クラーケンをふんだんに使った献立
みんなでココアを飲んでほっこりと温まったところで、俺は今日の夕飯の準備を始めた。
「今日の夕飯のメニューは……クラーケンのお刺身とイカ焼きにイカフライ、後は串で止めてイカリングも作ってみるか。」
さてさて、そうとなればまずは切り出しから始めよう。
「お刺身用の小さめの柵と、イカ焼きとイカフライ用の分厚い柵……イカリング用に長い柵が欲しいな。」
クラーケンの身をまな板に置いて、一つ一つの料理に合った大きさへと切り分けていると、俺が何をしているのか気になったらしいシア達が近付いてきた。
「お兄さん、それ何〜?」
「これはクラーケンっていう、大きなイカの魔物のお肉だ。」
「「イカ?」」
シアとメリッサの二人は揃って首を傾げていた。
「何て説明すればいいのかな。足がたくさんある、海の生き物なんだ。」
「あ、足がたくさん!?」
「なんか…こわい。」
「ははは、そんなに怖い生き物じゃないよ。寧ろ意外と可愛げがあって、美味しい生き物なんだ。」
「美味しいならシア好きっ!!」
さっきまで怖がっていたというのに、美味しいと聞けば、シアは目を輝かせている。
「しあちゃん…しょうじき。」
「だって美味しいものは大好きだもん!!メリッサちゃんもそうでしょ?」
「うん。」
そして二人は顔を合わせると嬉しそうに笑っていた。すると、そこへさっきまで昼寝をしていたグレイスがふらふらと飛んでくる。
「ふぁぁぁ……もうすぐ夕食っすか〜?」
「あぁ、今日倒したクラーケンを早速夕食に使うぞ。」
「ってことはやっぱり美味しかったっす!?」
「それはグレイスが食べてから判断してみてくれ。」
「うへへへぇ、楽しみっすねぇ〜。」
今にもよだれを垂らしそうなグレイスをじっと見つめながら、メリッサが口を開く
「ぐれいす…よだれ。」
「はっ!?ま、またやっちゃいそうになってたっす。」
メリッサの指摘を受けて、グレイスはいそいそとよだれを拭った。そんな集まった三人に俺はあることをお願いする事にした。
「それじゃ、みんなにちょっと料理を手伝ってもらおうかな。」
「お手伝いするっ!!シア何すればいいの〜?」
「わたしも…やる!」
「自分が手伝えることならやるっす!!」
「ありがとう。みんなにお願いしたいのは、この長いイカの両端を、こんな感じに串を打ってほしいんだ。」
一度お手本を見せると、三人はすぐに俺を真似て作業を手伝ってくれた。お手伝いのご褒美をちゃんと考えておかないといけないな。
っと、さて……シア達がイカリングの仕込みは手伝ってくれてるから、俺はその他の仕込みを終わらせよう。
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