第45話 ヒロキのモトカノ (タヌ子)
最近ヒロキ疲れてるな。
仕事忙しいのかな?
今日の晩ごはんは、何かスタミナがつく料理にしよっと!
ヒロキが元気になれるようなごはんを作ろうと、昼過ぎに駅前のスーパーに買い物に出かけた。
歩いていると、何かちょっと焦げるような甘いいい匂いがした。
その匂いにつられて行くと、クロワッサンのお店に辿り着いた。
そのお店のクロワッサンは、プレーンはもちろん、チョコや抹茶や、サツマイモなど、いろんな種類があった。
一口サイズなので、パクパクいけちゃいそう!
イートイン出来る事が分かったので、中に入ってプレーンとチョコとカフェオレを注文した。
まずはプレーン。パクッ。おいしぃ~。
次はチョコ。パクッ。あまぁ~い。
カフェオレ飲んでホッと一息。
ふぅぅ~、落ち着くなぁ~。
そうだ! これ、ヒロキとウッチーにも買って、持って行ってあげよ! うんうん!
……。
ハッ!!! スーパーに買い物行くんだった!
またやっちゃった。
なんでこう私は食べ物の誘惑に勝てないんだろう…。
スーパーで買い物中、ふと思った。
ヒロキにとって私は何なんだろ?
すごく優しくしてくれるし、プレゼントもしてくれたりするし、かわいいって言ってくれる。
でも、でも、ヒロキの家に住むようになってからずっと一緒に寝てるけど、いつも「おやすみ、タヌ子」って言って、頭なでなでしてくれて、そのままイビキかいて朝まで寝てる。
これは、私が女として魅力がないということですか?
それとも彼女として認められてないということですか?
単なる同居人ということですか?
考え込みながら歩いていたら、いつの間にかヒロキのマンションに着いていた。
ドアの鍵をさして開けようとしたら、何故か鍵はかかってなかった。
あれ、かけ忘れちゃったかな?
泥棒に入られてないかな?
もしかして、ヒロキ帰ってんのかな?
なんて考えながら靴を脱いでいると、ふいに声をかけられた。
「あんた誰? 部屋間違えてない?」
見上げると、キレイな、でもちょっとキツそうな感じの女の人が眉間に皴を寄せて私を見ていた。
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