え?それって自身の知的探求じゃないかって?
いいじゃないか、それでも。
4人は僕を信用して着いて来てくれる。その信用にも応えないとだし。
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