第51話 まあ気にしないでおこうぜ!

「まあ、分からんのなら、また城で確認すればいいじゃねえか!」


・・・・そんなのでいいのかしら?


「わかりました、ルドメロ様。では、行きましょうか?」


こうして、2人と2体の従魔は、ダンジョンへ入って行ったのである。


・・・・

・・・

・・


「あの、色々おかしいのですけれど?」


「あ?何がおかしいんだ?」


「だってここまだ低層ですよ?なのにどうしてあんなに沢山の素材が手に入るのですか?」


「俺に聞かれても知らんぞ!何せこのダンジョン初めてだからな!」


「私も・・・・自らの意志で入るのは初めてですよ?」


「そうなのか?まあ何事にも初めてってのはあるからな!それより肉だ!おいポチ、ちょい肉探しに行って来い!」


”もう少し下に行かんとおらんぞ?”


「じゃあ下に行くぜ!」


・・・・

・・・

・・


ボス部屋


「この低階層では、普通そんな高位の魔物は出ないはずなのですが・・・・何故ドラゴンが・・・・」


「ぼちぼちとトカゲの肉が無くなってきてたんだ!ちょうどいいな!っていてええ!何でいっつもポチ、俺様の頭蹴るんだ!


”ふん!トカゲとドラゴンの区別ぐらい、いい加減にわかるようになっとけ!”


「何であんな機嫌が悪いんだ?」


・・・・天然ですかそうですか。お姉さまは疲れるって言ってましたね・・・・


「お!中々しぶてえな!おいデイフィリア、このナイフでチクっと刺してみ?」


「パワーレべリングですか?」


「ああ、デイフィリアもガツンとレベル上がんぜ?」


「ルドメロ様がそう言うのでしたら・・・・」



因みに王家では、このダンジョンで1歳になるかならないかの時に、S級冒険者や軍隊に守られながら、パワーレベリングを行うのである。



「このナイフ、凄いですね・・・・神のナイフですか?ドラゴンの硬い鱗をあっさり私の力で貫通していくのですから。」


こうしてデイフィリアにもドラゴンスレイヤーの称号が付与されたのである。


「お、肉ドロップした?」


「ええ・・・・牙や爪もドロップしましたよ?」


「そうか?一応カバンに入れとくか?」


「お願いしますね。あ、魔石もお願いします。」


ボス部屋を後にすると、何やら人工物が・・・・休憩所が其処にはある。



誰が何の目的でこんなものを建てたのかは不明だが、このダンジョンのボス部屋の奥には、必ず存在するようだ。


因みにトイレ、風呂付である。


だが、低階層は冒険者が多いので、風呂に入る冒険者はほとんどいない。


「トイレは助かります。落ち着いて用を足せますからね。」


先程外ではあまり出なかったデイフィリアだった。



「なあ、この魔法陣?って何だ?」


「あ、それはですね、それを踏めば、地上に戻れるんですよ?戻りますか?」


「あ?まだ殆ど肉手に入れてねえんだ、まだまだやるぜ!」


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