ドーナと夜の街へ
エルフの国へと戻った後、しばらくゆったりと時間を過ごしていた時、俺はドーナに声をかけた。
「それじゃ、ドーナちょっと外でも出歩こうか。」
「あ、あぁ!!」
「いってらっしゃい2人とも。」
ランに見送られて、俺とドーナは屋敷の外へと踏み出した。
「さて、今日はどこに飲みに行こうか。ドーナの行ってみたいところとか、あるか?」
「アタイかい?あ〜……本当なら王都にある酒場にでも行ってみたかったんだけど、今はあんな状態だからねぇ。」
「なら、せっかくだし獣人族の国の酒場とか行ってみるか。」
「そいつは名案だねぇ。行ってみようかい。」
今回のドーナがリストに書いていたこと……それは俺とどこかのお店で2人でお酒を飲みたい。とのことだった。
「それじゃ、いざ獣人族の国へ。」
ドーナの手を握って、俺は転送の結晶を握りしめ、獣人族の国へと向かった。
獣人族の国の王都へとやってくると、もう夜ということもあり、昼の雰囲気とは打って変わって夜の街へと変貌を遂げていた。
「やっぱり夜になると街の雰囲気も一変するな。」
「特にここは賑わってるからだけど、夜の姿になった街も凄いねぇ。」
ドーナと2人で夜の街を歩いていると、ふと前から見知った人物が2人……手を繋ぎながら歩いてきた。
「あれ?……あれはっ!?」
「み、ミースじゃないかいっ!!」
前方から歩いてきたのは、なんと驚くべきことにシンと手を繋いで歩いているミースだったのだ。
「あっ、お2人さん奇遇ですねぇ~。」
「む、ヒイラギにドーナであるか。こんな時間に出会うとは奇遇であるな。」
「聞くまでもないと思うけど、お2人さんは何を?」
「実はシンさんのお誘いで、ここのいろんなお酒が飲めるお店を案内してもらっていたんです。」
「なるほどな。」
どうやら2人の関係はあの後もちゃんと続いていたらしい。それに普通に手まで繋いじゃってるし、関係は良好の様だ。
「ヒイラギさんとドーナさんは何をしていたんですか?」
「あぁ、俺たちもちょうど美味しいお酒が飲めるお店を探していたところだったんだ。」
「それならば、今から我らが向かう店に共に来るか?我の行きつけの店なのだが……どうだ?」
「どうするドーナ?」
「アタイは別に構わないよ。ここの街のことは王様の方が一番わかってるだろうしねぇ。」
「ん、じゃあご一緒してもいいかな?」
「ぜひぜひ~、こちらこそお願いします。」
こうして急遽獣人族の国にてダブルデートが始まったのだった。
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