まさかの賢者扱い
ヴォーアル迷宮に潜るのは後にするとして、まず気になるのが子供たちのステータスだ。
子供たちに話を聞いてみると、学園長と共にヴォーアル迷宮に入ってモンスターの討伐をしていたらしい。
ロキの【
「ケイ、フェイ、レイン、ステータス確認してもいい?」
「「「いいよ~。」」」
「じゃあ、【鑑定】させてもらうね。」
そういうと、悠斗は子供たちに【鑑定】を発動させる。
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ケイ Lv:40
年齢:8歳
性別:女
種族:人族
STR(物理):550 DEX(器用):650
ATK(攻撃):550 AGI(素早):650
VIT(生命):1050 RES(抵抗):650
DEF(防御):550 LUK(幸運):30
MAG(魔力):2000 INT(知力):650
スキル:生活魔法Lv:5、火属性魔法Lv:6、
水属性魔法Lv:4、風属性魔法Lv:4、地属性魔法Lv:1
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フェイ Lv:42
年齢:9歳
性別:男
種族:獣人族(犬族)
STR(物理):1200 DEX(器用):800
ATK(攻撃):1300 AGI(素早):800
VIT(生命):1200 RES(抵抗):800
DEF(防御):1150 LUK(幸運):30
MAG(魔力):800 INT(知力):650
スキル:生活魔法Lv:5、風属性魔法Lv:6、剣術Lv:5
水属性魔法Lv:4、火属性魔法Lv:4、地属性魔法Lv:1
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レイン Lv:40
年齢:8歳
性別:女
種族:ハーフエルフ族
STR(物理):650 DEX(器用):650
ATK(攻撃):650 AGI(素早):650
VIT(生命):650 RES(抵抗):650
DEF(防御):1050 LUK(幸運):30
MAG(魔力):2000 INT(知力):650
スキル:生活魔法Lv:5、水属性魔法Lv:6
火属性魔法Lv:4、風属性魔法Lv:4、地属性魔法Lv:1
木属性魔法Lv:1
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たった5日間、魔法学園に預けていただけでこれである。既に、そこらの国の騎士様より強いステータスになっているんじゃなかろうか。
そういえば、前にロキがステータスが上がると身体が少しずつ変化すると言っていた。子供たちが成長しているのはそのせいか?
「え~っと、ケイ、フェイ、レイン? 迷宮は何階層まで攻略したの?」
「たしか、15階層までだったと思うよ!」
15階層までの攻略を2日間続けるだけでこのレベルか……。
確かに従業員たちも1日でレベル50まで上げることができたし、可能といえば可能か?
いや、だとしたらマデイラ王国に召喚された際教えられた『現在確認されているレベルの最大値は70まで』というのは、マデイラ王国で現在確認されているレベルの上限が70だったのかもしれない。
なにせ、こんなにレベル上げがしやすいのである。レベルの最大値が70なんてデマもいいところだ。
まったく騙されたぜ……。
と、悠斗は思っているがそれは大間違いである。
悠斗の場合、【影魔法】などという常識外れな魔法を使うことができたため、安全で効率よく従業員たちのレベルを上げることができただけである。たった数時間でモンスターを1,000体以上倒すことなんてSランク冒険者でも無理だ。
また迷宮を40階層まで攻略しようと思ったら、十数日は迷宮に籠るつもりで挑む必要がある。
なぜならば、迷宮には転移結晶やセーブポイントのようなものが一切ないからに他ならない。
子供たちの場合も、ロキの【
なお、学園長のステータスは下記の通りである。
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グレナ・ディーン Lv:50
年齢:55歳
性別:女
種族:人族
STR(物理):200 DEX(器用):800
ATK(攻撃):200 AGI(素早):800
VIT(生命):800 RES(抵抗):800
DEF(防御):200 LUK(幸運):50
MAG(魔力):1500 INT(知力):800
スキル:生活魔法Lv:7、水属性魔法Lv:7
火属性魔法Lv:7、風属性魔法Lv:7、地属性魔法Lv:7
木属性魔法Lv:9、金属性魔法Lv:7
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学園長というだけあって、聖属性や闇属性などの希少な属性魔法を除く、基本的な魔法はすべて習得している。
閑話休題
「まあこの話は朝ご飯を食べながらにでもしよう。ケイたちは朝ごはんは食べてきた?」
「「「まだ~!」」」
「よし、じゃあダイニングで朝ごはんでも食べよう。」
悠斗は子供たちと久しぶりに食卓を囲むと、ウッチーが料理を運んでくる間、少しばかりの歓談を楽しむ。
「それにしてもすごいステータスだね。随分使える魔法が増えているけど、どんなことを教わったの?」
「え~っとね。」
そう言うと、ケイが収納指輪から魔導書のようなものを取り出した。
表紙には、六芒星が描かれており、施されているレリーフがいかにも中ニ病心をくすぐる逸品だ。
なんかもう、この本の適当なページを開いて魔法の名前でも呼べばすぐに魔法が発動しそうな雰囲気を醸し出している。
「この写本に書いてある呪文を解き明かして魔法を覚えるんだよ~。」
ケイに渡された本に目を通すと、魔法の基礎から応用編、魔法の使い方が抽象的な表現で属性魔法ごとに描かれている。
おお、すごい! 聖属性魔法や闇属性魔法についても詳しく描かれているっ! この本をすべて読み切ればすべての属性魔法が使えるようになりそうだ!
