第33話 準決勝
ー特殊戦闘施設前モニター広場ー
「大地~・・・真夜中に電話してくるなんて、非常識極まりないですわ!」
「だから何回も謝ってるだろうが! 予備のバッテリーも使っちまったんだから、仕方ねぇだろ!」
「まったく・・・ちゃんと今日は成果を出してくれるんでしょうね?」
「わーってるよ!」
「とにかくみなさん・・・今日は準決勝ですわ。相手は強敵ですが、わたくし達の目標は、あくまで優勝のみですわ」
「ガハハ! 優勝とは大きく出たじゃねぇか!」
ミーティング中のEチーム+αに屈強な男が話しかけてきた。
「あら、【金剛拳】の皆さんではありませんの、宣戦布告にでもいらしたのかしら?」
「よくそんな戦力で勝ちあがったもんじゃのう! ガハハ!」
豪快に笑う篭手田に横に立っていた妙がチョップを食らわせる。
「ちょっとちょっと! ダメでしょ篭手田君! みんなごめんね~・・・」
「俺達の目標は優勝じゃ無ぇ! 決勝である男と戦いたいんだ! だからお前らなんかに負けられねーーーーイデッ!」
「はいはいはい! 山田君もそんな事言わないの! 妙ちゃん怒っちゃうぞ! と、いうわけで・・・ステージで又会おう諸君! アデュー!」
沙耶に引きずられ立ち去る金剛拳チーム。
「あの男というのは・・・多分あの方ですわね」
「仁の事か?」
「違いますわ。その話は勝ってから致しましょう。それまでは関係の無い話ですので」
モニターの前に立った優香が、拡声器を片手に話し始める。
「では、みなさん本日は準決勝を行います! 今から5分後、開始の合図をしますので【Eチーム+α】と【金剛拳】のチームは準備をお願い致します!」
ービルステージー
各自配置に付くEチーム+α
『いいですか皆さん、予定通り開始の合図と同時に突っ込みますわよ! 敵の前衛両名も性格上突っ込んでくるはずですので、今回は攻めから開始しますわ! 守は山田さんを、太は篭手田さんの相手をお願い致しますわ!』
『了解!』
ステージのスピーカーから優香の声が流れる。
『戦闘開始!』
予定通り突っ込む一同。
ステージ中央付近で篭手田と山田が待ち構えていた。
「ガハハ! ワシの相手はどっちじゃ!」
太は立ち止まり、両手を地面すれすれに構えそして、一気に篭手田にぶちかます。
「太か! 相手にとって不足なしじゃぁあ!」
篭手田と太は激しく衝突した。
太のその威力に押され、十メートルほど後方までズリ下がりそして止まる。
「ガッハッハ! やっぱり太お前は最高じゃぁ! これが相撲なら負けとったぞ! しかし、これは取るか取られるかの勝負じゃあ!」
籠手田は太の腹に蹴りを入れ、後方へ弾き飛ばす。が、その厚い肉に覆われた鋼の筋肉にダメージは無い。
「ドスコイ」
太は再び仕切りなおしをする。
「そう、これは1対1じゃありませんわ」
キャロルは少し後方から構えていた銃を放つ。
「小ざかしいわい!」
キャロルの銃撃を片手で弾く。
「なっ!? 片手ですって!? かなりの威力で放ったはず・・・」
「おい妙! 邪魔で仕方無いんじゃ! どうにかしてくれ!」
「はいよー! 妙ちゃんキーック!」
突然空中から現れた妙が、キャロルに強烈な蹴りを放つ。
キャロルは千里を掴み、後方へ飛ぶ。
妙の蹴りは地面に直撃しその場に大穴を空けた。
「なんて威力・・・白髪さんは近接戦闘ですのね?」
「さぁねー? それにしてもよく避けたね! 流石キャロルっち!」
そこへ沙耶と大地の銃弾が沙耶を襲う。
しかし、それを両手の篭手で器用に弾き飛ばす。
