期待に沿った一品


 出来上がったシーデビルのステーキとご飯、そしてスープをいつものテーブルに運んでいると……。


「肉だぁ~!!」


「凄いおっきいっす!!」


 肉が大好きな二人がはしゃぎ始めた。二人とも、ヨダレ垂れそうになってるぞ。


「これがあれかい?ランの言ってたシーデビルとかいうヤツの肉かい?」


「そうだ。今回は尻尾の分厚い肉のところをステーキにしたんだ。」


 残ってる骨付きの腹の部分とかは、スペアリブステーキにでもしようかな。タンドリー風に味を染み込ませておこう。


「ヒイラギ、我はもう我慢の限界だ!!早く食いたいぞ!!」


「自分も早く食べたいっす!!」


「わかった、じゃあ食べようか。」


 いつものように、みんなで手を合わせ……。


「「「いただきます!!」」」


 その一言を合図に、みんな一斉にシーデビルのステーキを食べ始めた。


「さてさて、シーデビルの味はいかがなものかな。」


 ナイフで肉を一口サイズに切って、フォークで口に運ぶ。食感はかなり柔らかい。鶏肉に近いかな?


 だが、普通の鶏肉とはうま味が段違いだし、何より半端じゃなくジューシーだ。


「美味いな。噛む度に甘い肉汁がジュワと出てくる。」


「ふふ、それに大きいから食べごたえがあって美味しいわ。ありがとねヒイラギ。」


 肉を大きく切り分けて、口いっぱいにランは頬張っていた。とても美味しそうに食べてくれている。


「期待に添えたようで良かったよ、たくさん食べてくれ。」


「うん!!もちろんよ!!」


 そしてみんな大きなステーキに大満足して、夕食を終えた。また今度、塊の肉が手に入ったら、こういう豪快な料理をやってもいいかもしれないな。


「ふにゃあ〜、お腹いっぱ〜い。」


「わたしも……。」


 シアとメリッサの二人は、敷かれた布団の上にごろんと寝っ転がり、膨らんだお腹をポンポンと撫でていた。すると次第に、二人の目がトロン……と蕩け始め、数分後には気持ち良さそうに寝息をたてていた。


「シアちゃんとメリッサちゃん、とっても気持ち良さそうに寝てますね?」


 二人の寝顔を見て微笑みながらイリスが言った。


「お腹いっぱいになったから、眠くなっちゃったんだろ。」


 風邪を引かないように二人の上から毛布をかける。本当に気持ち良さそうに寝てるな。こういう日常が毎日続けばいいんだが……。


 幸せそうに、気持ち良さそうに寝てる二人を見て、心の底からそう思うのだった。

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