休日はちょっと遠くに【宮川夫婦のよんどころない事情】

作者 肥前ロンズ

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★★★ Excellent!!!

九州在住の宮川夫婦。
夫はおおらかな性格で、妻はあまり感情を表に出さない淡々とした性格。
そんな夫婦の休日のやりとり。

どこかクールで淡々としている妻ですが、夫との絶妙なバランスと結婚しても変わらない夫婦の関係や、その日常にあたたかみを感じます。

夫婦の周囲には個性的な面々もいて、会話も面白くサクサクと読み進めることができます。

悲しみも苦しみもこの夫婦ならきっと乗り越えていけることでしょう。

真の『幸福』とは、心穏やかでいられること。
そう思わせてくれる作品。

(空を飛ぶには早すぎる1 拝読後のレビュー)

★★★ Excellent!!!

大人になって結婚したら、恋愛は卒業するものだと昔は思ってました。
でも恋が愛に変わっても、結婚しても、パートナーとして、共同生活者として、微細な関係性の揺らぎや修正を積み重ねていく過程があります。
その一つ一つを、九州の様々なロケーションで描き出すお話です。
ゆっくり静かな場所で読み耽りたい。

★★★ Excellent!!!

宮川良太・和水夫妻。穏やかながら深く心を結び合う夫婦とその周囲の人々を、静かに、どこかコミカルに、時に激しささえも伴いながら描いていく、味わい深い人間ドラマです。

好き。嫌い。愛する。憎む。
日常の中で、あまりにもよく使われるこの言葉たち。けれど、誰かに対して抱く感情は、こんなにきっぱりはっきりと簡単な一言で言い切れるものなのか。
この作品を読み進めるうちに、人間の心の複雑さ、難しさとまさにがっぷり四つに組んでいる自分に気づきます。むしろ人間の心は、何と呼べばいいかわからない感情の靄の中にあって。
だから、その気持ちが何であるかをはっきりと認識できた瞬間に、深く喜び、悲しみ、激しく怒るのではないか。
そんなことを、ふと思いました。

決して晴れることのない心の靄の中を、大切な人の手を離さぬよう手探りしながら結び合う彼らの日々。
その日々の手探りこそに意味がある——そんなことを読み手に静かに教えてくれる、非常に奥の深い物語です。

★★★ Excellent!!!

最初は妻からの物語。後半は夫からの物語。

どちらもせつない。優しい。

そして、なんとも人生とは、そう、そうだね。
わかるよと思う。
こういうものだねと共感する。

「ずっと一人で、よく、頑張った」

夫側のストーリーで、ジンと胸に応え、そして、目頭が熱くなった言葉だ。

読んで、そして、ぜひ、この夫婦の世界を味わってください。

★★★ Excellent!!!

本作品の魅力は、何と言っても「関係性」でしょう!
夫の良太。そして、妻の和水。

どこにでもありそうな日常の二人の会話の掛け合いがまたいい温度感なんですよね。想像しているようなイチャつくとかそういうのではなくて、分かり合っているからこその、クールさ……というよりは、心の底から信用しているからこその会話です。

妻の和水さんの性格は、こう……読者と良太にしか伝わらない味のある可愛さを感じました。

とにかく良太が優しいんですよね。
もう芯をもって行動しているような、そんなどこにでもいるような人間に見えて、そうではない。あ、やっぱり和泉さんの旦那さんはこの人だなって、読者も納得する繊細な一面は心揺れるでしょう。

個人的な魅力はやはり会話の掛け合いでした!
関係性と物語にも注目していただきたい物語です!
ぜひ、ご覧あれ!

★★★ Excellent!!!

 九州に住む、とある夫婦の休日。つねに淡々としているのだけど、ほんとうは非常に繊細な妻と、とてもおおらかな夫。

 わかりやすいようでわかりにくい。わかりにくいようでわかりやすい。そんな、穏やかで、ちょっとズレた夫婦のやりとりがほほ笑ましい物語です。

 悩みなんてないように見える人が、じつは深い事情を抱えていたりする。それは、現実でもめずらしいことではありません。まだ歩きはじめたばかりの夫婦。二人の休日を、そっとのぞいてみてください。

★★★ Excellent!!!

九州のある県に住んでいる夫婦、良太と和水。
休みの日は羽を伸ばして、ちょっと遠くにお出かけ。すると、普段はしないような話ができて、出かける前よりもお互いの事が分かってくるかも。

休日にお出かけすると聞くと、事ある毎にイチャつくような、ラブラブなご夫婦を想像する人もいるでしょう。しかし、ちょっと違うのですよ。
それというのも妻の和水の表情があまり変わらずに、口調も淡々としていて、一見すると冷めているみたいに見えてしまうから。本当は冷たいわけでも、つまらなくしているわけでもないのに、誤解されやすい人なのですよ。

しかーし! 夫の良太は、そんな和水の事をよーく分かっています。
ぶっきらぼうにも思えてしまう和水の態度の中にある彼女の想いや優しさを、バッチリしっかり見つけて、受け取ってくれます。
というか和水さん、わざと捻った言い方をして、良太をからかっていませんか? いや、違いますね。彼女の天然さが、成せる技ですね。

この二人の醸し出す空気が、とても暖かい。二人の会話は淡々としているように見えて、その実たくさんの愛が詰まっているのです。
そんな独特な空気が本当に最高! リア充爆発するな! その温かでキュンとする夫婦愛を、全世界に発信するんだー!

冷めているようでとっても暖かな夫婦の休日を、ちょっと覗いてみてください。
素敵な夫婦愛が、堪能できますよ。

★★★ Excellent!!!

夫の良太と、妻の和水。休日に出かけた二人のやり取りを綴った本作なのですが、夫婦とはいえ決して終始甘々というわけではありません。

とくに和水がですね、一見クールだったりドライだったりに見えて、話す言葉も少々ぶっきらぼう。その実心の中では色々考えていて、だけどそれがなかなか上手に表に出せない。誤解を恐れず言ってしまうと、非常に不器用な子なのです。
だけど無器用ながらも思い悩む姿が、良太の事を考える様子が、とても愛しく感じます。

そして、そんな彼女の良さを誰よりも分かってくれているのが、愛しの旦那である良太です。時々揺らぐ和水の心にしっかり寄り添ってあげられる、優しくて、穏やかな強さを持っている人。
ですが作中で徐々に明かされていく事情を思うと、彼もまた決して完璧ではなく、迷ったり傷ついたりする、一人の繊細な人間なのだと思い知らされます。

この二人だからこそ織り成すことができる、他の誰とも違う夫婦の会話。読んでいて、胸の中に暖かいものが広がっていくようです。