その隙を逃さず、キャロルが千里の力を借りた、全力の1撃を妙に目掛けて放った。
辺りに強烈な爆風が巻き起こる。
「・・・おかしいですわ! 千里! 一旦後方へーーー」
千里が振り返った目の前に、すでに妙は居た。
「ごめんね~!」
千里の腹に肘うちを入れる。
「カハッ!」
腹を抱えこみ倒れる千里。その前には【戦闘不能】の文字が浮かび上がる。
「しまった・・・!」
その隙にも妙への狙撃は続けられるが、全て器用に弾かれてしまう。
「ちょっと待ったーーー!」
「何ですの!? 戦闘中ですわよ!」
「千里っちを、安全な場所に運ぶから、ちょい待っち! そしたら救護班が回収してくれっから」
『沙耶、大地! 千里を運び終わるまで狙撃をやめて下さいまし』
そう言って千里を抱え込み、少し離れた茂みに置いた。
「いや~! 紳士的だね! ありがとう!」
「貴方こそ。 良い方ですわね」
「じゃ始めっか!」
構える妙。
『狙撃再開ですわ!』
山田と戦闘中の守。
「正直、太とやりたかったぜ」
「勝手に、がっかりしてんじゃ無ぇよ!」
「誰に武術を習ったか知らんが、色々ごちゃ混ぜだな。 そして総じて・・・錬度が足りないぜ」
守が放った左ストレートを摑まれ投げられた守は、激しくビルに激突する。
追撃をしようとすかさず前進する山田。しかし狙撃班がそれを許さない。
「っち・・・沙耶の奴・・・流石に厄介だな」
(やべー・・・このままじゃ負けちまう・・・出力を上げたいが・・・よし!)
『沙耶! 煙幕弾を俺の所に撃てるか!?』
『可能。5秒待って、大地その間アシストをお願い』
『あいよ! 任されたぜ!』
昨日とは、うって変わって的確に弾丸を妙に打ち込む大地。
『少しは成長致しましたわね! 昨夜の件は許して差し上げますわ!』
『もっと褒めて!』
『煙幕弾。射出』
後方より沙耶の煙幕弾は着弾し、辺りは煙に包まれる。
(よし・・・これで・・・)
守は集中し、力を解放する。頭部には2本の大きな角が生え、口からは青いプラズマがほとばしり、背中には小さな翼が生えていた。
「なるほど・・・それがお前の取っておきか。こちら側に情報が漏れぬよう煙幕を張ったのか」
「ちげぇよ、この姿を仲間に見せたく無ぇだけだ」
「なるほど。では黙っておこう。その代わり・・・全力で来い! 俺を楽しませてくれ!」
「いいけど・・・死ぬなよ」
「太と戦いたいという言葉は訂正する。相手がお前で良かった。さて・・・見せたく無いとっておきが、お前だけだと思うなよ」
「何?」
そう言うと、山田は気合を入れる。
「武神・・・憑依!」
山田の纏う雰囲気が変わる。
「すげぇ・・・!」
「さぁ・・・始めようぜ!」
2人は勢い良く接近し拳を交す。
「キャロルっちやるねぇ~! これでも中々の達人使ってるんだけどなぁ!」
キャロルは後方へ飛ぶと同時に、妙に2丁の銃で攻撃を加える。
しかし妙の当たる前に全て何故か消失してしまう。
「無駄だよキャロルっち~、私に魔術は効かないよ! なんたって私は【
「まったく・・・どいつもこいつも理不尽な能力ですわね!」
キャロルは持っていた銃をトンファーのように持ち替える。
そして発射口とは反対の方を妙に向け、一気に間合いを詰めたキャロルは妙の腹に銃をつき付け、反対側に付いていた引き金を小指で引く。爆発音と共に散弾が放たれる。
妙は衝撃で後方へ吹き飛ぶ。
「っち!」
「あっぶなー! 篭手が入らなかったらやられてたよ~!」
妙の付けていた篭手はボロボロになっていた。
