第21話 マリーの秘密
アイリスを婚約者にしてからがずっと、リサがいた時よりも地獄になってきた。
何が地獄になったのかと言うとクエストに行くときとかが特に大変だった。
「ジョセフ~!」
何かとジョセフにくっついてくるからだ。
ジョセフは色々と大変で魔獣の討伐の時なんか集中できなくてとっても気が散っていた。
そのせいか佐藤夏樹達に美味しいところ持っていかれ、戦うより守ることを強いられ魔法を発動して殲滅なんてことも再びマリーがチート魔法でワンパンで終わらせバランスが崩れてしまった。
「初めてクエストに同行したがジョセフのおかげでみんな無事だな~」
「いやっ、俺アイリスの世話してるおかげで何もしていないんだが…」
アイリスがずっとジョセフから離れないからジョセフは一回も活躍できずにクエストが終わってしまったのだ。
「アイリス、ジョセフ様から離れてください!」
「もぉ~っ、もしかしてリサは嫉妬しているのかな~?」
「クエストの最中はジョセフ様の邪魔をしないでください!」
「よくぞ言ってくれた、リサ!」
「私は邪魔なんてしていないよ~、ジョセフに守ってもらっているのだ~」
守ってもらうこと前提でくっつかれても守れるものも守れないことを言おうとしたのだが流石に言いすぎるのは大人げないと思ったジョセフはオブラートに包むようにアイリスに言葉を発した。
「アイリス、俺を頼ってくれるのはいいがそんなにくっつかれたら守れないから…」
「そっか~、ジョセフもやっぱり邪魔に感じていたのか~」
「だからさ、何でそんな顔するんだよ、マジでそんな悲しい瞳で見つめるの辞めてくれ……」
ジョセフは思わず本音を口に出してしまった。
「ジョセフは私のこと必要ないって思っているのか?」
「だから何でそういう発想になるんだよ……違う、俺がいなくても強くあってほしいだけだ!」
「うん、私強くなってみる」
リサと親戚関係だからかやっぱりこの二人は良い意味でも悪い意味でも似た者同士だ。
アイリスはリサ同様魔法とかも使用できるみたいだからマリーに教えてもらうようにジョセフは頼んでおくことにした。
「ジョセフ君のあの時使っていた魔法、まさかとは思っていたけど光と闇を組み合わせていたけど属性を組み合わせるなんてあたしでも簡単にできなかったのに…」
マリーは気難しそうな顔で疑問に思っていた。
「確かにジョセフ君には光だけでなく闇属性に適性を持っているのは分かっていたけど本来光魔法に適性がある場合闇属性の魔法は使えないと言われている…全属性魔法が使用できるあたしは例外として…」
光と闇属性を一緒に使える人間は全属性適正が無い限りありえないということだったのだ。
ジョセフはこの前のリザードマン討伐の時に光属性魔法『パープルサンダー』を使用した際に光以外に何かを感じていた。
マリーの話しによるとジョセフには光属性に適性があるとだけ言っていたけど他の属性の魔法にも適正があったりするのだろうか、もしそうだとしたらマリーは何故隠す必要があるのだろうか疑問に感じた。
(それに何故『パープルサンダー』なんて知らないはずの呪文名を知っていたんだ)ジョセフはマリーが何者なのか気になっていた。
ジョセフは悪霊か何かにとりつかれているのかもしれない。そう思うようにもなっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます