第304話 デート
デート当日…
カイルはローズの部屋に迎えに行くと…
「お待たせしました」
ハルジオンがニヤニヤと笑いながら扉から顔をだした。
「なんだよその顔…」
カイルがハルジオンの笑顔に眉をひそめた。
「もうローズ様が…大変なんです!」
「ローズが!どうした?怪我か?風邪でも!?」
慌てて入ろうとするのをハルジオンが必死に止める!
「ち、違います!デート用にお召し物変えたんですよ!それがもうすっごく可愛くて素敵なんです!」
「えっ…」
カイルがピタリと止まった。
「すみませんでした!私が最初に見てしまって…」
ふふふと笑っているのをみてカイルはカチンとする。
「でもローズは#俺の為__・__#にその服を来てくれたんだろ?まぁ後で脱がせるけど…」
「カ、カイル様!」
ハルジオンが顔を真っ赤にすると
「やっぱり…仲良しね」
ローズが後ろから覗き込んで笑っている。
「「どこが(ですか!)」」
二人で同時に叫ぶと…
「ロ、ローズ…」
カイルがローズの姿をみてハルジオンにイラッとした事など何処かに飛んでいった…
ローズの手をとってそっと自分の方に近づけさせる。
「ど、どうでしょう?ハルジオンがたまにはこういうふわふわとしたスカートがいいと…変じゃないですか?」
伺うようなローズの上目遣いにカイルは言葉を無くしてポーっと見とれた。
「カイル様?」
「あっ!ご、ごめん…凄く似合ってる…それにあんまりにも可愛くて…ハルジオン…よくやった」
カイルは思わずハルジオンを褒めた。
ハルジオンは満足そうにお似合いの二人を眺めていると…
「あっ!そうだ!ローズ様…」
ローズを呼ぶと耳打ちする…
「なに?何か変だった?」
ローズが心配そうに自分の格好を見直すと
「いえ!ローズ様はいつも素敵です!じゃなくて…町中でのことなんですが…実はカイル様って他の町のお姉さま方に人気で…ですからこの際ローズ様との仲をうんとアピールしてきて下さい!」
「町のみんなが?でも…カイル様確かにかっこいいものね…」
神妙に頷くと
「でもどうやってアピールなんてするの?」
「あっそれは簡単です!手を繋いだり腕組んだりカイル様にいつもより近づいて寄り添う感じで大丈夫です」
ハルジオンか軽く答えた。
「手を繋ぐ…腕を組む…寄り添う…うん!わかったわ!」
ローズが拳を握りしめると
「戦うんじゃなくてぎゅっと握る感じですからね…」
「わかってるわ!」
グッと笑うローズにハルジオンは一抹の不安がよぎった…
「じゃあローズ行こうか?」
先程から顔が緩みっぱなしのカイル様が手を差し出すとローズがその手をぎゅっと握り返した。
そしてハルジオンにこうでしょ?とばかりにウインクする。
ハルジオンはそうです!そうです!と何度も頷き返した。
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