第137話アンダーソン家
ジュリアはそろそろ最後のお茶が終わっただろうと自分の父親の部屋へと急いで向かっていた…
扉を警護する兵士がジュリア嬢に気がつくと彼女を止めた。
父親の部屋に行くのに止められジュリアは兵士を睨みつけると
「父にようがあります。そこを開けてくださる?」
文句を言うように言うと
「ただいま呼んで参りますのでしばらくお待ちください」
兵士は頭を下げるとアンダーソン大臣に声をかけた…しばらくして
「お待たせ致しました」
兵士が扉を開けると
「ふん!」
ジュリアは兵士達を睨んで部屋の中へと入った、中では父親のアンダーソン大臣が机に座り書類を確認している。
書類を見ながら顔をあげることなくジュリアに声をかけた。
「なんのようだ?」
ジュリアはぷりぷりと怒りながら
「お父様!ここの兵士はとても失礼ですわ。変えた方が宜しいのではないでしょうか」
先程の兵士の態度に腹を立てている。
「何故だ?彼はよくやってくれていると思うが?」
「だって私がお父様の部屋に入る際にいちいち確認する為に止めるのですよ!」
ジュリアの言葉にアンダーソンはようやく顔をあげると
「それはそうだろう、仮にもここは大臣の部屋だいくら娘とはいえおいそれと中に入れる訳にはいかないだろ」
父親の言葉に納得いかないジュリアは気に入らないと顔を背ける。
アンダーソンはため息をつくと
「それで、何の用だ?」
なんの要件で来たのかと聞くと
「そうですわ!お父様お茶会はどうでしたか?最後のお茶会の審査員として出席なさったのですよね?あのタウンゼントの方はどんなお茶会をされたのですか?」
ずっと気になっていたことを聞くと
「私はそのお茶会には出席していない」
アンダーソンは首を振ると
「えっ…何故ですか?」
「国王陛下自ら欠席するようにと言われたのだ…その代わりに自分が出ると」
「えっ!陛下がお茶会に出られたのですか!?」
「そう聞いている」
「どういう事よ…」
ジュリアは悔しそうに爪を噛むと
「何故ですか?なぜ陛下が!」
「理由はまだ聞いていないが…聞いていたとしてもお前には話す事は無い」
父親の言葉にムッとすると
「ならお茶会の結果はどうなっています。もちろん私は合格ですよね?」
ジュリアが当たり前のように自信満々に聞くと
「…それもお前に言うべきことではないだろう。婚約者候補の令嬢としてすべき行動ではないと思うが?」
アンダーソンは娘をじっと見つめて諭すように言うと
「酷い!お父様は私のことが嫌いなのね…いつもそう、仕事仕事で…もういいです!」
ジュリアが部屋を飛び出ると
「お待ちください!」
付いてきていたメイドが急いで後を追おうとすると
「待て!」
アンダーソンがメイドを止める!
「なぜジュリアをここに来させた。もっと大人しくしているようにきちんと言っておくように」
「も、申し訳ございません…しかしジュリア様は自分の考えを変えるような事は…」
困った様に顔を蒼白にしていると
「君に言っても酷か…すまなかった。しかし注意するように見ておいてあげてくれ」
「は、はい!」
メイドは頭を下げると逃げ出すように部屋を出ていった!
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