第82話 久しぶりじゃねえか!

うっせえな!俺様眠いんだ!寝かせろよ・・・・


うん?なんかおかしいぞ?


何処だここ?


「おいくそガキ!やっと起きたか!」


「・・・・そういうおっさん誰だ?」


「お・・・・おっさんだと!?俺はまだ25だ!」


「うわ・・・・おっさん確定じゃねえか!で、此処は何処だ?何で俺様こんな所に居るんだ?」


「はあ・・・・何も覚えていないのですか?」


「はあ?何だてめえ?」


「別に名乗るほどの者ではありませんよ?」


「あっそお・・・・じゃあ俺様帰る!」


「・・・・それはいいのですが・・・・帰り方わかりますか?」


「・・・・ここどこ?」


「ここは貴方のいた国とは海を隔てていますよ。ここはクヌティア皇国ですよ。」


「クヌティア皇国だあ?兄貴がくそ親父に言われて出向いてる国じゃねえのか?」


「よくご存じですね。そうそう、貴方のお兄さん、もうすぐここに来ますよ?」


「ああ?そんな訳あるか!船で半年かかるって言ってたぞ?」


「貴方はどうやって来たのですか?」


「・・・・国王とか言うおっさんに飛ばされたっぽい・・・・」


「・・・・飛ばされたって・・・・空間魔法のスキルもちでしょうか?」


「んな事知るか!あいつに少し触れられただけなんだがな・・・・気が付けば知らん場所に居たぞ。」


「空間魔法でも・・・・かなりの使い手のようですね・・・・」


・・・・俺様も使えるのか?あ?なんか部屋の向こうがうっせえな?


「噂をすれば・・・・やって来たようですね。どうやら注文していた品が入荷したようです。流石はララインサル商会、仕事が早いですね!」


「失礼しますよ。やっと入荷したので届けに来ましたよ・・・・ってんん??はて・・・・変だな?ここに居ないはずの人がいるように見えますが・・・・ねえ君、まさかとは思うけれど・・・・ルドメロかい?」


・・・・何だよバカ兄貴!


「うっせええな!相変わらずのしょぼくれ具合に磨きがかかってんじゃねえのか?ライニールの糞兄貴よ!」


「おお!その憎まれ口はまさしくルドメロじゃないか!久しぶりだな・・・・もう2年ぐらいかい?」


「・・・・そんなん覚えとらんわ!」


「ははは・・・・相変わらずじゃないか・・・・で、何でこんな所に?」


「知らん!気が付けば崖の下に居たぞ?」


「はああ?じゃあ最後に居たのは何処か覚えてるかい?」


「城だよ城!」


「城?どこかな?」


「んなもん決まってんじゃねえか!フェメニーノ城だぞ?」


「え?どうして城に?」


「国王とか言うおっさんに来いって言われた・・・・のか?」


「・・・・一体何をしたのですか?ルドメロ。」



・・・・別に何もしてねえぞ?

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