昼ご飯戦争


 再び意識が吸い込まれる感覚が体を襲った。そして目を開けると、目の前には掃除したお陰で綺麗になった女神像があった。


 ふと周りを見渡すとドーナ達はまだ目をつぶって祈りを捧げているようだった。


「さてみんなそろそろ行くか。」


「あれ?今お祈り始めたばっかだけど、こんなんでいいのかい?」


「あぁ、もう大丈夫だ。」


 アルの安否も確認できたし、後のことはシンとよく相談しないとな。彼は話がわかるやつだ。ちゃんと話せばきっと動いてくれるだろう。


「ねぇねぇお兄さん。」


「ん?どうしたんだ?」


「シアお腹減ったの~。」


 シアは自分のお腹を両手で押さえて言った。


 おっと、もうそんな時間だったか……それに掃除して動いたからお腹が減ったのかもしれない。


「シアだけじゃないわよ?ワタシもお腹減ったわ。」


「掃除で結構体を動かしたし、そろそろお昼の時間だからねぇ~。」


「自分もお腹減ったっす!!」


 どうやらみんなお腹ペコペコらしいな。


「それじゃあ何か食べたいものはあるか?」


 そう問いかけると真っ先にランが手を挙げる。


「はいはーい!!ワタシ、シアが前に言ってたオムライスって料理が食べたいわ!!」


「あ、アタイはナポリタンがもう一回食べたいねぇ。」


 おっと、これは珍しく意見が割れたな。


「ちょっとドーナも前オムライス食べてみたいって言ってたじゃない!!」


「確かに食べたいけど、今はナポリタンをもう一回食べたい気分なんだよ!!」


 今にも二人は取っ組み合いの喧嘩に発展しそうだ。お互いに引くつもりはないらしい。


「まぁまぁ二人ともそんなに喧嘩するな。ちゃんと二人の要望にあった料理を作るから。」


「「えっ!?」」


「ちょうどいい料理があるんだよ、実はな。」


 二人の食べたいものを同時に食べることができる都合の良い料理が実は存在する。それがだ。


「シア達もそれでいいか?」


「うん!!」


「大丈夫っす!!」


「二つの料理を一度に食べられるなんて、なかなか贅沢ですね♪」


 よし、じゃあ決まりだな。今日の昼御飯はオムナポリタンだ。

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