ランとデート
翌日…。
「ん~っ、今日もいい天気ね♪」
「あぁ、出歩くには最高だな。」
朝起きてすぐに俺はランに連れられて、王都の街中へ来ていた。
「さて、ランはどこか行きたいところとかあるか?」
「そうね~……。」
すこしランは考え込んだ末、ある結論に至った。
「ワタシはヒイラギと一緒にいれればいいから、ヒイラギが行きたい場所に連れてってくれる?」
「そうか、もし行きたい場所が思い付いたら言ってくれよ?」
「もちろんよ~♪それで最初はどこに行くの?」
「そうだな、せっかく朝もまだ早いから、ここの市場に行ってみたいな。」
獣人族の市場には何が並ぶのか前々から気になっていたのだ。料理人の性というものなんだろうな。決してデートで行くような場所ではないとはわかってはいるので、もしランが嫌なら別の所に行こう。
そう思っていると……。
「あらいいんじゃない?美味しいものを探すってことよね、そういうのワタシ好きよ?」
「本当か?嫌だったら遠慮なく言ってくれよ?」
「さっき言ったじゃない?ワタシはヒイラギと一緒にいれればそれで構わないの。それにワタシは人間がデートで行きたい場所なんて知らないし~。っていうわけだから。さぁさぁ♪早く行きましょ?時間が勿体ないわ~。」
グイグイとランに手を引かれ、市場の方へと歩きだした。
しばらく歩くと活気のある声と市場独特のあの匂いがしてきた。この匂いはどこも変わんないんだな。
「さぁ着いたわね。」
「王都の市場だけあってかなり大きいな。ん、あそこに案内図があるから見てみようか。」
市場の入り口にどこに何があるのか示している看板があったので、それを見てみることにした。
「なるほど…ここの市場は大きく三つのエリアに区分けされてるんだな。」
ここの市場は青果と鮮魚、そして肉類を売っているエリアがしっかりと区分けされていた。
「まずはどこから行く?」
「そうだな、まずは青果を見に行こうか。」
「甘くて美味しい果物があるといいわね~。」
「あぁ、楽しみだ。」
そして俺とランは青果のエリアへ向かった。近付くにつれて、どんどん果実の甘い香りがしてくる。
「ここから先が青果エリアだな。」
目の前にズラリと果物や野菜を売っている店が並んでいる。
「凄いいっぱいお店があるわね。こんなにたくさん物があると目移りしちゃうわ。」
「時間はある、ゆっくり見てみよう。取りあえずまずはそこの店を見てみるか。」
俺達は店頭に色とりどりの果物が並べられているお店に近づいていった。
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