砂化の滅閃【ヴァスティタス・ラディウス】
4発目の
「何故だ――! 何故、これほどまでに何度も――何度も
ありえん――こんな事はありえん――!!
サイカスは吼える。
その時、
「――
それは、事前に展開していた
サイカスは、その
「馬鹿な――いかに
怒声とともに虚空に四角い枠が浮び上がり、魔術によって投影された映像が映し出される。
その映像は、
刹那、映し出されていた
映像はそこで途切れ、
「おのれ――枷の男と――
サイカスはそれまでずっと食い縛っていた歯を緩め口を開き、自棄になったかのように喚いた。やがて顔を上げた
「こうなれば――
○●
「――奴め、
小高い丘に立ち、その左手を掲げて街を
その時、
『――えーっと――シエンさん、聞こえますか? バリアをすべて断ち切ったはずですので確認お願いします――』
アシャは横目で、宙に浮いて光瞬く
「小娘――お前こそ聞こえているか。お前、今どこにいる」
不意に、アシャはミズホへと問いかける。少女は思わぬ方向からの声に、少し戸惑った様子で応えた。
『あれ? アシャさんですか? どこ――って、難しいこと聞きますね。森の中ですよ。あのでっかい砂の怪物から100メートルくらい離れたとこですかね――ちょうど、あのデカブツがこっち向いてて――あれ? 街の方を向いていたはずの、でっかい砂の怪物が、こっち向いてる――?』
「小娘、今すぐそこを離れろ」
即座に、アシャは口走った。
『はい?』
「お前――狙われてるぞ」
『はい!? ね、狙われてるって――あの
アシャは舌打ちし、その金色の瞳を細め、突き刺さんばかりの鋭い視線を
「奴は身体の向きを変えた。あの状態で
『おそらくっていうか――私を狙ってるのは間違いなさそうですね。だってアレの口、モロにこっち向いてますから――でも、どうして私なんかを――』
不思議そうなミズホの声に、アシャは再び舌打ちする。
「たわけ。お前、なぜ自分がこの世界に召喚されてきたのかを考えろ。因果をも断ち切る
ギリギリという音。金の眼をした少年が、怒り震えた拳を握りしめる音。
「四天王とも呼ばれた男が、俺との正面勝負から逃げ出した挙げ句、その全力をこんな
『
「いいから、お前はさっさとその場を離れろ。死ぬぞ」
『ごめんなさい』
急に何かに対して謝るミズホ。その声のトーンが一気に低くなる。
アシャは不審な少女の様子に眉を寄せた。
「どうした? 小娘――お前、まさか――」
ヘヘっ、と緊張感の無い抜けた声の次に流れてきたのは、冷たく感情を拭い去ったような声で成される状況報告だった。
『さっきの砂ライオンとの戦闘で、足をやってしまいました。今はちょっと――動けないですね』
○●
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