姉妹喧嘩その弐
夕食を食べ終わると、ウォータドラゴンはお礼を言って上機嫌で湖へと帰っていった。
「相変わらずよく食べてったわねあの子。」
「あぁ、あの食いっぷりは見ていて気分がよくなるな。」
あれだけ美味しそうにたくさん食べてくれている姿を見ると、本当に嬉しくなる。料理人冥利に尽きるってやつだな。
「ぱぱ…いっぱい…たべたほうが…うれしい?」
「嬉しいに決まってるさ。でも、一番は美味しく食べてくれていることの方が嬉しいぞ。」
「ほっ…よかった。」
メリッサはホッと息を吐き出して胸を撫で下ろした。彼女みたいにとんでもない量食べないと、喜んでもらえないと思っていたのだろうか?
確かに多く食べてもらえるのは嬉しいが、あの量を辛そうに無理して食べている姿はとてもじゃないが嬉しくは思えない。俺はただ、美味しく食べてもらえればいい……それだけだからな。
「にしても失礼なやつだったわ!!今度会ったら見返してやるんだから!!」
「ぷっ…くく、あんなに子供扱いされてるお姉様は初めてみたよ~。」
プンプン怒っているリリンを見て、フレイは腹を抱えて笑っていた。
「つ、次は私が大人ってことを見せつけてやるんだから……ぜ、絶対に。」
「それは無理じゃないかなぁ、お姉様とあの人とじゃ……ねぇ?こことかの発育も違うし。」
フレイはリリンの胸をツンツンと突いた。
「こ、これからきっと大きくなるに決まってるわ!!」
「ふぅん?もうボクにも負けてるのにぃ?」
フレイは自分の胸を強調するように、胸を張ってリリンの目の前に立った。
「大して変わりないじゃない!!ほら!!」
「そんなことないっ、よく見てよ!!」
そしてまたまた二人の姉妹喧嘩が始まってしまった。
「あの二人も本当に仲がいいわよね~。」
「胸なんて戦うときに邪魔にしかならないんだけどねぇ…。」
ドーナが自身の胸を持ち上げるようにして言った。その言葉に敏感に二人は反応する。
「「
「う、うしちちって……。」
リリンとフレイの二人に
「ねぇ!!あなたは私とフレイ、どっちの方が大きいと思うのよ?」
「もちろんボクだよね!?ほ、ほら触ってもいいんだよ?」
「二人とも一回落ち着けっ。」
二人を一度落ち着かせるために、おでこに軽く手刀を当てる。
「そんなに胸を大きくしたいなら、これを飲め。」
俺は二人の前にある飲み物を差し出した。
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