21

「居場所?」

 ベルタの訝しげな声に、そうです、とデジレは大きく頷いた。

「当面の仕事と部屋を用意します。侍女としての正式な身分、給金、住まいのすべてを保障し、帰国の折にはその援助もしましょう。悪い話ではないと思いますが」

 そう云いながらデジレは、じっとベルタの顔を見つめた。丸く見開かれた焦茶色の瞳には、じつにはっきりと警戒の色が浮かんでいる。

 それも当然だ、とデジレは思った。

 ベルタはなにかを隠している。それはおそらく、あの神ツ国の娘シュテファーニアに関するなにかだろう、とデジレは踏んでいる。

 ベルタはきっとこう考えている。ここでなにを云おうと、シュテファーニアに類が及ぶことはないはずだ、と。そして、さらにこう考えるに違いない。ではなぜ、もういまさら罪を問うこともできないはずのシュテファーニアの行動について、こうもしつこく知りたがるのか、と。

 デジレの意図を読むことのできなくなったベルタは、だから言葉を続けることもできなくなってしまったのだ。

 それはそうだろう、とデジレは思う。いま、私が元王太子妃殿下の行動を知りたがる理由は、当のシュテファーニアにもベルタにもいっさいかかわりのないことだからだ。

 どうしますか、とデジレは云った。

「私としてはどちらでもよいのですよ。あなたが牢に繋がれようと、どこで行き倒れようと、私にはいっさいかかわりのないことです。でも、あなたにとってはそうではありませんね。事実を正直に話すだけで、この先当面の保障が手に入る」

 考えるまでもないことでしょう、とデジレは言葉を切った。思わず、といった風情で唇を噛みしめるベルタをどこか気の毒に思いつつも、王太子付筆頭侍女であるデジレには、ここを譲るわけにはいかない理由があった。

 国王ピエリックは云うに及ばず、ヴァレリーやオリヴィエ、あるいは王弟ギヨームや監察府長官ガスパール・ソランがそうであるように、侍女であるデジレには侍女としての政治がある。王城に暮らす者は、下女や下男のひとりに至るまで、政治と無縁に暮らすことはできず、ましてや王太子付筆頭侍女ともなれば、その重みたるや王妃や王太子妃にさえ劣るものではない。

 ヴァレリーが神ノ峰にて転落の難に遭遇し、行方不明となっているいま、デジレや王太子付筆頭侍従であるエドモン・マルケらにかかる負担はとても重たいものとなっている。

 いっそヴァレリーの死が明らかであったならば、そうはなっていなかっただろう。東国にとっては大きな痛手にはなろうが、どれほど嘆こうがもう王太子は戻らないのだ。生きている者たちは、彼を過ぎた時間の中へと葬り、先へと進めばよい。

 だが、現在のヴァレリーは生死不明である。

 冬が間近に迫る神ノ峰の中で遭難して――しかも、大きな怪我を負っていると思われる――無事でいられるとは思えないが、十分な時間も経過しておらず、遺体も発見されていないいまはまだ、彼の死を確かなものとすることはできない。

 ヴァレリーはいつ戻ってきてもおかしくない、ということなのだ。

 そしてそれは、デジレたち残された者たちにとっては、すなわち、王城――政治的な意味においても、具体的な意味においても――の中におけるヴァレリーの居場所を以前と同じくしておかなくてはならない、という意味でもあった。

 王太子、つまり次なる王位を継ぐ者と定められているとはいえ、ヴァレリーの立場は絶対ではない。強大な権力を誇り、国王以外のあらゆる存在に対し膝を屈することのない身分ではあるが、それは彼が王太子たるにふさわしい資質を備えていればこそである。

 他を圧倒する才覚、強い意志、健全なる心身。そしてなによりも――、その命に、存在に揺るぎなきこと。

 すべてが揃っていなくては、ヴァレリーは王太子でいることはできない。ただ王の子であることだけでは、王位を継ぐ者でいることはできないのだ。

 これから冬が始まろうとしている山中で遭難し、その生死が不明となっているヴァレリーは、王城における地位を限りなく危ういものとしている。

 敵であった者たちは結託して勢力を強め、味方であったはずの者たちは離反してゆく。

 そうした動きを食い止めるのはオリヴィエ・レミ・ルクリュの役目だ。ヴァレリーを孤立させぬため、彼は寝る間も惜しんであらゆる手立てを講じている。

 そして、デジレやエドモンもまた、オリヴィエと同じように、ヴァレリーのために政治を駆使しなければならない立場にあった。

 私たちは王太子殿下の味方ではない、とデジレは思っている。そんな簡単な言葉で片づけられてしまうような存在ではない。私たちと殿下は一蓮托生。殿下がいなくなったからと云って、新たな主を戴くことなど、もうできるはずがない。殿下の死は私たちの追放を、殿下の失脚は私たちの破滅を意味している。

 つまり、オリヴィエもエドモンもデジレも、ヴァレリーのためだけではなく自分たちのために、それぞれの立場からさまざまな画策を弄しておく必要があった。

 オリヴィエは大臣や貴族らとの繋がりを、エドモンは王族や軍部との繋がりを、そしてデジレは王城内における使用人らとの繋がりを、それぞれより強固なものとしながら、ヴァレリーの不在を守り、無事を祈り続けなくてはならない。

 議会に、民に、そして誰よりも国王に、ヴァレリーの命を諦めさせてはならない。彼は生きている、必ず戻ってくると訴えかけ続けなくてはならない。

 金も人も時間も無限ではない。

 人にとって強い意志を持ち続けることが困難であるように、国家にとってもそれは同じことだ。王太子の無事を疑う声が上がりはじめれば――どこからともなく、あるいは誰かがそうと狙って――、すぐにでも新たな王位継承者の選定が始まることだろう。

 それだけは避けなくてはならない、というのが、ヴァレリーと運命をともにすると決めた三人の共通した認識だった。

 だから、いまのデジレにとって、王城内における政治は命がけである。自分たちにとって少しでも有利になる情報があるのならば、それはなんとしても掴んでおきたい。罪もない元侍女を軽く締め上げるくらい、どうということもない。

 デジレ個人のことを云えば、ベルタとモルガーヌのあいだで交わされたやりとりなど、まったくどうでもいいことだ。むしろ、こんな事態に巻き込まれたベルタには同情したくなるほどである。

 それでも、デジレはシュテファーニアに関係のある情報を見逃すことができない。それがどんなに些細なことであったとしても、デジレの政治にとって有利になるに違いのないことだからだ。

 ヴァレリーと離縁したシュテファーニア・ヴラーシュコヴァーは、すでに東国とはなんの関係もない身の上である。彼女がなにをしようと――たとえ、王太子の依頼を反故にしようと、王家の意志に背こうと――東国の定めに従って彼女を断罪することはできない。

 王太子に面と向かって偽りを述べたことが問題であったとしても、ことはたかが寵姫ひとりの行方である。国と国との問題になることはまずありえない。

 だが、王城に残るもうひとりのヴラーシュコヴァーにとってはいささか話が違ってくる、とデジレは考えている。

 それは、王妃エヴェリーナ・ヴラーシュコヴァーのことだ。

 神ツ国から貰い受けた国王ピエリックの正式な妻でありながら、ただの一度たりとも、彼と心を通わせることなく、身を交わしたこともない、お飾りの王妃。王太子ヴァレリーの母ルシール・ジラルディエールの光輝くような美貌に比べ、どこか陰気な容貌もまた彼女の不幸に拍車をかけている。

 ピエリックは嫁してきたエヴェリーナに対し、ただの一度も情けをかけたことがない。やさしい言葉も、あたたかな抱擁も。それでいて、決して離縁には応じようとしなかった。二年のあいだに子を為すことがなかったのだから、そうすることは容易かったはずだというのに。

