第77話その2 俺の訳したい本
■■■ 注意事項 ■■■
(本日はその1とその2が投稿されています。お話のメインはその1の方です。その2は読まなくても問題ないですし、内容も個人的趣味に偏っています。理解出来ないなと思った方は飛ばし読み推奨です。
ただし、『私ならこれではなくこれを入れる!』という意見がある方は遠慮無くコメント下さい。書き手が納得した場合、お話の内容が一部改変されます)
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事務所と本棚で区切った反対側、いわゆる図書室部分。
そこで俺は悩んでいた。
テディの好みでは無く俺の好みの本を訳せというミランダのお題に。
正直なかなか難しい課題だ。
前世における俺自身の読書遍歴を思い出す。
中学までは世界名作とか推理物とかが中心。
高校時代から大学頃まではSFを古典から現代系までひととおり。
大学過ぎてからは時間が無いし疲れて本を読むのが面倒になった結果ラノベ派になった。
あとどの時期も漫画はジャンル問わず好んで読んだ。
以上だ。
さて、前世で好きだった本というと何だろうな。
最初に思いついたのはニューロマンサーだ。
でもあれを訳してもこの世界では理解出来ないだろう。
ゼラズニィあたり、例えば『光の王』なら大丈夫だろうか。
でもあれはインド神話とかキリスト教とかある程度知っていないといまいちか。
その辺を書き直すとなると色々と大変そうだ。
俺的には大好きなのだが。
ああやばい、訳したくても絶対スティヴァレで訳せなそうな、もしくは訳すと魅力が減ってしまいそうなのばかり思い浮かんでしまう。
絶句とか、昔, 火星のあった場所とか。
絶句はあのままでないと最初の頃と終わりの頃の主人公の成長具合がわからないし、火星は量子力学が冗談程度でもわからないと通じない。
でもあの辺の小説は後で個人的に取り寄せて再読しよう。
なら百億の昼と千億の夜もだ。
これは萩尾望都の漫画版でもいいな。
地球へなんてのも取り寄せだ。
イティハーサも。
ついでに寄生獣もとっておこう。
翻訳しなくてもいい、俺自身の為に思いつくままお取り寄せだ!
数分後、俺は合計で
その結果ここでは俺しか読めない本が数十冊ほど積まれた。
それらの表紙を眺めてむふふした結果、やっと取り寄せたお気に入りの中から訳せそうな本を見つけ出す。
猫の地球儀ならギリ何とかなりそうだ。
無論色々書き換えなければならない場所はある。
でも舞台はあくまで地球軌道上に浮かぶ人工天体そのままがいい。
科学技術はスティヴァレに現存するもしくは想像可能な魔法技術に打ち替えて。
そもそもこの星の上以外を舞台にした小説、スティヴァレには無かっただろう。
だからこれは新鮮だと思う、きっと。
さて、読みながら訳すとするか、俺自身の為に。
そう思ったところで背後に人の気配が。
「アシュノールさん。ご飯ですよ」
ミランダによれば両刀使いらしいナディアさんだ。
あくまでもミランダによると、だけれども。
何ならソレ系の話か漫画も取り寄せようか。
ガチ系はまずそうだから まずはcitrus辺りどうだろう。
いやそうじゃない。
もう昼食の時間なのだ。
俺がするべき行動は食堂へ行く事だろう。
「わかりました」
いいところだったのだが仕方ない。
俺は手に取った本を置き、ナディアさんの後を食堂へと向かった。
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