78bit 私の出る幕でもなかったみたい


 糸こんにゃく:雛乃ちゃんと真衣ちゃんと教室で英美里ちゃんを待っていたら、青褪めた顔をしたりっちゃんが突然やってきて


 糸こんにゃく:手に持っていたルーズリーフを私たちに見せたの


 糸こんにゃく:それで、良からぬことが起きているってわかった


 えみりり:なるほどね


 ピヨ乃:ルーズリーフを読んだ途端に糸っちが取り乱しちゃって


 ピヨ乃:どうしようどうしよう! 何とかして英美里ちゃんを助けないと!!


 糸こんにゃく:私の演技はいらない!


 ピヨ乃:ごめんごめん笑 で、そんな窮地に立ちあがったのが


 真衣にゃん:私ね


 糸こんにゃく:真衣ちゃんの技術力に頼ってしまった次第でして……


 真衣にゃん:英美里の動画にアクセスする端末の特定なんて赤子の手をひねるようなもので、変なコメントをしようとする者には警告を出してあげようと思って


 真衣にゃん:『そのコメントを投稿したら、あなたの情報も余すことなく公開するけど、大丈夫? △△に住んでいる〇〇さん』


 糸こんにゃく:怖い……怖いよ真衣ちゃん……


 ピヨ乃:悪党たちも震えあがるだろうね……


 えみりり:やっぱり。 夜になっても悪意あるコメントが送られてこないのは、真衣ちゃんが何かしているんだろうとは思った


 真衣にゃん:でも、どうやら私の出る幕でもなかったみたい


 えみりり:え? どういうこと?


 真衣にゃん:さっきのはあくまでやろうとしたことであって、実際にはまだ一件もやってない。 調べたらすでに私と同じような考えで英美里の動画を監視している端末があった。 まぁ、監視技術としては私の数倍劣るけど。 それでもその端末のおかげで私は今のところ何もしていない


 えみりり:いったい誰なんだろう……


 ピヨ乃:わかったかもしれない、その端末の持ち主


 ピヨ乃:きっと


 ピヨ乃:ハジメさんだ


 糸こんにゃく:あぁ……


 えみりり:どうしてハジメさん?


 ピヨ乃:だって、ハジメさんはドヘンタイだから


 えみりり:ハジメさんが……ドヘンタイ……?

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