劇中余談2

キャラも増えて状況が複雑になってきたので、整理のために設定を語ります。


・王国と聖教団の関係は?


 聖教団は国家から独立した勢力であり、ウルスラ連合王国の各地に拠点を持ちます。

 独自の軍事力として聖教団を擁していますが、あくまでもその力は対魔族のために振るわれるという建前です。


 王国内にありながら治外法権を持つ聖教団には苦々しい思いをしている王国関係者も少なくはありません。

 しかし実際に各地の魔族との抗争で聖騎士団は活躍しており、さらに聖教団の寺院が病院兼学校として機能しているため、予算不足の王国としては聖教団に強く言えない状況でした。


 そんな中、北ウルスラ王国のダンベルク宰相は対聖教団の強硬派として知られており、彼は聖教団を王国の支配下に置こうと画策してきました。

 その圧力に対抗するため、聖教団の重鎮であるサース五世枢機卿はレイライン王に接近したのです。王権を奪おうと動いている宰相に立ち向かうべく、レイライン王は聖教団と手を組みました。



・アウランは龍王なのに四天王?


 まず、魔王様にとっての四天王とは手下ではありません。並び立つ同志たちのことです。

 東の龍王アウランは、北で調子に乗って暴れているという魔王ヴァールをこらしめてやろうとはるばるやってきたのですが、一本気なヴァールをすっかり気に入って友達になり、自ら四天王と名乗るようになりました。本拠地は東の龍王国で、娘を連れてときどき遊びに来ていました。



・王軍は魔法をどう使ってる?


 強大だが不安定な魔法は組織的に運用すべきだというのが王軍の方針です。

 その方針を形にしたのが、大型の機動魔道具であるクグツ兵器です。複雑な魔道具機構によって人型や馬型のクグツを動かしています。人間よりもはるかに強い力を発揮できるクグツの特性を活かして、重装甲かつ高機動な兵器を実現しました。

 特に北ウルスラ王国が力を入れて開発している現代兵器です。


  クグツとはまた別に、宰相の旗振りでクグツを上回る兵器として研究開発を進められている最新兵器が魔動甲冑です。

 クグツ兵器の性能を個人の甲冑サイズに凝縮するのが魔動甲冑だとされていますが、その駆動理論や製造方法は明かされていません。



・先代の勇者エリカ・ルーンフォースと現代の勇者ルーンフォースはつながりがある?


 現代のルンは、エリカの子孫というわけではないようです。

 勇者の力に目覚めた少女がルーンフォース二世を勝手に襲名しました。久方ぶりに降臨した貴重な勇者による強硬な主張を聖教団も認めざるを得ませんでした。


 エリカは魔王国との戦争に活躍した勇者として今も知られていますが、最終的にどう戦ったのかが記録に残されておらず、彼女の聖剣と共に様々な伝説が語られています。なお、いずれの伝説でも魔王様はとびきりの悪役です。



・エイダはサース五世枢機卿の部下?


 サース五世はエイダの魔王研究に予算を出したスポンサーです。組織上の上司ではありません。

 エイダは北ウルスラ王国の国立大学に所属している研究者です。研究テーマとして不人気な魔王研究には予算がつかず、四苦八苦しながら研究してきました。



・サース一世~五世は同一人物?


 いずれもサスケが変身した姿なのですが、人格は分裂しており、意志はあまりかみ合わないようです。



・ズメイは全身を粉砕されたのに死なないんですか?


 彼は高度な魔法を修めた強大な古龍であり、身体を召喚体に置換していますので、魔法が維持されている限りは不死身です。

 なお、魔王様による魔物召喚に呼ばれて魔王城にやってきたのは召喚体を使っていたからです。



・鬼魔族とはどんな魔族?


 龍魔族と並んでもっとも古い魔族であり、強固でパワフルな金属的肉体を持ちます。平均身長は三メルと高いのですが、はるかな太古には数十メルもあったそうです。

 魔法はあまり得意ではないものの、魔法抵抗力には優れています。

 この三百年はあまり目撃例がありませんでした。

 大鬼であって吸血鬼ではありません。



・魔王様は呪文を詠唱する?

 魔王様が魔法陣を発動して魔法を使う際に、ときどき呪文のような言葉を発しています。あれはいわゆる呪文ではなく、精神を統一して魔力を放つための掛け声です。

 剣道で攻撃する際に「面」「胴」と叫ぶようなものですね。

 なので、言わなくても魔王様は魔法を使えます。

 一方、現代人が使用している魔道具には言葉をコマンドとして発動するものが数多くあります。



・魔王様はどうしてすぐガス欠になるんでしょうか?


 魔王様が全力で魔法を使うと、そこらじゅうが消し飛んでしまいます。そうならないよう魔王様は自らの魔法を打ち消すために魔力のほとんどを使っています。だから燃費がとても悪いんですね。

 それでも効果が過剰なので、治療魔法を使うのは苦手です。下手をすると治療していたはずが生命力を暴走させて殺してしまいかねません。



・魔王様の背は伸びたんでしょうか?


 相対的には封印解除時点から少し伸びています。

 これからの成長にご期待ください!

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