支援一日目終了
シンがここに訪れてアプルのコンポートを買っていったことにより、更に集客に拍車がかかり、あっという間に用意していた250個もの在庫が完売してしまう。
「うんうん、初日は完売……順調な滑り出しだ。」
ただ、今のままのラインナップじゃ、今日来てくれたお客さんは明日は来ないだろう。販売したアプルのコンポートは、一日でなくなる量ではない。まぁ、だいたい三日四日は継続して食べられるはずだ。
だからこそ、明日はまた一つラインナップを追加する予定だ。
「それじゃあ院長、これが今日の売上金だ。ちょうど金貨10枚分入ってる。」
硬貨が大量に入って、ズッシリと重い皮袋を院長へと手渡した。
「こ、こんなにたくさん……ほ、本当にもらっても良いんですか?」
「大丈夫、俺達の給料はもう差し引いてあるから。」
今日の俺達の分け前は250個売った内の、50個分をこちらの取り分としてもらった。正直あまり多くはないが、あくまでも今日はお試しだったからな。明日はもっと数を多く用意して……売り場所も変えよう。
「後はこれ、子供達が頑張ったご褒美に。」
今度は子供達へのご褒美として用意していた、大量のお菓子を手渡した。
「まぁ、こんなに至れり尽くせり……ありがとうございます。」
「全然良いんだ。それじゃ、俺達はこの辺で……また明日来るよ。」
そして俺達は院長と子供達に見送られて、孤児院を後にした。
「さぁ〜て、みんな今日のところはお疲れ様だったな。慣れない事をやったから疲れたんじゃないか?」
「子供達が危ないことをしてないか、常に気を配っていたから……普段の倍ぐらい疲れた気がするぞ。」
そう正直に言ったユリ以外の面々にも、表情に少々疲れの色が見える。あのボタンでさえ、少し疲れているようだった。
「それじゃ、みんなでこのお金を使ってご飯でも行ってきたらいい。」
俺は今日の取り分として差し引いたお金をユリに手渡した。すると、ユリはギョッと驚いて目を大きく見開いた。
「こ、これ今日のアタシ達の売上なんじゃ……。」
「その分は俺が補填しておく。だから何も気にするな。」
「で、でも……。」
「これは
「じゃ、じゃあ社長も一緒に来たら良いだろう?こ、こんなにたくさんお金があるんだから……。」
「俺はちょっと寄らなきゃいけないところがあるからな。悪いがパスだ。みんなでちょっとした贅沢をしてくれ〜。」
「あっ!?社長っ!!」
護衛として付いてきてくれていた兵士に彼女達の事を任せ、俺は逃げるように走って、ある場所へと向かうのだった。
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