長い一日の終わり
今日という長い1日を終えて、俺はやっとエルフの国へと帰ってきた。
「今日は1日がすごく長かったような気がするな。」
久しぶりに、肩に疲れがどっとのしかかっている。その足で歩いて、みんなが待っている屋敷へと帰り、玄関の扉を開けた。
「ただいま。」
「お兄さんおかえりなさい!!」
「ぱぱ…おかえりっ!」
俺が帰ってくるのをずっと待っていたのだろう。シアとメリッサの2人が勢い良く飛び込んできた。
「2人とも、ご飯はちゃんと食べたか?」
「うん!!ドーナお姉さん達が美味しいご飯作ってくれたよ!!」
「そっかそっか、それは良かった。」
2人の頭を撫でていると、ドーナ達も奥から姿を現した。
「ヒイラギお帰り。レイから事情は聞いたよ、大変だったね。」
「あぁ、なかなか王都の被害は大きかったよ。」
「その王都に魔物が溢れ出した原因は何だったの?普通、魔物の大量発生って自然界で起こることだと思うのだけど。」
「その辺は座ってから話すよ。ほら、シア達も待っててくれるのは嬉しいけど、あんまり夜更かししちゃ駄目だぞ〜。」
「「は〜い!!」」
シア達を寝かしつけてから、ドーナ達と1階のリビングに集まった。
「よいしょ〜っと……はぁ〜、今日は疲れたなぁ。」
ようやく心も体も休めるところに座ると、体から一気に力が抜けていく。
「お疲れの様子じゃの……主。」
今日は俺の隣の席を勝ち取ったレイが、トクトクとコップにお酒を注いでくれた。
「ありがとう。」
それを一口飲んでから、俺は王都で起こったあの事件のことについて皆に話した。すると、あの首謀者の女のことを話していた時に、師匠が目を細めていた。
「柊、その女っていうのは……なんというか、あはぁ〜んとか、うふぅ〜ん……みたいに語尾を伸ばして話してなかったか?」
「そ、そこまで誇張された感じではなかったですけど……まぁ語尾は伸ばしてましたね。」
「なら間違いなく、そいつは
「あら、シズハの知り合いなの?」
「知り合い……んん〜、まぁ一度顔を見て軽く話した位の間柄だ。あいつは死の女神の幹部の中でも、一番顔を見せない奴なんだ。」
「師匠はそいつに関して何か知ってることとかあります?」
「ほとんど知らないな。ただナルダから一度聞いた話では、何やらあらゆる毒を操るとか聞いたことはあるが、それぐらいだな。」
「あらゆる毒を…。」
かなり大事な情報だな。その情報さえ分かっていれば、そのニールっていう幹部の対策もできるかも……。
などとそんなことを考えていたら、お酒の酔いが一気に回ってきて、強烈な睡魔が襲い掛かってきた。どうやら薬物耐性がいつの間にかオフになっていたらしい……な。
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