犯人当てに必要なもの

 引き続き、「奇妙な跡」について考えます。今回、読み直した後でもう一度読み返しました。そして、この作品は犯人当てとして書かれてはいないけれども、犯人当てに大事なポイントを押さえているのではないか、と感じたのです。以下、ネタばらしをします。バッチリ犯人について触れます。



 犯人は足が不自由な人物なのですが、足が不自由な人物が一人だけだときちんと書いてあるのです。

 足が不自由な人物が犯人というのは「意外な犯人」を演出するには効果的ですが、刺激的なだけに冷静に考えれば、「足が不自由な人物が犯人というのは納得できるが、その条件に該当するのは本当にその人だけなのか」という疑問も浮かびます。

 この余解潰しをきちんとしているところは、もっと評価してよいと思うのです。

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