 心から愛するルシールさまを正式な妻とすることもむずかしくなったはずなのに、なぜ陛下は王妃陛下を故郷へ帰して――自由にして――さしあげないのだろう、とかつてのデジレはそう思っていた。王族の離婚は、それ自体祝福されるべきことではないが、忌避すべきことでもない。宗教戒律の厳しい神ツ国ではいざ知らず、東国においては禁忌でもなんでもない。

 にもかかわらずピエリックは、ルシールを側妃という立場に甘んじさせたまま、エヴェリーナを王妃の座に据え続けている。

 公式の場ですら手と手を触れることもなく、お義理にも眼差しを交わすことすらない冷えきった夫婦だというのに。エヴェリーナがいるせいで、ルシールは国王とのあいだにたったひとりの子を為していながら、死ぬまで側妃の座に甘んじなければならない――国王の隣に立つ女性として、王室史に名を残すこともできない――というのに。

 己の立場についてルシールが不満を訴えたことはない、とデジレは聞いている。だが、それでも彼女の心が平穏であるとはとうてい思えない。陰に日向に国王を支え、国を継ぐ王太子まで産んでおきながら、決して表舞台に立つことのできない己を、ルシールがどう思っているのか。

 なんの思い入れもない女性のために、愛する女性を傷つけて、陛下はそれで平気なのだろうか。――否、平気なはずがない。

 陛下は常日頃からご自身の心をはっきりと示しておられるではないか。王妃に冷たく当たり、彼女を蔑ろにすることによって、その立場がどうあれ、余の隣に立つはルシール・ジラルディエールただひとりである、とそう云い続けている。

 ピエリックが、臣や民の目にどうとらえられようともエヴェリーナに冷たく当たるのは、つまりはルシールのためだ。エヴェリーナなどただの飾りにすぎぬと、国王は声を大にして叫び続けているのだ。

 しかし、そうまでしてもなお、国王は妃との縁を切り離すことはない。切り離すことが、できない。

 つまり、とデジレが気づいたのはずいぶんと昔のことだ。国王陛下はなにかに縛られておられる。目には見えない、なにかに。そして、そのなにかの一端は、あのエヴェリーナが握っているのだろう。

 それはなんなのだろう、とデジレはずっと考え続けていた。しかし、答えを見出すことはまだできていない。この答えを――王を縛るものを――見つけることができたならば、それはきっと王太子殿下の役に立つはずだ、と思いながらも、デジレがエヴェリーナの周辺に近づくことは容易ではないのだ。

 系図の上では母と子となるはずの間柄であっても、エヴェリーナとヴァレリーの仲は決してよいとは云えない。エヴェリーナにとってのヴァレリーは夫の愛人の子であり、ヴァレリーにとってのエヴェリーナは母を虐げる本妻である。目に見える争いがないだけましというものだ。

 政敵とは呼べないまでも、ヴァレリーにとってのエヴェリーナが厄介な存在であることは間違いがない。いずれヴァレリーが国王として立つ日のことを考えれば、彼女に対する切札は多ければ多いほどよい。

 そしてこれは、ベルタ・ジェズニークが東国王城に戻ってきた理由――シュテファーニア・ヴラーシュコヴァーが彼女を東国に残した理由――は、エヴェリーナを揺さぶるきっかけになるかもしれない。エヴェリーナ・ヴラーシュコヴァーに繋がりうるのであれば、どんな些細な糸口も見落したくない、と考えているデジレが、この好機を見逃すはずはないのだった。

「嘘は許しませんよ」

 強く唇を噛みしめたまま、しばし沈黙していたベルタが勢いよく顔を上げた。隠していることなどない、先ほどの話がすべてなのだとしらを切り通すつもりでいることを見抜かれている。

