ミクモお姉さん
「とりあえず妾が知っておることはそんなもんじゃな。」
「いや十分だありがとう。」
十分な情報も集めることができた。ミクモも作業を始めないといけないだろうから、そろそろお暇するとするか。
「さて、それじゃそろそろお暇するよ。」
「なんじゃ、もう行ってしまうのかの?」
「仕事の邪魔をしちゃ悪いからな。」
俺は肝心のミストゴートの毛皮を取り出してミクモに手渡した。
「素人だから毛の状態どうこうはわからないが…取りあえずこれで頼む。」
「どれ見せてたも。」
ミクモに毛皮を手渡すと、何やら小さいルーペのような物を取り出して眺め始めた。
「ふむ……若干毛が少し逆立っておるのぉ~。このミストゴートは相当怯えて死んだようじゃな。」
「逆立ってるとなんかまずいか?」
「いんや、妾の腕に掛かればこの程度何も問題はない。にしてもじゃ、ミストゴートは臆病な魔物ではあるが、妾が討伐した時でさえこんなに毛が逆立つようなことはなかったぞ。」
となると相当このミストゴートはシアに対して怯えたんだな。まぁシアはステータスお化けだからな。服を破かれたことに対して感情的になったときに、圧倒的なステータスの片鱗でも感じ取ったのだろう。
誰だって自分に確実な死の予感が迫ってきたらそうなってしまっても仕方ない。
「まぁそのほかは何にも問題は無い。解体の時にもあまり血が飛んでおらんようじゃしの。」
「そんなことまでわかるのか?」
「当り前じゃ、下手な解体師が解体すると毛根に血だまりが残っていたりするのじゃ。この毛皮を見たところ、相当腕のいい解体師が解体したものだとわかる。ま、今のこの国じゃとグリズ辺りか。」
おぉ、解体した人物までドンピシャで当ててる。この辺は流石としか言いようがないな。
「まぁ後は妾に任せるのじゃ。」
「
「妾のことを……
「……?お姉さんじゃおかしいの?」
「いんやそれでよいのじゃぞ~♪むっふっふ、そんな風に呼ばれたのは久しぶりじゃのぉ~。よい子にはご褒美じゃ~。」
お姉さんと呼ばれたことがうれしかったらしく、ミクモはシアのことを撫でまわしていた。当のシアは何が何だかわかっていないようだったが、気持ちよさそうにしている。
その後ミクモはしばらくニヤつきながら、シアのことを撫でまわし続けていた。
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