「やべ~! 時間切れっぽい! 一旦下がるね聖っち! ってうわわ!」
そこに太が、妙目掛けて吹き飛んで来た。
「ド・・・ドスコイ・・・」
「ガハハ! 流石に膝は付かんのう!」
「ごめん聖っち! 時間切れっぽいから、補充してくるねん!」
「好きにしろ! どの道ワシと三四郎だけで十分じゃぁ!」
沙耶は後方へ姿を消す。
「へぇ・・・それじゃこの状況は、ちょっとまずいんじゃないか?」
「守! 無事でしたの!?」
「お前・・・三四郎はどうした!?」
「結構強かったぜ」
「結構だと・・・?・・・ガハハ! 面白い・・・面白いぞお主ら! ではワシも敬意を表して出し惜しみ無しじゃ!・・・【闘気開放】!」
篭手田より噴出した凄まじい闘気により、砂埃が巻き上がる。
「来ますわよ! 太! 時間稼ぎはもう要りませんわ! 貴方も型を使用してくださいまし!!」
太も不知火型の動作を行い、闘気を高める。
「ガハハ! さあ始めようか!」
聖は一旦しゃがみ込み、そして・・・一気に跳躍する。
「早っーーー!」
一瞬で、守の正面まで近づいた。聖の一撃によってガードした両腕の篭手は砕け、その衝撃で後方へ吹き飛ばされる。ビルに衝突するも、勢いは止まらず突き抜けていった。
「なんていう、パワーとスピードですのーーー」
聖はそのまま間髪入れずにキャロルに迫る。が
「ドッスコーイ!」
太のぶちかましが聖を捕らえ、今度は聖が吹き飛ぶ。
「た・・・助かりましたわ・・・」
ビルの瓦礫から聖が立ち上がって来る。
「楽しいのう! 楽しいのう!」
「全然楽しく無ぇっつーの!」
守が殴りかかる。が、片手で受け止められてしまう。
「どうしたどうした! 本当にお前、三四郎を倒したのか!? 弱い・・・弱すぎるぞ!・・・っつ!」
聖の動きがピタリと止まる。
「空間固定魔術! もって2秒ですわ! 太! 今ですわ!」
「キャロルっちの相手は私だよ~!」
聖の上方から妙が現れ、そのままキャロルに切りつける。
沙耶からの援護射撃を手に持った刀で弾き、何事も無かったかのように斬撃を放つ。
魔術を取りやめ、間一髪でかわし間合いを取るキャロル。
「今度は刀!? いや・・・分かりましたわ! 貴方何らかの方法で、入れ替えていますのね!?」
「ご名答~! キャロルっちは頭が切れるねぇ~!」
『大地! もう貴方の狙撃は効果が期待できません! プランBですわ! 今、妙の帰った方向、往復にかかった距離を計算して、おそらく8ー8の位置に大国さんが居ますわ! 奇襲をお願い致しますわ!』
『あいよ!』
『大地。 移動する前に予備バッテリーを全て置いて行って。回収する』
『何に使うんだよ!?』
『いいから』
『はいよ!』
「白髪さんは私が相手を致しますわ! さ、白髪さん! 踊りますわよ!」
「キャロルっちから、ダンスのお誘いたぁ嬉しいねぇ!」
斬撃を器用に交し、時に銃で受け止めるキャロル。
「キャロルっち避けるの上手いね~! これもそこそこの達人なんだけどなぁ~」
「そこそこ・・・だからですわ。私はかなりの達人を知ってますものっ!」
銃をで殴りかかるキャロル。それを上手く刀で受け止める。
「ならこれはどうかな~? 武刀術・・・【一閃】!」
目にも留まらぬ速さの斬撃がキャロルを襲う。
「あはは~・・・流石だねぇ・・・グフッ」
妙の腹にはキャロルの拳銃がめり込んでいた。
【戦闘不能】の文字が浮かび上がる。
「ここには居ませんが、剣に感謝ですわね。他の武器なら負けてましたわ。さて・・・大地の方は上手くいってますでしょうか・・・」
