第100話新人
「ではローズ様のここに仕切り板を置いて置きますのでこっちには出ないように気をつけて下さいね」
スチュアートさんがロイ様達と打ち合いをはじめる場所と剣舞の練習をする場所に仕切りをつけてくれた。
王子達にお披露目前に見せないようにと私が集中出来るように置いてくれたのだ。
「ありがとうございます」
ローズは頭を下げると
「修正箇所は先程話したところだけで後はこの前の動きで大丈夫だと思います。クレアさんの用意した衣装を考えるとあまり動きを止めない方がいいと思いますので流れを考えながら練習してみて下さい」
「はい!」
私は剣をもっとフーっと息を吐いて集中した。
ロイ様達の剣を撃ち合う音が聞こえると私も剣舞を舞い始めた。
動きを考えながら何度か踊っていると…
パチパチパチ!
外から手を叩く音がして顔をあげる。
すると鍛錬場に兵士達が数名集まり手を叩いていた。
「お前なんだその動き!すごいな!」
どうやら剣舞を見ていたようだ…踊りとは思わず剣技をしていると思われたらしい。
私が剣舞をやめて汗を拭うと、兵士達が近づいてきた。
「見ない顔だな?どこの部署だ?」
兵士達が顔を除く…
私はサッと顔を背けると
「えっと…まだ入ったばかりで…」
小さい声で誤魔化す。
「なんだ?新人か?ならちょっと剣の打ち合いに付き合えよ」
兵士の一人が剣を構える!
私も咄嗟に剣を構えてしまうと
「行くぞ!」
兵士が打ち込んできた!
「えっ!ちょっと!」
待ってと言おうと思うが剣を先に受け止める。
するとやるなと兵士が次々に攻撃を仕掛けてきた。
私は何か言うのを諦めてこの打ち合いに集中する事にした!
「はぁ…はぁ…参った。新人の癖にやるなぁ」
兵士が剣を下ろすと一礼をした。
「ありがとうございました」
私も剣を下げて頭を下げると
「次は俺とやってくれ!」
いつの間にか兵士達の行列が出来ている。
「お前の剣は綺麗だな!力はそんなに強くないのに何故が押し切れない…スチュアートさんに似てる感じがするな」
スチュアートさんと聞いて衝立の後ろを気にするが三人がこっちに来る様子は無かった…
(これも鍛練の一瞬なのかな?)
ローズは早くやろうと急かされて次の相手と剣を構えた。
そうやって数人の相手をしていると…
「す、すみません…もうこれで」
いい加減何人も続けて相手をして体力が無くなる。
ローズが終わろうと断ると…
「えー!もう一回!これで最後でいいから!」
次に待っていた兵士がどうしてもと手を合わせてお願いしてくる。
「いや…もう腕が…」
ローズが限界で震える腕を抑えると
「じゃあ軽めでいいから」
「これで最後ですよ…」
ため息をつくと最後だと決めて剣を構えた。
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