大人の魅力の神髄


 女性陣side


「大きいお風呂ね~。」


「アタイも貸し切りの風呂に入るのは初めてだけど、こんなに広々してるもんなんだねぇ。」


「ヒイラギさんが一番広い温泉を貸し切ってくれましたからね。」


 ヒイラギが貸し切ったのは、この施設で最も高く広い温泉。想像よりもはるかに大きな温泉に女性陣は驚いていた。


「さ、シアとメリッサはこっちよ~。体洗ってあげるわ。」


「「は~い!!」」


 ランとドーナに連れられて、シアとメリッサは体を洗ってもらいに行った。


「さて、じゃあ私は一足先にお風呂に入ろうかしらね。」


「ボクも~!!」


「お供いたします、お嬢様方。」


 自分で体を洗ったリリン達は一足先に湯船に体を浸していた。彼女たちの隣にイリスが体を沈めると、リリンとフレイの視線がイリスの胸へと降り注ぐ。

 その視線に気が付いたイリスはにこりと笑いながら二人に問いかける。


「ふふっ、私の胸がどうかしましたか?」


「なな、な~んでもないわ。」


「ぼ、ボクはまだ成長期だもん。きっといつかは大きくなる……はず。」


 二人はイリスの胸と自分の胸を比べて、劣等感を感じているようだった。


「なんじゃ、そんなに胸を見て。不思議なことでもあるか?」


 そんなやり取りを見ていたレイが湯船につかると、再びリリンとフレイの視線がレイの胸に注がれる。するとイリスの時の反応とは打って変わって、二人は安堵のため息を吐いたのだ。


「はぁ、安心したわ。あなたはなのね。」


「仲間~!!」


「な、なんじゃ……妙にバカにされておるような気分じゃ。」


 そんなやり取りをしているレイたちのもとに、シアとメリッサの体を洗い終えたランたちがやってきた。歩くたびに揺れるドーナとランの豊満な胸に、リリンとフレイの視線が釘付けになる。


「か、格が違うわ……。」


「何を食べたらあんなに大きくなるんだろ。」


「な~によ、人の胸をそんなに見て~。ちょっとエッチよ?」


「さ、さすがに恥ずかしいよ。」


 見られていても恥じらう様子はないランだが、ドーナは流石に恥ずかしかったらしく、胸を両手で覆い隠してしまった。それでも尚零れ落ちそうになってしまっている様子を見て、リリンとフレイが仰向けに倒れてしまった。


「お、大人の魅力……神髄はそこにあったのね。」


「うぅ…ぐすっ、ボクだって大きくなれるもん。」


「な、なんかゴメンよ。」


 撃沈している二人に思わず申し訳なくなって、謝ってしまうドーナ。


 こんなやり取りの意味を分かっていない、純粋なシアとメリッサの二人は、温泉に浸かりながら心地よさに酔いしれていた。


「えへへ~、気持ちいいねメリッサちゃん!!」


「うん…きもちいい。おふろ…すき。」


 現実を突き付けられた者が若干名いたが、皆一様に温泉に浸かって疲れを癒していたのだった。

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