暗号探偵

若福 品作

第1話 今日 (2-1)

登場人物



木田きだ 暗人あんじん

25歳で高校生に間違われるほど幼く見える

背の低い男。



千長せんなが 導花どうか

暗人の幼なじみで黒髪ロングで

面倒見のよさそうな女。



山道やまみち 野作のさく

暗人のおかげで警視庁の優秀な警部だと

思われている男。






フーンフーンと鼻歌を歌いながら

新聞を読んでいる暗人。


それを部屋のソファーで

コーヒーを飲んでいた導花が

睨みながら


「何がそんなに楽しいの?

面白い記事でも見つけた?」

そう呆れた口調で言う。


「まぁね」

そう嬉しそうに暗人が答えると

導花は暗人が座っている

窓際の椅子に近づき

バンとその椅子の目の前にある

机をおもいっきり叩く。


そして暗人が読んでいる

新聞を取り上げて


「仕事もないのにヘラヘラしない!!」

そう暗人を怒ると

暗人が大きく笑って


「大丈夫だよ

あと10分もしないうちに仕事が来るから」

そう言う暗人を首を傾げながら見つめる導花の後ろのドアをドンドンと叩く音がする。


「そら来た」

そう勝ち誇った顔をする暗人を

不満そうに見つめる導花。

その間もドアはドンドンと

強く叩かれ続ける。


「ほら早く出てあげて」

そう右手でドアを指して

導花にお願いする暗人。


「私はあんたの助手じゃないんだけど」

そう文句を言いながら

ドアの方に歩いて

ドアを開ける導花。


そこには山道警部が立っていた。


「山道警部だったんですね

だから暗人の奴があんな事

言ってたんですね!!」

そう全てを理解したような顔で言う。


「なんの事だい?」

山道警部が導花を見ながら言う。


それを聞いた導花は

首を傾げる。



「暗人に何か依頼を

頼んでたんじゃないんですか?」

そう導花に聞かれて山道警部が



「確かに依頼をしようと思って来たけど

事前に頼んではいないよ」

その言葉を聞いて導花は驚く。



その導花を見ていた暗人が


「とにかく中に入ってもらってくれないか?」

そうニヤニヤしながら導花にお願いする。



山道警部を中に通して

ソファーに座ってもらって

コーヒーを出したあとに

暗人を睨みながら



「なんで山道警部が来るのが

わかったの?」

そう導花に聞かれた暗人は

その言葉を待っていましたと笑顔になり

右手で机の上の新聞を指差して



「今日の新聞に昨日起きた事件が

難航なんこうしているって書いてたから」

そうニヤケながら説明するが

導花はまだ首を傾げている。



「なんでそれだけで来るってわかるのよ!!」

そう不満そうに導花が言う。



「新聞には続きがあってね

どうやら遺体が倒れていた机の上に

ダイイングメッセージのような暗号が

書かれた紙が置かれていたらしいんだ」

そう言いながら新聞を右手の指でトントンする暗人。



「だからオレのおかげで

暗号解読が得意な優秀な警部だと

思われている山道警部に話が

回ってくると思ったんだよ」

その説明を聞いた導花は納得したように

呆れた顔を山道警部に向けて



「なるほどそれで

どうしようもなくなって暗人に

泣きついて来たってわけね」

そう言うとハァとため息をつく。



その導花を見て山道警部が申し訳そうに

顔を下に向ける。



「そんな事より早く見せてくれませんか?

あなた達警察を悩ませている

その暗号というやつを」

そうおもちゃを待ちわびている子供のように

満面の笑みを浮かべる暗人。

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