ビルの間を走る司。
沢山あるビルの1つに入り身を隠す。
「はぁ・・・はぁ・・・こっちまでくればしばらく安全・・・。まさか妙がやられてしまうなんて・・・大久保 キャロル・・・魔力の弱いが少し頭の切れる奴程度だと思っていたのに・・・誤算だった」
「なら、これも誤算だな」
大地は司に銃を突きつける。
「なっ! 何でお前が! 8-8に向かったんじゃなかったのか!? ここは2-8反対側だぞ!?」
「キャロルは、お前がこっちの心伝術を盗聴する事も計算に入れて、あらかじめ合言葉を決めてたのさ。【プランB】この言葉が頭についたら、その後の移動指示の数値が中央の反対側になるって寸法よ」
「まさか・・・反対側に移動する事も読まれてたっていうのか!?」
「知らねぇよ・・・そうなんじゃねぇのか? で・・・どうすんだ?」
「・・・降参だよ」
司に【戦闘不能】の文字が浮かび上がる。
『キャロルこっちは終わったぞ! 本当に居やがった』
『ふんっ! わたくしを誰だと思っていますの? 当たり前ですわ! 大地。さっさとこっちに合流して下さいまし!』
『了解!』
満身創痍で立つ、太と守。聖も負傷してはいるが、2名に比べれば明らかに軽症だった。
「ドスコーーーーイ!」
太のぶちかましを正面から受ける聖。
「ガハハ! 体力が尽きてきたようだな太よ! その体格は長期戦向きでは無いからのう! 少し惜しいがこれで終いじゃあ!」
聖の拳が、太の鳩尾を捕らえる。
「太!?」
守が攻撃を加えるが、時すでし遅し。太はその巨漢を地面に沈める。
【戦闘不能】
「っち!」
守は素早くキャロルの傍へ飛ぶ。
「鍛えられた首、衝撃を防ぐ脂肪・・・やはり力士を落とすには鳩尾じゃあ。さて・・・後はお主らだけじゃのう! まさかこのまま、何も無しじゃないだろうな!」
「キャロル・・・俺が」
「・・・駄目ですわ」
「何言ってんだよ!? このままじゃ負けちまう! 優勝出来なくなるんだぞ!? 煙幕を張れば・・・」
「そういう問題では無いですわ! 貴方が本気を出せば勝てますわ・・・ですが、今回、そして次回。全て煙幕の中で、誰にも見えぬまま勝利を収めても、真の勝者にはなり得ませんわ! わたくしは・・・一人の力では無くチームの力で勝利したいのですわ!」
「・・・そうか・・・分かった! キャロル・・・俺は好きだぞ。そういう考え」
「すすす・・・好き!? か・・・考え!? あっ考え・・・ですわよねー!?」
「何言ってんだお前?」
「さて・・・何も無いならそろそろ・・・行くぞ!」
構える守とキャロル。
少し時間が経って大地が、守とキャロルの所にたどり着く。
「う・・・嘘だろ・・・」
そこには【戦闘不能】という文字の浮かび上がった、守とキャロルが倒れていた。
傍には鬼の形相で聖が立っている。
「ふむ・・・何だ歯ごたえの無い奴らだったな」
「ひっ・・・!」
『大地・・・逃げて。私が何とかする』
『心伝術!? 沙耶使えるのか!?』
『キャロルほど範囲は広くないけど、少しなら。とにかく私の所に逃げて』
大地は、咄嗟に背負ったリュックから植物のツタを出し、標識や電線に摑まりながら、沙耶の方に逃げ出す。
「敵前逃亡とは何事かーーー! それでも男か!?」
激怒した聖がものすごいスピードで追いかけてくる。が、大地の移動の方が早く、徐々にその距離は離れていく。
(情け無ぇ・・・情け無ぇよ・・・戦闘ではずっと役に立て無ぇ・・・でも弱いから・・・仕方無ぇよな・・・強い女の子に助けを求めたっていいよな・・・弱いんだから・・・)