 そうですね、とデジレはわざとらしくため息をついた。

「あなたがここにいる理由にどんな罪があったとしても、私はその罪を断じたりはしない。そう約束すれば、正直に話をしてくれますか」

「罪なんか……」

「それであれば、話をするくらいできるでしょう。あなたにはなんの不利益もなく、それどころか、今後の生活まで保障されるのですから」

 もう一度同じことは云いません、とデジレは最後通告をした。

「官吏を呼びましょうか」

 ベルタはデジレの双眸を強く睨みつけた。

 たとえシュテファーニアになんの実害も及ばなくとも、故郷に対する不利益にならなくとも、ベルタがここで彼女の命じた言葉について話をするのは、主に対する明確な背信行為である。ベルタのように真面目な人間にとっては、良心の呵責なしになせるようなことではない。デジレはそのことをよくわかっていて、こうしてベルタに圧力をかけてくる。

 憎しみにも似た強い怒りに任せ、ベルタは云った。

「私を獄に投ずる理由はなんです。たとえこの国に残ることが罪だったとしても、やむをえない理由で旅の列からはぐれた者までをも許さないと、国王陛下はそう仰せなのですか」

「理由など、どうとでもつけられるものです。あなただって故郷においては教主の宮に、わが東国においては王城に長く暮らした者であるならば、それくらいのことは考えずともわかるでしょう」

 下手な抵抗などやめて、さっさと口を割れ、とデジレは云っている。ベルタはもう一度唇を噛みしめた。

 いったいデジレさまはなにをお知りになりたいのだろう、とベルタは思った。私のようにとるに足らぬ者にかまける時間など、いまのこの方にあろうはずもないというのに。

 ヴァレリーが行方不明となり、エヴラールに大逆の疑いがかけられているいま、東国王城にはひどく不穏な気配が渦巻いているはずだ。わずかなりとも己の利を求めよう貴族どもが陰謀をめぐらせ、ひそやかな背信とあからさまな裏切りとが目まぐるしく交錯する。二重にも三重にも張りめぐらされた虚構と、その中に一条潜む実体とに誰もが振りまわされている。

 それは、このデジレさまも例外ではないのだろう。ことにヴァレリーの留守を預からねばならない彼女にとって、時間とはまさに命――己ではなく、主であるヴァレリーの――と同義だ。にもかかわらず彼女は、決して短いとは云えない時間を私に割き、なにかを探り出そうとしている。そのなにかとは――、姫さまのささやかな企みなどでは、決してない。

 デジレさまは譲らないだろう。なにがあっても私の口を割らせる気だ。ここで無理ならば、牢の中ででも。穏当な方法でだめならば、拷問にかけてでも。

 ベルタは大きな息をつき、わかりました、と応じた。

「いい答えですね、ベルタ」

 デジレの微笑みはベルタの自尊心を深く傷つける。俯かずにいることが精一杯の虚勢だったが、それもいつまでもつか――。

「さあ、話してもらいましょうか、なにもかも」


 ベルタは自分がここにいる理由を簡潔に語った。できる限り己やシュテファーニアの心情に触れることなく、事実だけを並べるようにした。そのあいだ、デジレはほとんど口を挟まなかった。事実関係がわかりにくかったときだけ、まるで整理するように、質問を挟むだけだった。

 ベルタの話を聞き終えたデジレは、なるほど、と頷き、しばしのあいだ沈黙した。

 なにもかも済んだ話だ。さほど実のある話でもなかった。とうに東国を離れたシュテファーニアの罪が問えるわけもなければ、そもそも罪と呼べるような行為が明らかなわけでもない。

 だが、私にとってまったく収穫がなかったわけではない、とデジレは榛色の瞳を軽く眇めた。たとえなんの切札になるでもない話であったとしても、まるっきり役に立たないということはない。

 シュテファーニアの振る舞いに明らかな罪がなかったとしても、彼女が元夫である王太子の意志に背いたことははっきりしている。しかも、偽りを述べる書状――エリシュカを見つけ次第すぐに知らせを寄越すように、というヴァレリーの要請に、諾と応えた――まで認めて。

