レスト封鎖
買い物を一通り終えて、関所を出る時に数日の間一般人のこの街への立ち入りと、この街の外へと出ることを制限するように兵士に伝えた。これももちろんエートリヒから許可はもらっている。
必要ならば街を数日の間封鎖しても構わない……とそういう約束を交わしていたのだ。もちろんそれもさっき兵士に見せた紙に書いてある事項だ。
「とりあえず、これでこの街は一先ず大丈夫なはずだな。」
「他にも潜伏してるやつがいなかったら大丈夫だね。」
「その可能性も無いことはないんだよな。」
まだ情報の集まっていない犯罪者が、この街に隠れている可能性は拭いきれない。だが、一先ず情報として挙がっていた二人は捕まえられたから、一旦は良しだ。
その最悪の可能性も考えて、この街を一時的に封鎖させてもらったんだ。
「ま、今日のところは成果もちゃんと出したから帰ろう。シア達もお腹をすかせて待ってるはずだ。」
「そうね、ワタシ達も魚の処理の仕方を教わらないといけないし。」
「うむ、では帰るぞ。」
パチンとレイが指を鳴らすと、俺達の足元に魔法陣が現れ光を発した。その次の瞬間には、俺達はカリンからもらった屋敷の目の前に転移してきていた。
「やっぱりその転移魔法便利だなぁ。」
「覚えたいのであればワシが懇切丁寧に教えるぞ?」
「ちなみに普通に頑張って覚えるってなるとどのぐらい時間がかかる?」
「これは覚えが早い、遅いがあるからのぉ〜。まぁ、普通の人間であれば
「50年…………うん、遠慮しとく。」
「なぜじゃ!?」
「いや、あんまり自分で言うのもアレなんだが、俺はなかなか技術とかを覚えるのが遅くてな。何回も何回も普通の人よりも繰り返して、やっと覚えられるぐらいなんだ。」
それに、50年という膨大な時間をかけるよりも、レイと同じように転移魔法を持ってる魔物を倒して、その宝玉を取り込んだほうが多分早い。
「うむむ……そうか。じゃが気が変わったらいつでも言うのじゃぞ?」
「あぁ、その時はよろしく頼む。」
「お、おぉ。」
ポン……とレイの頭に手をおいて、俺はみんなと一緒に屋敷の中へと入った。
「ただいま〜。」
「「お帰りなさ〜い!!」」
扉を開けて中に入ると、シアとメリッサが同時に飛び込んでくる。
「二人ともお腹へったろ?今御飯作るからな。」
「お兄さん!!今日のご飯何?」
「今日はシアの大好きなお魚だ。」
「ホント!?やったぁ!!久しぶりのお魚〜♪」
「わたしも…おさかな…すき!」
「今日はドーナとランが頑張るからな。期待しててくれ。」
そして夕食を作るために、コックコートに着替え、ドーナ達とともキッチンへと向かった。
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