二人のお願い
体の芯までポカポカに温まり、汗も流せてスッキリした気分で脱衣場で着替えをしていた。
「ふぅ~、気持ちよかった。今日の服は…おっ、いつものやつだ。」
今日用意されていた服はこの国に来たときに着ていた服だった。砂ぼこりや返り血でだいぶ汚れてしまっていたはずだが、返ってきた服にはそんな汚れは一切なく、とても綺麗になっていた。
「綺麗になってる、ありがたい。」
後でレイラにお礼を言わないとな。そう思いながら着替えを終えた俺は脱衣場を後にした。
「お風呂お疲れ様でございます。お部屋へ向かわれますか?」
するとやはりレイラが出迎えてくれた。
「そうだな、そうするよ。後、これ…綺麗に洗濯してくれてありがとう。」
「お気になさらないで下さい、メイドとして当然の事をしたまでです。それでは参りましょうか。」
そしてレイラと共に部屋へと向かった。未だにこの王宮が広すぎて、風呂から自室までの道のりを覚えられていない。
彼女の案内がなければ王宮の中をグルグルとさまよっていたことだろう。
広い王宮の中を歩き、ようやく部屋の前にたどり着いた。中からドーナたちの話し声が聞こえるあたり皆起きたようだ。
「案内ありがとう。」
「問題ございません。それでは私はお部屋の前にいますので何かありましたらお声がけ下さい。」
ペコリと一礼するレイラを背に部屋へと入った。
「あらヒイラギおはよう」
「おはようヒイラギ、髪が濡れてる所を見るに風呂でもあびてきたのかい?」
「二人ともおはよう、ちょっと朝風呂を浴びて来たんだ。」
シアはまだ寝てるっぽいな。いつの間にかグレイスをぎゅっと抱き締めながら寝ている。
「それでね、ワタシ達決めたのよ。」
不意にそうランが言った。
「ん?何を決めたんだ?」
「覚えてないのかい?昨日言ってくれたじゃないか。」
(ん?…………あ゛っ!!まさか、あれか!?)
「あぁ、思い出したよ。何かしてほしいことを二人で話し合ってくれって言ったな。」
「そうそう♪それよ~。」
「なかなか決まらなかったんだけどねぇ、今朝話し合ってようやく決めたんだよ。」
い、いったいどんな事をお願いされるのだろうか……ドキドキしながら俺は二人に問いかける。
「そうか、それで俺に何をしてほしいんだ?」
「ふふっ♪ヒイラギには~……。」
「アタイ達と……。」
「「一日
二人は声を合わせて言った。
「で、デートか……。」
まぁ、それぐらいなら……うんきっと大丈夫だろう。
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