 どんな話が、いつどのように役に立つかわからないのが王城というところ、とデジレは思う。たとえ屑のような噂話であっても、貴族のひとりを失脚させ、王族のひとりに疵をつけることはできる。

 ましてやそれが、事実であるというのであればなおさらだ。

 どんなにささやかであっても、シュテファーニアの振る舞いは王太子に対する背信行為にほかならない。それが許されないことであるとわかっていたからこそ、シュテファーニアは、ベルタひとりをこっそりと旅列から外すような真似をし、さらには東国に置き去りにして山を越えていったのだ。

 シュテファーニアの振る舞いがよからぬものであることは、なにも彼女ひとりが自覚していることではなく、誰の目にも明らかな事実である。

 誰の目にも。そう、――王妃陛下の目にも。

 同郷であり血縁であるシュテファーニアの失態は、そのまま王妃エヴェリーナの失態となりうる。それが、とうに離縁し、城を出たあとになされたことであっても。

 決定的な一打となりうる切札などそういくつも必要ない、とデジレは思っている。これからあるかもしれない肝心な場面で、少しでもエヴェリーナに揺さぶりをかけられればそれでいいのだ。

 シュテファーニアの振る舞いは二重の意味でエヴェリーナを動揺させることができるだろう、とデジレは踏んでいた。

 ひとつは、王太子の命令に背き、ベルタを旅立たせたこと。もうひとつは、賤民の娘に情けをかけたことである。

 故国を離れて長いエヴェリーナは、しかし、東国の習慣に染まってはいない。故国との書簡は頻々と交わされているし、わずかな言葉の違いもあらためようとしない。教主の宮での習慣をいまも引きずり、古い身分制度に身も心も囚われている。

 そんなエヴェリーナにとって、シュテファーニアの行動は信じがたいものと映るだろう。家畜にも劣る卑しい者のために、自身が危険を犯すなど――。

 たいした札ではない。だが、使い方を誤りさえしなければ、なかなかに便利な札だ。

 ベルタから聞き出した話を、デジレは頭の中でそう整理した。そして、話を聞きながら考えていたあることを実行に移すべく、口を開いた。

「話はよくわかりましたよ、ベルタ・ジェズニーク。私も約束を守らなくてはなりませんね」

「……約束」

「わが国に滞在するあいだの正式な身分と帰国の折の援助。そういうお話だったはずですが」

 ベルタが頷くより早く、デジレは言葉を継いだ。

「あなたには以前と変わらぬ王城付侍女の地位を与えましょう。給金と住まいも以前と同等程度を約束します。侍女長には私から話を通しておきます。仕着せが用意でき次第、すぐに仕事にかかれるように、と」

「仕事?」

 ええ、そうですよ、とデジレは頷いた。

「侍女としての仕事です」

「侍女としての、ですか」

 なにか不満でも、とデジレは腰を下ろしていた椅子から立ち上がり、ベルタの顔をほぼ正面からまっすぐに見据えた。

 いまは動揺する焦茶色の瞳が、そう時間を置かないうちに静かな落ち着きを見せることをデジレはもう知っている。ベルタという娘が持つ凡庸に隠された非凡は、とうにデジレの理解するところとなっていたのだ。

 事態を見極め、言葉を選ぶことのできる賢さ。己を知り、他を認めることのできる素直さ。守るべきものを知り、明け渡すべきものを諦められる謙虚さ。ベルタの美点は、デジレの目に非常に好ましいものとして映った。

 思わぬ拾い物をした、とデジレは考えていた。ベルタこそは私の探していた侍女だ。口が堅く、己の使命を理解し、そして、この国との縁が薄い。彼女こそは、あの方のお世話にうってつけではないか。いまの私を悩ませる、エヴラール・ジェルマン・ラ・フォルジュ殿下、あの方のお世話に。

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