用意されていた超巨大魚
今日の宴会の料理に使う食材を選んで、俺はメイドさん達と共に厨房へと入った。
「うん、とんでもない量だ。」
宴会が大人数ということもあって、食材も超大量で種類も豊富だ。役割分担して、手際よく調理を勧めよう。
「それじゃあ、野菜を切る担当と盛り付ける担当に分けよう。俺は魚をさばく。」
「「「承知しました。」」」
一通りどんなふうに野菜を切るのかを教えると、すぐに彼女たちは作業に取り掛かる。一つの担当でもそこからさらに彼女たち自身で役割を分割し、効率を上げている。
「さて、じゃあまずはアンゴロウからだな。」
氷と一緒に箱に詰め込まれているアンゴロウを一匹一匹、丁寧にぬめりをとってさばいていく。大体一口サイズに切り分けた後、盛り付け担当のメイドさんのところに持って行った。
「この鍋にまずは野菜を敷き詰めて、その上にアンゴロウを並べるんだ。」
たくさん野菜を敷き詰めた後、処理されたアンゴロウをその上に並べていく。アンゴロウを丸々一匹使っているため、これだけで鍋がぎちぎちにいっぱいになってしまう。
「うん。後はどんどんこれと同じように盛り付けてくれ。」
「承知いたしました。」
彼女たちが野菜を盛り付けている間に、俺は次の作業に取り掛かる。
「ふぅ、まさかこんなものまで用意しているとはな。」
巨大なまな板の上に乗る、超巨大魚……それはマーレで最も美味しい魚と評されているブラックファッティだった。この前俺たちが買ったものよりも一回りほど大きい。
「何キロあるんだこれ……この大きさは出刃包丁じゃちょっと荷が重いかな。」
俺はバッグから魔包丁レヴァを取り出した。やっぱり、前に使った時よりも刀身が赤くなっているような気がするな。
「これも刀身は短いが……圧倒的な切れ味でごり押せる……筈だ。」
そして俺がレヴァに魔力を込めると、奇妙な現象が起こった。
「ん!?」
魔力を込めると、ぐんぐんと刀身が伸びていくのだ。そして最終的に刀身が約80㎝程まで伸びてしまった。
「どうなってるんだこの包丁は……。でも刀身が長くなってくれたのは今はありがたい。」
巨大なブラックファッティの身にレヴァを当てると、硬い表皮にあっさりとレヴァは沈みこんだ。
「はっ、流石は魔包丁。切れ味が普通じゃない。」
そのままブラックファッティを5枚下ろしにする。後はここから柵取りだ。これだけでも相当な時間がかかりそうだ。
しかし、自由自在に刀身を伸ばしたり縮めたりすることができるようになってしまったレヴァのおかげで、意外とスムーズにブラックファッティの解体は進むのだった。
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