大地は移動を辞め、道路へと降り立つ。
「んな訳無ぇだろうが! 俺は男だぞ! 副隊長だぞ!?」
『大地、逃げて』
『沙耶・・・おおお・・・俺がお前を守ってやる!』
『大地・・・』
聖が後方より凄まじい形相で迫ってくる。
「こ・・・怖えぇ~・・・!!! 超怖ぇえよ・・・!?」
「流石大地様。これはあくまで訓練でございます。逃げた所で何の成果も得られません。今感じる恐怖も敗北も必ず大地様の糧となる事でしょう。余も微力ながらお力添えさせて頂きますので、今ある全力で立ち向かいましょう」
「おおお・・・応!」
「ほう・・・逃げられたものを・・・気に入ったぞお主!」
「篭手田 聖・・・! かかって来いやああああ!」
脚を震わせながらも、大地は精一杯の虚勢を張った。
勝負は非を見るより明らかで、大地は何も出来ずに【戦闘不能】になってしまった。
「なぜ・・・こんな気合だけの役立たずが、このチームにいるのだ」
気を失っている大地を、片手で持ち上げながら、聖はあまりの手ごたえの無さに、落胆を通り越し怒りを覚えていた。
ー特殊戦闘施設前モニター広場ー
救護班に回収された戦闘不能者が、モニター前に運ばれ検査や治癒を受けている。
「おい、キャロル・・・大地までやられちまったぞ。後は聖と沙耶の一騎打ちか・・・」
「ですわね・・・正直厳しいですわ」
「ご・・・ごめんなさい・・・私が開始早々やられたりしなければ・・・」
「ドスコイ」
「うん、ありがとう太君」
「千里のせいじゃ無いって。気にすんな。」
「うん。」
(後は頼みましたわ・・・沙耶)
大地を下し、沙耶の方へ歩き出す聖。
そこへ沙耶が姿を現す。
「ガハハ! 勝てぬと分かって、降参でもしに出てきたのか? どうした? 自慢の銃を持って無いようだが・・・それじゃあこの俺が楽しめんでは無いか!」
再び激怒する聖。
「大地は役立たずじゃ無い。訂正して」
「聞こえていたのか・・・いや、読唇術か。訂正はせん! 奴は何の役にも立たないクズだ!」
「訂正しろって言ってるの・・・聞こえなった?」
沙耶は拳を強く握る。
「ガハハ! 敵前逃亡などクズのやること!」
「実力差があった。逃げても仕方ない。死ぬよりまし」
「御託はいい・・・さぁ! 闘おうぜ!」
聖は拳を構え沙耶に殴りかかる。
「言っても分からない? なら・・・誇り高く勇敢に・・・・・・死ね」
沙耶の声と同時に。
雷鳴が轟き、落雷が聖を直撃する。
「カ・・・カハッ・・・」
口から煙を吐き膝を付く聖。
「ガハハ・・・なんという・・・だが・・・まだまだこれからじゃあ!」
立ち上がる聖。
「貴方と私は、大地と貴方位の差がある。怖いでしょう?」
沙耶は腰から、大地の使っていたバッテリーを取り出し、それそ・・・口に入れた。
電流が沙耶の体に流れる。
沙耶は右手を上げ、そして振り下ろす。再び落雷が聖を襲う。
聖は動かなくなり【戦闘不能】の文字が浮かび上がる。
沙耶は再びバッテリーを口に入れる。沙耶の口や体からも煙が立ち始めていた。
それを気に留める様子も無く、又右手を上げ・・・振り下ろす。
落雷が聖を襲うーーーがシールドに阻まれ電撃は四散した。
「種子島さん! 相手は戦闘不能です! 試合終了ですよ!」
「そう」
沙耶は何事も無かったかのようにステージを後にした。
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