ギガントオクトパスのたこ焼き


 たこ焼き器をしっかりと洗って、乾かしている間にたこ焼きのメインである……ギガントオクトパスを調理していこう。


「まずはこの足を下茹でしないとな。」


 鍋に入るぐらいの大きさに足を切り分けて、それを沸騰した大鍋で身が引き締まるまで茹でる。茹でたら水には当てずに、団扇でパタパタと扇いで粗熱を取る。


「そしたらこれを一口サイズに切り分けてボウルに入れていく。」


 この足一本からでもたこ焼き1000個分ぐらいに相当する量がとれるのではないだろうか……。まぁでもたこ焼きって意外とパクパク食べるものだし、ランとかレイとかグレイスはドラゴンの胃袋をしてるからな。下手したら普通に1人で100個とか食べかねないからな。


「よし、ひとまずこのぐらい用意できればいいだろう。後は天かすとネギ……紅しょうが、たこ焼きのソースを準備しておこう。」


 そしてたこ焼きに必要な材料を準備したところで、早速みんなの前でたこ焼きを焼いてみようと思う。


「はいはい、みんなお待たせ。」


「来たかっ!!」


 俺がたこ焼き器の前に立つと、師匠とイリスが真っ先にこちらに駆け寄ってきた。


「じゃあ早速焼いていくぞ~。」


 集まってきたみんなの前でしっかりと油を馴染ませた、たこ焼き器の窪みに生地を流し込んだ。たこ焼きというものを知らない面々は物珍しそうに眺めている。


「次はここにタコとその他の具材を入れて……ほいクルっと。」


「「「!?!?」」」


 たこ焼きをくるくるとひっくり返していくと、何がどうなっているのか理解できずにいる面々は目を丸くして驚いていた。


「あとはここに少し油を流して、揚げ焼きにするように表面をカリッと仕上げていく。」


 焦げないようにくるくるとたこ焼きを回しながら、表面をカリッと仕上げた後に、それをお皿にとって自作のたこ焼きソースとマヨネーズ、鰹節に青のりを振りかけてやれば……。


「はい、おまたせ。これがたこ焼きだ。」


 盛り付けたたこ焼きを一人一人に手渡していく。


「へぇ~、丸っこくてかわいいのね。」


「これですよこれっ、私が見たものと全く同じですっ!!た、食べてみてもいいですか?」


「一応言っとくけど、めちゃくちゃ熱いから気をつけて食べるんだぞ?」


 そう注意していると、俺の服の裾がクイクイッとシアとメリッサに引っ張られた。


「お兄さん!!シアも食べた~い!!」


「ちょうだいっ…ちょうだい!」


「二人はもうちょっと冷めてから食べような。ちょっと熱すぎるからな。」


 ぽんぽんと二人の頭を撫でてから、俺はカリンとマドゥにもたこ焼きを手渡した。


「はいどうぞ、熱いのでしっかりとふ~ふ~して、冷ましてから食べてくださいね。」


「うむ、感謝するぞ社長。」


「ありがとうございますヒイラギさん。」


 みんなにたこ焼きを配り終えて、シア達のためにたこ焼きを冷ましていると、我慢できずにパクっとたこ焼きを食べてしまった食いしん坊たちが、口元を必死に押さえながら熱さに悶絶していた。

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