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Lはあごをさすりながら何か言った。
「こういう」「被差別」「猿害」「LGBT」「Q」「護憲や改憲」「欽定憲法」と言ったLの声と姉の笑み、ただぼくはぼんやりとLの顔を見ていた。黒目が彼の頭の奥まで貫かれているような気がする。
Lのこんもりとした鼻が嫌だった。なんでも吸い込み可能そうな鼻。前に迫り出す感じが嫌だった、画面を突き破って強調されるトリック・アートのようだ。偽物だとしたら取り上げたくなる。本物だから始末におえないのだ。風が足元でうずをまいた、ぼくの足は風に8の字にとりかこまれていた。
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