カリン達が用意していたもの
今晩の宴会へ向けて、料理の仕込みや酒の用意などを終えると、ハウスキットの扉を誰かが叩いた。
「はーい!!」
それに反応して、シアとメリッサが扉を開けると、そこにはマドゥとユリが立っていた。
「あれ?マドゥくん、どうしたの?」
「あ、シアちゃん、メリッサちゃん。ヒイラギさん……いる?」
「ぱぱ!まどぅきたよ。」
飲みかけのコーヒーを置いて、俺も対応に向かう。
「二人ともいらっしゃい、どうしたんだ?」
「あ、社長。母上からの伝言を伝えに来たんだ。」
「伝言?」
「うん、会場は用意しておいた。今は少し手を離せない故、後でフィースタと共に向かう。……だそうだ。」
「そっか、わかった。じゃあみんな、今から夕食の会場に行くぞ〜。」
ユリの案内のもと、俺達はカリンが用意してくれたという会場へと向かう。会場には幾つか椅子とテーブルが用意してあった。
「じゃあみんなはここに座っててくれ。俺は準備しちゃうから。」
配置されたテーブルにカセットコンロと鍋、後は料理と酒を一つ一つ並べていく。
「よっし、まぁこんなもんかな。」
一通り並べ終え、カリンとフィースタの事をみんなで談笑しながら待っていると、カリンの屋敷の方から小走りで二人が瓶を一本大事そうに抱えながら走ってきた。
「すまない、待たせてしまったようだな。」
「お待たせ致しました。」
「全然大丈夫ですよ。」
「実は社長に飲んでほしい酒を調達してきたのだ。」
「俺に飲んでほしい酒……ですか?」
「あぁ、此方とフィースタ二人で厳選してきたものだ。あまりにも酒精が強すぎる故、社長意外には勧められぬ。」
チャポチャポと、カリンは手にしている瓶の中に入っている液体を揺らした。
「よ、よくそんなお酒見つけてきましたね。」
「これも全て社長を堕とすため。今日は絶対に酔い、堕ちてもらうぞ!!」
「はは……お、お手柔らかに。」
そして全員席に着き、鍋がカタコトと音を立て始めた。
「おっ、鍋も沸いたな。」
沸いてきた鍋の蓋を外すと、辺りにブワッといい香りが一気に広がった。
「よ〜し、それじゃあ食べよう。」
俺が手を合わせると、みんなも一斉に手を合わせた。
「いただきます。」
「「「いただきまーす!!」」」
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