ローストビーフ


 サラダの仕込みを終えたイリスのもとへと向かう。


「ありがとうイリス、それじゃあ1つ盛って見せるから同じのを10個頼んでもいいか?」


「任せてください!!」


 水気を切ったちぎった葉野菜とトマトを盛り付け、その上にパルメザンチーズ、ブラックペッパー、クルトン、オリーブオイルをかけて…シーザードレッシングをかける。


「よし、こんな感じで頼む。」


「わかりました。」


 イリスはすぐさま盛り付けに取りかかった。


「俺は今のうちにじゃがいもを揚げてしまおう。」


 しっかりと水気を切ったじゃがいもを180℃の油で揚げる。いわゆるポテトフライというやつだ。じゃがいもを揚げている間にステーキを切り分けていく。


 包丁をいれる度に肉汁が弾け飛ぶ。ウェルダンになっていない証拠だ。切り分けたステーキを皿に盛り付け、上から先程のソースをかけて完成だ。


 こちらは冷めないように温蔵庫の中へ入れておく。


 ステーキを盛り付け終わった頃にじゃがいもが揚げ上がった。ポテトフライは揚がってからすぐに塩、胡椒、粉末コンソメで味をつけて皿に盛り付ける。上から乾燥したパセリを振りかけて、こちらも完成。


「さて、そろそろ火が入ったかな。」


 温度計をモモ肉に挿し込み温度を計る。


「56℃、バッチリだ。」


 モモ肉を取り出してまな板の上に置く。後はひたすら薄くスライスしていくだけだ。チラッと出来上がった肉の量を見て、思わず苦笑いがこぼれてしまう。


(こいつはなかなか骨が折れそうだ。)


 出来上がったローストビーフをひたすらに包丁で薄くスライスしていく。


「ふぅ、後はスライスした玉ねぎを挟んで盛り付けるぞ。」


 スライスした肉で玉ねぎを包んで盛り付ける。大変な作業ではあったが何とかやり終え、上からステーキと同じソースをかけて……。


「ローストビーフの完成だ。」


 ふぅと一息ついていると…サラダを盛り付け終えたイリスが歩み寄ってきた。


「ヒイラギさん、お疲れ様です。」


「あぁ、イリスもお疲れ様。助かったよ。」


 今回はイリスのお陰で速く料理を仕上げることができた。一人でやればもっと時間がかかっただろうな。


「それじゃあ俺はシンを呼んでくるよ。」


 前掛けを外しハウスキットの扉を開けると…。


「ヒイラギ様お疲れ様でございます。お料理を運ぶのは私達にお任せください。」


 ハウスキットの前にはすでにメイド達がスタンバイしていた。


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