永久半額券
バフォメットを護衛として雇い、エミルの市場の一角を借りて、ハリーノ達はいつものように営業を始めた。
ありがたいことに客足は良く、気付けば行列が出来上がってしまっていた。お客さんもバフォメットの存在に驚きはするものの、アイツが首にぶら下げているエミルのギルド所属という文字と、ミースの判子が押してあるプレートを見て一先ずは安心してくれているようだ。
「よし、それじゃみんなあとは任せるぞ。俺はミースと話してくるからな。」
あとの営業に心配もなさそうだったので、ハリーノ達にお店を任せてから俺はギルドへと戻った。
そこでは朝食の続きを食べているミースがいたが、ウォータードラゴンはいつの間にか姿を消していた。
「あれ、ベールはどこに行ったんだ?」
「あ、ベールさんは魔物討伐に行っちゃいました。」
「そうか、彼女もすっかり冒険者らしくなったな。」
「もう難しい依頼でもサクッとこなして来てくれますから、凄く助かってますよ〜。」
そう言いながら、ミースは満面の笑みを浮かべている。お互いにWin-Winの関係を築けているようで何よりだな。
「さて、それじゃあ……バフォメットを護衛に雇う報酬の話なんだけど、さっき良い案を思いついてな。」
俺はついさっき作った、とある券をミースに見せた。
「それは……なんですか?」
「
そう問いかけると、ミースは半額券を手にしていた俺の手を、両手で強く握ってきた。
「それで契約しましょう!!」
目をキラキラと輝かせながら、鼻息を荒くしているミース。
「よっし、それじゃあそういうことで……これはミースのものだ。」
「わぁ……ありがとうございます!!」
半額券を受け取ると、ミースはそれを大事そうにしまっていた。
「一応ハリーノ達にはその券のことを話してあるけど、まだ獣人の国の社員の皆には伝えてないから、向こうでは使えないってことだけ気を付けてな。」
「わかりましたっ。えへへ、これから毎日美味しいお菓子が食べ放題……。」
頭の中をお菓子でいっぱいにして、今にもよだれを垂らしそうになっているミース。
売っているお菓は、特にカロリーとかを気にして作ってるものじゃないから、食べ過ぎにはくれぐれも気をつけて欲しいものだな。
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