正直、聖属性魔法や闇属性魔法が回復や洗脳以外どのようなことができるのかイメージできず持て余していた。
「この本は凄いね。聖属性魔法や闇属性魔法についても載っているじゃないか。」
「えっ? 悠斗にいこの本読めるの?」
「うん? 普通に読めるけど?」
そういうと、子供たちは驚いたような顔をする。
えっ、何その表情??
「えっとね。その本まだ途中までしか解読が済んでいないんだって。」
「うん、それで?」
「この本は賢者様って呼ばれる人が書いた本なんだって、もしこれを解読できる人が居れば、その人は賢者様の生まれ変わりって学園長が言ってたよ。悠斗にいは賢者様なの?」
「俺は賢者様じゃないよ?」
これは多分、召喚されたときに付与された【言語理解】によるものだろう。そのおかげで賢者になれるのなら、あの不良たちでも賢者になれる。
とはいえ、この写本は役に立ちそうだ。あとでウッチーにこの本の写本を作ってもらおう。
「お待たせいたしました。」
そんな事を考えていると、ウッチーが朝食を持ってきてくれた。
今日の朝ごはんは、なんとカレー、そう朝カレーである。
ウッチーが管理してくれている畑フィールドで採れたスパイスを元に、【叡智の書】で試しにカレーを検索してみたところ、まさかのヒット! どうやらこの世界にもカレーがあるようだ。元の世界で食べたカレーとは少し違うものの、ウッチーの力により元の世界のカレーを再現することに成功した。
今日の朝、従業員たちが食べているのもカレーだ。
ちなみに、子供たちに出すカレーは蜂蜜を入れて少し甘くしてある。
「カレーだっ!!」
子供ってカレー大好きだよね。今度はハンバーグを作ってあげよう。
「ちょっと甘めに作ってあるんだ。まあ食べて見れば分かるよ。ウッチーの作ったカレーだしねっ。」
悠斗が美味しそうに口にするのを見て、子供たちもスプーンを片手にカレーを口に含む。
「…………。」
目を
「「「美味しぃ~!!!」」」
そうでしょう、そうでしょう! 知っていましたとも、ウッチー特製カレーが美味しいということは!
子供たちはまるで欠食児童の様に、ガツガツとカレーを口に入れていく。
子供たちは2回ほどウッチー特製カレーをお代わりすると、お腹を膨らませながらソファーに横たわってしまった。
気持ちは分かる。俺もウッチー特製カレーを食べた時は、懐かしさのあまりカレーを食べ過ぎてしまい腹を膨らませて横になったものだ。
「ううっ、苦しい……。」
「折角の休日だし、ソファーでゆっくりしておいで。」
悠斗がそう言うと、子供たちは腹を膨らませたままソファーでスヤスヤと眠りだした。
食後ってなぜか眠くなるよね……人体の不思議だわ。
悠斗は紅茶を飲みながら、お腹いっぱいになった子供たちの寝顔にひと時の癒しを感じるのであった。
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